▲侘 寂 萌 インデックス



鏡平小屋 鏡池と雨に煙る穂高 「女が政治に口出しすると碌なことにならない」

 ――というようなことを司馬遼太郎が書いている。

 太郎は太郎でも、私は山田風太郎が好きで、司馬氏の作品はそれほど読んでもいないが、二度もそんな風に、しかもかなり強い調子で書いているのを読んで意外の感を覚えたものだ。

 最初に読んだのは「豊臣家の人々」という連作だったか、豊臣方の「A級戦犯」ともいえる淀君に対するものとして、もう一度はどこで読んだか忘れたが、いずれの場合も歴史上の人物に対する評価というばかりでなく、その執筆当時の政治状況をも念頭においての吐露であったかと思われる。

 なにしろ司馬氏は同じ太郎でも風太郎のほうとは違って風貌からして上品だから(笑)、文中に無闇と個人的な好悪を差し挟むようなことも滅多にないが、女の政治にはよほど腹に据えかねるものがあったように印象された。

 で、島田紳助に殴られたという女。
 自分の会社のドル箱タレントを、自分と相手という一対一の関係や、会社という枠を飛び越して、いきなり警察に被害届を出して告訴という挙に出たワケアリの帰国子女(?)の女。

 女が政治に口出しすると碌なことにならない――。
 蓋し然らん。

 ――みたいなことを武部幹事長だとか森元総理みたいな、モッサリしたダサいオヤジが言えば大問題だけど、司馬遼太郎なら平気なンだよね。戦後民主主義的には。
 難しいというか、単純というか、オンナコドモ的というか――いや、「本能的、野性的」というべきかもしらん。



成田山新勝寺 仁王門 イラクでいま捕まってるヤツぁね――

 死ななきゃぁいけないンですよ、あれぁ。

 面倒だから詳しい話は省きますがね、でなければ「不公平」なんです。

 フランス革命以来(?)の「平等という不公平」のおかげで、多くの人間が自覚していない不満が蔓延していますからね。
 平等なんて、くだらんオサレ思想とは本来無縁のはずの「和の国・日本」も、大東亜戦争に負けたせいで、平等思想にからめ捕られてしまってますから。

 この2000年代のミレニアムには、単なる一時の流行り思想である、平等というパラダイムを打ち破らなけりゃあいけない。

 そのためにも、この若造(じゃあないけどね、24なら)は死ぬべきなンです。
 第二、第三のNEVADAを出さないためにもね。
 でなければ、不公平なんですよ。

 まあ、何億もの税金使った上に助かって日本に戻って来ても、それはそれで構いませんがね。
 この世は生き残ったもん勝ちですから。

 そんな僥倖に恵まれた暁には、泣き言いわずに同胞からの非難(つまり、殺意)を受け止めればよろしい。



変電所の鉄塔@畑町 「馬鹿どもにはちょうどいい目くらまし」

 ――てことで、小泉首相が新潟地震の被災地を視察したわけですが、まったくもってご同情申し上げたいところ。

 でもしょうがない。
 行かなきゃ馬鹿ども(マスコミとか野党とか市民とか)がうるさいんだから。

 しょうがないから半日つぶして行ったら行ったで、案の定、遅いだの、時間が短いだの難癖をつけ、あまつさえこの時期の訪問はいかがなものかとか言い出す始末。

 いつも言うことながら、これじゃ戦争にゃ勝てんわな。
 なんで国政の大将が、たかが地震(の現地視察)ごときにかかずらわねばならぬのか。

 竹槍訓練でチンタラしていた者を「非国民が!」と罵って精神注入棒で根性たたき直していたのと同じ調子で、21世紀の時代にモノ申す。

 でも、これでいいんだよね。
 ラ・ビ・アン・ローズ、それもまた人生。
 人生は一場の舞台、未完成のまま終わる一枚の絵。
 東京には空がない、モスクワは涙を信じない。
 イッツ・ショータイム! ラブ・シュープリーム
 ラヴイズリアル、リアルイズラヴ――

 でもなんか被災地でのインタビュー聞いたら「わざわざこんなところまで来てもらってありがたいこって」とか婆ちゃんが喜んでた。
 よかった、よかった。



新穂高温泉 バスターミナル 革命起こしTai!

