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2002/ 03


 2002/03/30 (土) リズム・ストーリー・一人称

 三人称エロゲの可能性は、結論からいうと、ない――。
 一般向けゲームと違い、エロゲでは、プレイヤー自身がヒロインとのえっち及びハッピーエンドを我がことのように感じられなければいけない。ともかく情動的でなければならない。故に語り口は一人称にならざるをえないと思う。少なくともここしばらくは。(プレイヤーの読解力と保守性及びオイラの文章力を考慮すると)

 しかしこれは、ずっと男優の見た目で撮影されたAVみたいなもので、始終これではどうにも窮屈だ。
 俳句のようにギリギリまでそぎ落とされた、エレガントな数学の証明のような、あるいは名人の落語のようなシナリオは難しい。

 そこで、なんとか工夫してみる。
 一人称でも、風通しを良くする手段はいくつかある。それは以下の3つ。

 1. 会話の表記

(A: 小説と同様の表記)
「うんぬんかんぬん...」 ヒロインはそう答えた。

(B: セリフの前に名前を置く)
【ヒロイン】うんぬんかんぬん...。

ここ2本ばかりAの表記をとってきたが、Bのほうが断然リズムが良い。
ゲームは小説ではないのでBの表記が良かろうと思う。
(名前とセリフ部分の表記には、実例以外に色々あって悩むところだが...)

 2. RPG

アドベンチャーとしてストレートに物語るよりも、RPGやシミュレーションようなゲーム性を付加して物語ることでリズムが良くなる(可能性がある、あくまでも可能性)。
この場合、真面目に作れば作るほど、物語性とゲーム性のバランスに悩むことになり、単純にアドベンチャーを作る方が楽だったりするのだが...

 3. ハードボイルド

ハードボイルド調でクールに物語る。
鬱陶しい描写は押さえられるが、しかし学園物で17,8の小僧にフィリップ・マーロウばりのセリフをしゃべらせる訳にもいかず、かなり限定された手段だ。
しかも、真面目にハードボイルドすればするほどエロゲにならない。経験済み。ハードボイルドおいて、ヒロインとのえっちは蛇足というよりも、あってはいけないからだ。炉利キャラや萌え〜な雰囲気を前面に押し出すわけにもいかないし、そういう点でも難しい。
 ハードボイルドタッチ、私はかなり好きなんだが、現代のエロゲでは難しいか。残念。

 長々と自明のことを書いてみたが、こうしてみると、実は一昔前のエロゲのスタイルが風通しのいいものであったということになりそうだ。
 一昔前とはつまり、ノベル以前、泣きゲー以前。
 現代のエロゲが、物語のリズムを犠牲にしてまでもなお求めているものはなんなのか――これはホントに分からないのでおいおい考えてみたい。

 2002/03/29 (金) 反省, 追憶, あるいはアパートの鍵貸します

 いい女――といってまず思い浮かべるのは「アパートの鍵貸します」のシャーリー・マクレーンだ。
 その脚本・監督のビリー・ワイルダーが死んた。

 僕はポンニチだから当然(?)、ロリコン若しくはマザコン傾向があって、グレース・ケリーみたいな、ただ綺麗なだけのつまらん女がどうしても好きなわけだけど、そんな僕にも「アパート...」のシャーリー・マクレーンは実に魅力的だった。

 ワイルダーは特別好きなタイプの作家でもないが、プロ中のプロ、本物の職人だ。
 (関係ないけど、日本のアニメ界でプロ中のプロ、本物の漢といえば、やはり出崎統だろう。作品が面白すぎるせいか、本人について語られることがあまりにも少ないが...)

 ところで、グレース・ケリーの名前をど忘れしてなかなか出て来なかったので、百科事典(エンカルタ)で映画関連の項目を流し見してたら、なんとウォーレン・ビーティー(ベイティ)の項に、「姉は女優のシャーリー・マクレーン」とあって大驚愕!

 僕の最も好きなアメリカ映画といってもいい「天国から来たチャンピオン」のウォーレン・ビーティー(共同監督・脚本, 主演)とシャーリー・マクレーンが姉弟だったとはーっ!

 いや、こんな普通の日記みたいなことを書くつもりじゃなかったのだが――。

 今日はなんだか、突然反省しました。
 優しい人間になろうと思いました。優しく、そして上品な人間になろうと思いました。
 児童会会長をしていた頃のように、優しいさいとう君に戻ろうと思いました。なんでか。

 2002/03/18 (月) フィジカル

 終わった... ええ、終わりました。
 雪がとけて雪割草が顔を見せたと思ったら踏んづけられてたって感じだが。


  雪とけて村一ぱいの子ども哉        一茶


 さて、10日ほどずっと仕事場にこもっていた間、外に出る機会といえば、オリジン弁当に夕飯を買いにいくのと、深夜銭湯にいくことの2回だけだった。

 銭湯にいくのは楽しみだった。
 番台の女の子がちょっといい感じで。(w
 最初、間違って女湯に入ろうとして「こっち!」とか笑って叱られて「たはは...」とか引っ返したりして。

 つかそういうことじゃなくて、なにより「かー、ちきしょ!」と湯に入る瞬間が気持ちいい。
 フィジカルな快感

 メンタルの疲労はフィジカルな快感で解消できる。単純なコトだ。

 なんか、癒しとか、なごみ系とか、泣きゲーとか、携帯メールだとか、病んだメンタルをメンタルな刺激で解消しようとしたって、そりゃ無理な話だ。
 だから、都市住民というオタクは鬱スパイラルに陥ってしまう。

 空調で湿度が低くホコリっぽい部屋から出て、歩くだけでいいのにね。「ちくしょう!」とか悪態つきながらでもいいから。


 その点、音楽は素晴らしい。
 メンタルへの刺激が、フィジカルな快感を喚起する。そういうものは音楽だけだ。
 絵画も小説も映画も芸術じゃない。音楽だけが芸術だ!
 クナッパーツブッシュの圧倒的なワグナーとか聴かせれば、狂って小学生殺すような馬鹿も出てこんだろうと思う。あ、そのかわり100万人単位で殺す奴がたまに出てきちゃうか。<ヒトラー

 かつてファミコンのゲームが熱狂的に受け入れられたのは、音楽と同じ快感を与えてくれたからだった。
 だがプレステ以降、ゲームはその快感から確実に離れている――とか安直に警笛を鳴らしてみるテスト。

 2002/03/09 (土) 来月...

 テントを買う。モンベルあたりの、ダブルウォールのやつ。
 わーい

 だけど僕はべつにテントが欲しいわけじゃない。
 必要だから買うのだ。

 テントが必要なのは、山で死なないためだ。

 僕が本当に欲するのは、ただもっと遠くへいくことのみ――。
 そうしなければ生きていられないからだ。

 だがこいつはおかしい。

 野生の熊に聞けば分かるように、人生に必要なものはセックスだけのはずだ。

 いまの僕は女の子よりも、奥秩父の清廉な森の空気に欲情してしまう。
 そう言う意味で、僕はまごうかたなく都市住民だ。鬱...

 それとも僕が飯豊山の山頂に立つことが、間接的に僕自身あるいは人間の(DNAの)生存及び進化に益するというのか?

 立川談志ならこの答えを知っているんだろうか? 山田風太郎はどんな結論を出したんだろうか? 石原慎太郎はこの手のウブな悩みとは無縁だ。

 エロゲはヒトという種の進化に寄与しているのだろうか? それとも進化の袋小路に追いやろうとしているのだろうか?
 どうでもいいが。





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