Barbara D'Amato著
Forge Book刊
1997年(ハードカバーは1996)
定価$5.99
ISBN0-812-55391-8
冒頭、ミシガン湖をゆらゆらと警官の死体が漂う描写が続きます。(私は、退屈でめげそうになりました。)
その捜査にあたるヘスス・デルガードや、問題のハイテク企業につとめる妹が悪巧みに感づいて巻き込まれてしまう女性警官スサナ・マリア・フィゲロアが登場してから、だんだん面白くなって引き込まれたのです。
警察、病院、クレジットカード会社などにコンピュータシステムを納めている大手システムインテグレータというのでしょうか、パソコンメーカーSJR Computer Systemがアメリカの権力乗っ取りをはかります。
シカゴに大統領が訪れる機会を利用して、暗殺、副大統領をあやつり人形にしようというたくらみです。
その計画の前に、デルガード、フィゲロアたちがわずかな人数で勇敢に立ち向かって、物語は展開します。
最後はどちらかというとあっけないのですけれど。それまでは、どうなる、どうなるとページをめくらされました。
ハイテク企業のトップが大統領の座を求めて陰謀をこらすという似たような話としては、Ulterior Motiveの方が劇的な結末ですが、どちらが面白かったかよくわかりません。
単一企業の悪よりは、ケネディ暗殺で想像されるように産軍複合体の方の悪のほうがよほどすごいだろう、と個人的には思うのです。そういえば、今日は宗主国の大統領がやってくる日です。
1998/11/19記
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