 いま一番やりたいことは革命を起こすこと――などと、ずいぶんと時代錯誤なことをいうようであるが、かなり本気、である。

 といって、かつての学生運動の如きハンパな"自分探し"などではなく、科学的な根拠に基づいて論理的に、社会的、文化的な変革を起こす――。
 こういうことをヒネリなしに文章化したものを論文といい、物語性を加えて洗練したものをSFといい、適当に書き散らしたものをキチガイ文献という。
 このページと同様のキチガイ文献はネットワーク・フィールドを埋め尽くし、貴重な電脳リソースとトラフィックを浪費している。

 いま私は、上記のSFにエロを加味したものを書こうとしている。
 いや、SFに、ではなく、キチガイ文献に、エロを加味したものになるであろうが。これは世間一般でエロゲと通称されている。

 いや、厳密にいえば、エロゲではない。
 エロゲではないものを書きたい、と目論んでいる――ただし、それをエロゲとして売りさばくのであるが。(笑)

 なぜ、エロゲではないのか。
 21世紀のエロゲにはいわゆる「萌え」が必須であるが、萌えとは「ワンダー」を排除したもの、であるからだ。
 ワンダーはSFの要件なのであるから、SFを書けば必然的にエロゲではなくなる。

 ――みたいなことを書くのも、だんだん飽きてきたなあ。
 パソコンも新調したことだし、そろそろ仕事しろよ>自分、みたいな。

 というわけで、この2000年代のミレニアム、人類が目指すべきは「野生への回帰」であります。
 しかし、いまさらおいそれと野生に戻れるはずもなく、ではどうするのかといえば、それはテクノロジーを使って野生に戻る、とこういう次第に相成りましょう――てぇようなエロゲなンですけど、どうでしょうねえ?



国家暗黒、安心崩壊

 久しぶりに晴れたので、例によって自転車でポタリング。
 心身ともにスッキリとリフレッシュでき、お金もかからないし、時間だけは有り余っている無職者にはうってつけの暇つぶし。
 で、一日、知らない道を選んで走ってみて、あらためて日本は豊かだなあと、つくづく感じ入った。

 世界の貧しい地域では、毎日、何人もの子供たちが餓えや病気で死んでいるというのに、この国ではエロゲ屋なんてふざけた商売が成り立ち、年収100万円にも満たないながら、オレは飢え死にすることもなく、カッコいいフラットバー・ロードに乗って風を切って走り、お腹がすいたら日本全国あまねく存在するコンビニに入って、一日三回焼きたてパンのキャベツ入りメンチカツパンと、ヤマザキのガナッシュチョコ4個入と、リプトンのアップルティーで腹を満たす。すげーうまいっ! これがわずか400円弱。
 この金額でアフリカの子供たちを救うワクチンが何人分か買えるのだろうが、日本では相当に貧乏な部類のオレでもこれくらいの出費はワケない。

 我々はなんて幸せなんだろう。
 信じられないくらい豊かで幸せだ。――逆説っぽいが。


▼八千代緑が丘駅、南口広場。ポップなオブジェ。オシャレな高層マンション。
八千代緑が丘 南口広場とマンション    八千代緑が丘 南口の工事現場
同じく八千代緑が丘、南口の大規模な開発現場。ピカピカの街にまた新しい建物が。▲


▼八千代緑が丘の閑静な住宅街。車の速度制限のため、ゆるやかなカーブを描く道。
八千代緑が丘 住宅街    八千代市大学町 新築中の家
田んぼと山を潰して作られた大学。それと一緒に開発された住宅街の新築中の家。▲


▼農家の裏庭が一面ツタの海。赤い屋根の納屋はすっかり飲み込まれている。
ツタの海になった裏庭    建築中のドーム
完成間近のドーム状の建物。人が住む家ではなく、倉庫か作業場か。▲


▼千葉ニュータウン中央のビジネス・エリア。まるで未来都市。
千葉ニュータウン中央 みずほ銀行千葉事務センター    千葉ニュータウンの消防署
千葉ニュータウンの消防署。風変わりな建物にデカデカと"119"の文字。▲


