▲侘 寂 萌 インデックス



さよならだけが人生だけど...

 なんかもう今日は生まれて此の方、これ以上ないってくらい幸せな一日だった。
 もういつ死んでもいいや、とかね。

 マイ・ライフ・イズ・グレイト
 ホワット・ア・ワンダフル・ワールド

 木々の緑、赤い薔薇
 世界は唯々、美しい――



週末、絶好の行楽日和なので

 夕べは酒飲んで早寝して、今朝は4時前に起きて、風邪の微熱がほんのわずか続いているのでまた酒飲んで、自転車にテントと米1合とプリムスのストーブをくくりつけ、デイパックにシュラフと地図とレトルトの牛丼と魚肉ソーセージと行動食のキットカットを放り込んで、ポンチョに夜明けの風はらませて(うそ)遥かな房総半島の南目指し、白シラスを漕ぎ出す――。

 どうしてか、ちょっと切ない感じで、朝からレッド・ツェッペリンをかけて体温を上げて、ともかくこれから200km、ペダルを漕いでくる。



案の定

 自作自演だそうで。
 首相が大久保利通だったら、さらし首だね。おれでも。



始皇帝シンドローム

 イラクで邦人三人が人質だそうで。
 なにしろラジオ(森本毅郎・スタンバイ!)以外に情報源がないもので、なにがどうなってんだか詳しい話は分からねえが、いい気味だね。

 全国のみなさんとおんなじように、アタシも「三人の火あぶりまだぁ〜?(AAry」って期待してまさぁね、ええ。
 好きで突っ込んでいった馬鹿の面倒を、なにも国がみるこたぁないんでね、このご時世に税金の無駄もいいところですよ。

 いい気味だといいましたがね、この三人のべらぼうが、のこのこイラクなんぞに観光気分で乗り込んでいったのは、てめえの命が永遠のものだと勘違いしてるからなんでさぁね。
 そういうノンキな勘違いを「始皇帝シンドローム」ということにしましょうか。
 始皇帝ってのは、東海の三神山に徐福を遣わせて不老不死の仙薬を求めた、あの始皇帝。

 どうにも最近は、この始皇帝シンドロームにかかった人間が多くて鬱陶しい限りで。
 環境だのバリアフリーだのも結構ですがね、人間は死ぬってぇ肝心のことを忘れてたんじゃあ、さんざん食ったあとで「ヘルシーに」ダイエットコークを飲むアメリカ人みたいなもんでね、本末転倒、西昇東沈。「少数意見を無視するな」といって決して他人の意見を認めないような連中を笑えやしません。

 まあそのね、人は死ぬってぇことを忘れてるから、酷なことをいうようだけど、いい気ンなって花火大会だの六本木ヒルズだのに行ったり、綿飴を買い与えてほっぽらかして子供を殺す羽目になるんですよ。
 誰の責任だって、あとから泣き言をいったってはじまらないんでね。誰の責任だと、あえていやあ、損をした人間の責任ですよ。つまりは自分ってことでさぁね、そうとしかいいようがないでしょう? 恐竜はどうして絶滅したんです? 行政の責任ですか? はっは!

 死ぬのは苦しいしね、辛いし、恐いですよ。どんな下等な生物だって知ってます。万物の霊長である人間がそれを忘れちゃあいけない。
 いまこの世に存在するすべての生命――ウイルスあたりはともかく、真核生物のすべては、少なくとも20億年前からずーっとDNAという遺伝情報のタスキを繋いできたんであってね、そういう意味でいえば、すべての生命は20億歳ってぇことです(おそらく30億歳超)。アタシも、ゴキブリホイホイに捕まったゴキブリも、庭のドクダミも、銀座のカラスも、ミミズだってオケラだってアメンボだって、みんなみんな30億歳。

 人質の三人も、まあ火あぶりにされれば、これぁ文字どおり死ぬほど苦しいわけで、そうすりゃあ、人は死ぬってぇことが、これまた文字どおり、骨身にしみてわかるでしょうねぇ、いやはやなんとも。





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