(1999/01/29更新)

ニッポンの風景 02 重茂半島・トドヶ崎



 日本の秘境、重茂半島(おもえはんとう)。本州の最東端はこの半島の魚毛ヶ崎(とどがさき)になります。(トドは魚偏に毛で一文字なのですがWindowsにはこの字がありません)
 重茂半島を巡る県道41は、ところどころ1-1.5車線になります。北の津軽石からだと、南の山田町から回るよりも細く感じられました。北からだと、海側を走るということと、川代あたりの細い区間が上りになるので結構恐怖でした。(^^; ただし、南から県道41に入ると、絶対、すぐに迷うと思う。集落がごちゃごちゃした上に、案内もほとんどない。
 重茂半島は地図(昭文社マップルリングEX)で見ると、ゾウリムシを連想させる不思議な形をしている。いかにも人里離れた土地の雰囲気。訪れる前から私にとっては秘境という印象がとても強かったです。



所在地:岩手県宮古市(R45-県道41-遊歩道4km)
撮影日:1997/05/31(土)
Camera:FUJIFILM DS-8, Re-Touch:Paint Shop Pro 5



トドヶ崎灯台  これが本州最東端のトドヶ崎灯台。ここまでの道のりは遠かった!
 初めて重茂半島を回ったときは、知らない道という不安感と、車の不調(5万km以上走った丸坊主のタイヤが砂利で滑るすべる。堀内〜重茂は県道より、白浜峠のほうが路面がいいです)のせいか、県道41の細さにビビッて姉吉への道を行くのを断念したのであった。(^^;
 これはその二ヶ月後、2回目に走ったときの記録です。実際のところ、県道41はすれ違いのきつい区間もそれほどありません。姉吉への道は1車線になりますが、車はほとんど通らないので心配いりません。
 姉吉の港からのトドヶ崎探勝記の始まりです。

姉吉の港  なんにもない、姉吉の港。本州最東端のトドヶ崎へは、ここで車を降りて、4kmの道のりを歩かなければいけません。
 集落からも離れ、まったく閑散としています。しかし自動販売機の缶ジュースは、値上げ直後でも、ちゃんと120円になっていた。しっかりしてる。(^^;
 写真では、分かりづらいですが、港の上、向こうの山の手前に、水平に連なっている点々は鯉のぼりです。港の左右の山肌の、かなり高いところにロープを渡して、鯉のぼりを20匹くらい上げているのでした。どうしてわざわざ苦労して、こんな風に上げる必要があるのか謎です。この地域の伝統?
トドヶ崎への道  トドヶ崎への道。
 こんな道を延々4km歩く。普段歩きなれない人にとっては辛いかもしれません。私の場合は、自宅から駅、駅から会社が遠いので、毎日6km以上(!)歩いていますが、その私にとっても長かった!
 岬でのんびりする時間を考えると、往復には3時間くらいはみておいた方がいいでしょう。だから、港を出発するのは午前中がいいです。この道で薄暗くなったら、かなり心細いと思いますから。(^^;
 重茂半島巡りは、トドヶ崎まで歩くとすると、ほとんど丸一日の行程ですね。
姉吉の入り江  トドヶ崎への道から見える海。深い藍色の海。
 海が見える場所では激しく砕ける波の音が聞こえますが、道が海岸から離れると波の音が遠のきます。
トドヶ崎灯台2  本州最東端の、そして東北一のノッポ灯台、トドヶ崎灯台。
 4km歩いた末、久しぶりに仰ぎ見る青空。天に向かってそびえる白い灯台の姿には、もう感無量です。
本州最東端の碑  これが、本州最東端の碑。
 別段、整備もされていない茶色い岩場の中に、ぽつんと無造作に設置されています。どことなくトドみたいな形の石は、わざわざ用意したのでしょうか?
本州最東端の碑のアップ  そのアップ。
 "本州最東端の碑"の文字が見えます。
トドヶ崎  トドヶ崎の眺め。なんにもない太平洋と、自然のままの姿の陸。すべてを忘れてぼーっとできます。
 このあたりはずっと断崖絶壁が続いているので、残念ながら水際には降りられません。断崖はかなりの高さで、海が穏やかな日でも激しく砕ける波は迫力満点。
 どこから来たのか、先客として釣人が二人いました。断崖絶壁のはじに立って糸を垂らしている。とにかく釣人のエネルギーには感服します。日本全国、どこにいっても釣人はいる。しかも夜明け前から。こんな最果ての地に、夜明け前に訪れるのは私くらいのもんだろうと思っていると、たいてい釣人がいたりしますから。(^^;
再び姉吉の港  再び姉吉の港。
 帰りもまた4kmの道のりを歩いて帰るわけですが、でも一度通った道はそれほど遠くは感じませんでした。
 ようやく終点に近づき、木の間から見えた砂浜はとても美しかった。誰もいない、なんにもない、隔絶された港。
 以上、往復3時間の探勝でした。




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