▼印西牧の原駅前の放置された(?)総合案内所。新しい街のなかで早くも朽ち果てつつある。
印西牧の原 総合案内所サークルi (ラーバンカフェ)    北総・公団線 印旛日本医大前駅
高料金で悪名高き北総・公団線、印旛日本医大前駅の宇宙戦艦のような駅舎。▲


▼開発規模が縮小され空き地が目立つ千葉ニュータウンの外れ。大海の小島のようなマンション。
千葉ニュータウン 印旛日本医大前駅近くのマンション    千葉ニュータウン 印旛日本医大前駅近くの造成中の宅地
同じく千葉ニュータウンの外れ。造成中の宅地。電柱だけが林立するシュールな風景。▲


▼西印旛沼。そのほとりの古い集落。静かな風景。
西印旛沼ほとりの集落    佐倉ふるさと広場 オランダ風車
佐倉ふるさと広場のオランダ風車。咲き乱れるコスモス、家族連れの幸福な笑い声。▲


新川サイクリングコース
▲新川サイクリングコース、秋の名物(?)のススキ。道を塞がんばかりに生い茂る。



鏡平小屋 気をつけていること

 私が仕事で気をつけていること
 それは情感を排除することです

 私の仕事はシナリオを書くことです、ゲームの
 仕事で書く文章から、私は意識して情感を取りのぞいています、できるだけ

 大雑把にいうと、「フツー」に書けば情感は薄れます

 私の文章はひらがなが多いです
 難しい漢字や、熟語や、言いまわしを使いません
 きれいな表現を使わず、必要以上に盛り上げず、あんまり感動的に描かないようにしています
 中学生が普段話したり、書くような、簡単で日常的な表現だけで文章を構成します
 そういう「簡単な文章」なら簡単に書けるかというと、これが意外に難しくて苦労します

 ――てゆうか、情感を排除するのはとても難しいし、なにより辛いのは、たといそれに成功したとしても別段褒められないってこと。つまりひとつも金にならないってことです。

 ああ、ほら、10行でもうあきちゃった。難しいンだよねー。
 そもそも、無表情な情感を盛り込んだ文章だし。

 なにが、どうして、どうなった――と、ただそれだけを書いて仕上げるのが理想。



北アルプス八景

新穂高温泉
▲新穂高の温泉宿のあいだを抜けて登山道に取りつく。熱い温泉を一口飲んでスタート。

▼笠ヶ岳に続く稜線。一瞬雲が切れ、今日歩いてきた道が見渡せた。         
笠ヶ岳に続く稜線    弓折岳南面から双六谷
        弓折岳への登り。遥か下を流れる沢の音が登れば登るほど大きく聞こえてくる。▲


▼壁のように急峻な槍ヶ岳・北鎌尾根。最終日に登る予定の槍の穂先は雲の中。     
硫黄岳と槍ヶ岳・北鎌尾根    水晶岳から薬師岳
    水晶岳山頂から巨大な薬師岳の山体を望む。雲の塊が次々とこちらに押し寄せてくる。▲


▼深い谷をはさんで台地状の雲ノ平。さらに谷をはさんで黒部五郎岳。         
水晶岳から雲ノ平    水晶岳から赤牛岳
        赤牛岳へと続く稜線。遠く、黒部ダムのエメラルドグリーンの湖面が。▲


双六池での幕営
▲台風21号による土砂降りの雨のなか、双六池でひとりテントを張る。
槍ヶ岳への登高を断念し、翌日、出発地点の新穂高温泉へ下山。無料の温泉につかる。



笠ヶ岳から穂高を望む カイテキ

 わあい、うわあい、快適だあ

 ご飯がおいしい、快適だあ
 お風呂にはいれる、快適だあ
 布団でねむれる、快適だあ

 雨も、風も、寒さも、怪我も、餓えも、恐怖も
 なんにもないぞ、快適だあ

 だけど、だけど、そうなんだけど……


 やはり俺はこの世界では生きられない
 ――とか、いにしえの山男みたいな心境っす、若干

 ていうか、仕事もないからか?





▲侘 寂 萌 インデックス