鳳凰三山

12月28日(木)晴れ風強し
 6時35分に家を出て、中央道に向かう。すでに通勤時間なのか、車が多く混んでいる。ダンプカーも多い。ホントに不景気なのだろうか、いつも思う。8時には、甲府昭和を降りるが、芦安へ行く道が、通勤時間なためか、混んでなかなか進まない。9時に夜叉神峠に着く。28日なせいか、車は少ない。9時20分に出発。10時20分に峠に着く。一時間あまりであった。雪は、日陰の所にあるだけである。人は誰もいない。
 夜叉神峠からは、しばらく登りが続く。一時間半ほど歩いて、杖立峠に着く。ここは、木に囲まれていて景色は見えない。杖立峠から、樹林帯を抜けると、北岳が見えるところに出る。そこからまた樹林帯に入る。しばらく登って、苺平に着く。この間、ずっと風が吹いていた。セーターの上に、フリースを着ても体が冷えて、頭が痛い。体力がないのである。頭が痛いので、バッファリンを飲むが、効果はない。体を温めるほかないのだ。
 苺平から下っていって、南御室小屋に14時30分に着く。小屋の周りには、テントが数張りあった。小屋番に予約ですと言うと、中に入って受付をするように言われたので、中に入って待っていると、そこじゃないと言われ、入口の手前のところで受付を済ます。小屋に入り、しばらく、休んでいると、寝る場所を用意するからと言われた。小屋番は、布団を四つ敷いた。この人、無口で愛想がない。ストーブをつけるが、すこしも暖かくならない。依然と頭が痛いので、布団に入って寝る。しばらくして、宿泊の人が一人来て、しばらくして、夫婦連れが来た。結局、泊まったのは、4人だった。
 5時30分に食事と言われ、起きる。シチューとご飯、みそ汁である。シチューの匂いを嗅いだら、気持ち悪くなって、食欲がない上にさらに吐き気までした。おそらく、先に飲んだバッファリンのせいだと思う。食べないと体力の消耗になると思い、ご飯だけは食べた。あとは残してしまった。
 食事を終えて、布団に入ったが、とにかく寒くて、寝れない。歩いている時と同じにフリースを着て寝る。床から冷気が来るのだと思う。なるべく体の表面積が床に触れないよう、横向きに寝た。時たま、意識が戻る。寝たとわかって、嬉しかった。

12月29日(金)晴れ
 朝、食事の時間まで布団に入っていた。今日は、食欲がある。みそ汁をおかわりして、十分食事をとった。7時15分に小屋を出てアイゼンをつける。小屋より、外の方が暖かい。小屋の中は冷えたままなのだ。水筒を見ると凍っている。ザックに入れていたが、かなり冷え込んだのだろう。
 一時間ほど登って、薬師岳小屋に着く。写真を撮りながら、観音岳に向かう。地蔵岳に行っても良いのだが、写真を撮る所はない。今日は、ここまでである。快晴で、八ヶ岳、富士山、北岳と360度の光景である。
北岳
八ヶ岳
甲斐駒ヶ岳
下の方を見ると、韮崎か甲府の盆地がみえている。よく見ると、東西に断層のような切れ目が見える。かなり深い。川なのだろう。上から見ると不思議な光景である。何度も登っているが、これに気が付いたのは初めてである。ホントに不思議な光景である。
 観音岳で、途中知り合った若い人に写真を撮ってもらう。LEICAだと知って、しぶいっすね、わー、ファインダーがきれっすね、まるで、デジカメみたいと言ってた。うむー、デジカメとは、言い得て妙ではあるが、ファインダーそのものは、ガラスを通して見ているので、綺麗なのである。デジカメのちゃちなファインダーよりは、はるか良くできているけどね。若い人も写真を撮ってくれと言うので、写真を撮る。ニコンFM2で標準レンズにPLフィルターが付いていた。二枚撮ったけど、結構、使いかっては良かった。これも良いかもと思った。
 露出計を出して見たら、なんと動かない。寒くて電池の電圧が落ちているのだ。これでは、RTSは使えないなあ。
 観音岳からは、甲斐駒と地蔵岳が見える。なかなかのビューポイントである。しばらく、写真を撮って、食事をする。水筒の水は、ますます凍ってきている。水を飲むと頭痛がする。やはり、暖かい飲み物が必要なのだろう。
 同じ道を引き返す。小屋に再び着いたのは、12時15分であった。そこで、アイゼンをはずしたり、小屋の人に写真を撮ってもらったりして、しばらく休み、12時30分に出発。苺平には、13時5分に着く。戻る途中、昨日よりも多くの人が登ってきている。ほとんどが、中高年である。杖突峠に14時に着く。この頃には、風もおさまる。夜叉神峠に14時45分に着き、駐車場には、15時20分に着いた。途中、温泉に寄ろうと思ったのだが、どこも休みであった。もう、29日だからね。家には、6時に着いたが、今回は、ホントに疲れた。体力の限界を感じる。

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