森で幕らすアカテガニも一生に1回は海の中で暮らさなけれぱなりません。それは、誕生の瞬間からしぱらくの間。したがって、親のカ二はお腹いっぱいに卵を抱え、真夏の大潮の晩、満潮の時刻に森から海へ降りてきます。母カ二は水の中に入り、懸命にお腹をふるわせてお産をします。これが「放仔」です。親のお腹から海へ放たれた瞬間、卵は孵化してゾエアど呼ばれる幼生に変身します。
全国的に有名になってしまった、「アカテガニの放仔」。毎年とてもたくさんの方が、小網代を訪れて観察をされるようになりました。このお一人お一人の感動が、きっと小網代の保全へとつながったものと考えています。
ところが、残念なことに曖昧な情報だけを頼りに出かけてきて、観察をしている人の邪魔を(意識していないのでしょうが)したり、もっとまずいことには、せっかくお産にやってきたアカテガニたちを撹乱してしまったりと、よからぬ事態も発生するようになりました。
そこでわたしたち小網代の森を守る会では、1990年から「カニパトロール(略してカニパト)」と称する取り組みを開始しました。放仔を見ることができる日(特に人が多く訪れるであろう週末)に海岸に待機して、放仔を見に訪れる人たちのお世話をしようというものです。具体的には、放仔の説明、諸注意、観察ポィントの案内、人の整理、遅れてきた人への対応、保全へ向けての説明などを行っています。1995年からは、横浜自然観察の森友の会の方々が作成して下さった、紙芝居が加わり説明の仕方もグレードアップしてきました。
いちぱん重要な仕事は、お産に来たアカテガニが無事に森に帰れるようにしてあげること。そのために観察のマナーを呼びかけること、撹乱しない注意をすることです。
1996年、小網代のアカテガニを見守ってくださる方々が緩やかに連携した「カニパトネット'96」を立ち上げました。<かながわトラストみどり財団>のあたたかなご支援もいただき、守る会以外のグループの方にもお手伝いいただき、無事終了することができました。翌年、1997年3月に正式発足した「いるか丘陵ネットワーク」との連携をより強くして、「カニパトネット'97」を組織いたしました。そしてまた翌年は、1998年春に発足した小網代野外活動調整会議の呼びかけで「カニパトネット'98」ができあがりました。野外活動調整会議は、小網代保全実現までの間、小網代の自然を守り、享受し、自然教育等の領域において持続的に活用しようとする市民団体が連携して、さまざま課題に対応する野外活動調整のための会議です。カニパトの運営は、この会議の重要な課題の一つと位置づけられています。県による土地の買い入れが少しずつすすみ、1999年春にはボランティアの利用も可能な、緑地維持管理用倉庫も完成いたしました。その後、2000年、2001年とカニパトネットは着実に活動してまいりました。
そしてさらに2002年より、小網代野外調整会議は<かながわボランタリー活動推進基金21>のパートナーに選ばれ、神奈川県との協働事業をスタートさせました。県取得緑地をアカテガニビオトープとして整備する事業を開始し、ゆっくりと観察者に紙芝居を見ていただける「アカテガニ広場」も完成しました。2005年もこの協働事業の一環として「カニパトネット2005」として進めていきます。「カニパトネット2005」が、安全に、かつ充実したものとして終えられますよう、皆様方のご協力をよろしくお願い申しあげます。
| 期 | 月 | 日 | 曜 | 潮 | 満潮時刻 | 潮位(cm) | 日没時刻 | |
| 第1期 | 7 | 21 | 木 | 大潮 | 18:17 | 197 | 18:54 | 満月 |
| 7 | 22 | 金 | 大潮 | 18:54 | 200 | 18:53 | ||
| 7 | 23 | 土 | 大潮 | 19:28 | 199 | 18:52 | ||
| 第2期 | 8 | 5 | 金 | 大潮 | 18:11 | 186 | 18:42 | 新月 |
| 8 | 6 | 土 | 大潮 | 18:33 | 189 | 18:41 | ||
| 8 | 7 | 日 | 大潮 | 18:55 | 191 | 18:40 | ||
| 第3期 | 8 | 19 | 金 | 中潮 | 17:52 | 201 | 18:26 | |
| 8 | 20 | 土 | 大潮 | 18:26 | 204 | 18:25 | 満月 | |
| 8 | 21 | 日 | 大潮 | 18:47 | 205 | 18:24 | ||
| 8 | 22 | 月 | 大潮 | 19:11 | 203 | 18:22 |