海から見た上関原発予定地


 7月3日山口県上関町四代を訪れる。

 室津から上関には橋で渡る。曲がりくねった細い道も工事が進み広い道が出来つつあって、道路が整備され陸の孤島の交通の便が良くなると、僻地も発展すると賛成派は言うのだが。何の為の行き来であろうか。

   四代に着く。漁業を生業とする村である。中腹にある赤い屋根が小学校で、私の父は校長として3年間勤めた。現在、この校舎に先生4人と生徒4人である。

    普通の民家で煙草を扱っていた。ハイライトを買って外からその家をみるとこんな看板があった。反対派も堂々と意見を表明している。

    港には一仕事終えた船が止めてあった。網の整理、道具の整理をしていた。

    その中の一双に父の知り合いが居た。原発見たいのなら船に乗せてあげるよという親切な話しになった。

    船は海岸にそって西へと進み。右の岩を廻ると現場が見えるというところまで進んだ。

 無人の人間が開いた耕地の跡が見えてきた。ここが予定地なのである。ここに至るまで船で走ること15分。山から入るのは道なき道を這わないと来ることが出来ないとのことであった。

 さらに船が近づく。陸の孤島の一画に放置されたさらに小さな島という感じで予定地はあった。一木買い取り運動の木。団結小屋もここからは見えないということであった。この一画は四代であって四代でない。つまり四代の人に日常生活の中で決して目に触れるこがないのだから。

  

 一方、猛反対で知られる祝島が対岸にあった。建築予定地から振り向いて撮った写真がこれである。写真に映っている集落は原発の真向かいになる。つまり、毎日原発を見ながら暮らすことになる。目の前の前のドクロマークをいやでも見ざるをえない日常生活を送る羽目になるのだ。

    反対とも、賛成とも何も言わなかったこの船の持ち主の漁師さんは、四代に帰るべく船の方向を転換した。

  

 船は走って四代の集落に戻った。

原発はこの集落から離れてつくられるのだ。

 上関原発は賛成するも反対するも、独特な地理的問題を抱えている。