会場は東京都町田市相模原町にある法大多摩キャンパス・エッグドーム五階ホール。岩崎助教授担当の障害者福祉論の授業の一環として川島、山本さんの講議は公開して行われる。
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講議内容は「立ち上がった身障者たち」で、昨年暮れ、ルパン文芸が身障者六人、健常者一人が共同執筆した「面白きこともなき世を面白く」を出版したが、それが大きなキッカケになった。
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川島さんは三十歳代だが六歳のとき、おたふく風邪から髄膜炎を併発して視力を失う。しかし中学二年のとき声優、北川智絵さんの「語り」を聞いて強く魅きつけられ「第一回わたぼうし語り部コンクール」に入選。
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プロの語り部(声優)のかたわら、映画「津軽」に出演、劇団ふあんハウスの「風に吹かれて」の主役をこなし、児童文学の創作を目指してルパン会員、「ファイトこそ私の人生」と川島さんはほほえむ。
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山本さんは六十歳代、新聞社社会部長のとき脳卒中にかかり右半身不随、言葉も音としか聞こえない。それでも「最高裁物語」で日本記者クラブ賞を受けた。ルパン文芸は創立時からの会員。車椅子、「人生劇場、いま序幕」が山本さんの信条だ。授業では二人とも四十五分づつ、本格的な大学の講議は初めてだ。
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現代福祉学部の講議は体験的福祉論になりそうだが、若い学生たちが身障者問題現状をどういう風に受け取るかそれが楽しみだーと二人は語っている。 山本さんは「身障者には文学がもたらす影響には大きなものがあるから学生にそれを理解して貰うつもりだ」と語った。
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