自己紹介がわりにマイ・オールタイム・ベストをあげてみようと思い、考えてみました。
長篇に限り、一作家一作品をまもっています。
順位はなく、発表年代でならべています。
■海外ミステリ
■国内ミステリ
■古典編=創世期から黄金時代(〜1939年)
いきなり『月長石』というのが浮いていますね。(笑)
本来なら、ここで、同じ作者の『白衣の女』や、ディケンズの『荒涼館』なども検討しなくてはいけないのでしょうが、
あいにくというか、未だに読んでいないのよ。
『木曜の男』は、チェスタトンをどうしても入れておきたかったから。
ブラウン神父より前に発表されたこの作品は、チェスタトンの嗜好がよくでている作品だと思います。
ドイルは長篇ではやめました。
全体のバランスで言えば、アイルズ名義の心理サスペンス系のものを入れたかったですが、最初に読んだ『毒入り』の印象が、やはりもっとも強く、愛着があります。
ハメットは、最近再読して『赤い収穫』や『ガラスの鍵』も棄てがたくなりましたが、やはり初読でもっとも好きだった作品を選んでいます。
ちなみに、チャンドラーはそれほど好きではありません。
ディクスン=カーは、悩んだ末に『白い僧院の殺人』に。
ほかには『緑のカプセル』『皇帝の嗅ぎ煙草入れ』などが好きです。
純正カー・ファンではないので、あまりカーらしさが出た作品は胸ヤケがするほうなのです。
クイーンはまよわず『中途の家』。これは、前にもどこかで言った覚えが
ありますが、マイ・ベスト・クイーンです。
ベスト・スリーなら『Xの悲劇』『フランス白粉』をいれます。
ガードナー=フェアで、一作ということで、『屠所の羊』。
まだいきのいいラム君の、胸のすく活躍がとっても好きです。
このころのエルシー・ブランドはオールド・ミスって感じで書かれていたんですよね。
通俗ハードボイルドの面白さもあり、また異色の法廷ものとしても傑作だと思います。
ペリー・メイスン・シリーズは数が多すぎて、一作だけ選べません。(ほとんど忘れているし)
クリスティで一作ということで、オーソドックスにこれを。
若島正のウェブ・サイトでこの作品の手掛かり検証をしていたのを読んで、たいへん感心しました。もちろん、わたしはそんなことは気がつかなかったけれど、サスペンスと謎解きがうまくかみ合って、クリスティの著名作の中で、もっとも好きな作品です
クリスティも選ぶのが難しいですね。
スリラー作品も好きだし、後期ミス・マープルも棄てがたい。(戦後になるけど)
ベスト・スリーなら『ナイルに死す』『秘密組織』にしておきます。
『そして誰もいなくなった』と同年に発表されたチェイスの『ミス・ブランデッシの蘭』は現実味が感じられない人工的な世界で次々と人が死んでいく作品で、そういう意味ではクリスティの作品と相通じるとことがあるのかもしれません。
なんといっても、イギリス人がアメリカ人のふりをして書く、という行為がすでに人工的です。
「血みどろの暴力とサディズム」という鳴り物入りの作品ですが、残酷さをかんじるよりも、奇妙な爽快さを感じました。
■近代編(1940年〜1969年)
これで十作。
次点はライスの心温まる『スイート・ホーム殺人事件』かな。
ここまで、見事にフランス・ミステリがありません。
『緑は危険』は犯罪の謎解きが終わったあとも、まだ登場人物たちの
物語がつづいているところが、新鮮でした。
ブランドはこれと『はなれわざ』がいいぐらいで、あとはちょっと……というほとんど一発屋作家の気がします。
世評に高い『ジェゼベルの死』はたいした作品とは思えません。(つまらなくはないですが)
『裁くのは俺だ』はやはり記念碑的な作品だと思います。
わたしはスピレインの悪口を言うハードボイルド・ファンというものを信用しません。
『五人対賭博場』は青春小説としても襲撃ものとしても忘れられない作品です。
『毒薬の小瓶』はいうまでもないでしょう。
スターク=ウェストレイクは上げたい作品がいくつもありますが、 一作だけというなら、これを選ぶしかありませんね。 タッカー・コウ名義の『蝋のリンゴ』も棄てがたいのだけど。
フランシスは昔は『大穴』がベストと思っていましたが、ミステリ的な面白さ、つまり不可解な謎があざやかに解かれる快感度でこれにしました。世間的にも、この作品がもっとも評判がいいようだし。
正統派のパズラーで『死人はスキーをしない』を、変則技のパズラーで、『ドーヴァー4/切断』と『英雄の誇り』。
もう一編選べるなら、『月曜日ラビは旅立った』が好きです。
このころの本格ミステリ作品はわたしの趣味にもっともあっています。
マクベインはいろいろあるが、大好きなデフ・マン登場とコミカルな味わいが好みなので、これを選びました。
■現代編(1970年〜)
■短篇集
ヒルはどうした、ラヴゼイがないぞ、と言われそうですが、 ま、それは次の機会に。こういうベストは、選んだときの 心境で、ころころ変わるものです。(笑) こうして見ると、60年代のパズラーと、70年代のハードボイルドが 好みであることがわかりますなあ。