登山道を歩いて、9時55分に本来の夜叉神峠に着く。何度か、夜叉神峠には来ているが、この時間にあって北岳がこんなに見えることはない。
夜叉神峠をたって、杖立峠に向かう。しばらく、黄色くなった唐松の林を登っていく。登りとしては、このコースで一番斜度があるのではないだろうか。針葉樹の林の中を登る。登り着いたところが杖立峠である。何も景色は見えない。杖立峠から少し下って、また、登り返すと明るい高原に出会う。金曜日のせいもあって、登りの登山者には会わない。食事をしていると、カメラをもった中高年が現れ、そのまま急いで登っていった。食事を終えて、登っていくと広く開けた場所が現れる。そこからは、白根三山、富士山が一望できる。
先ほどの中高年は、そこで写真を撮っていた。急いで登ったのは、天気が良いため、写真が撮れると思ったからであろう。ひとしきり登って、苺平に着く。13時14分であった。そこから30分ほどで南御室小屋に着く。小屋の前で、薪を割っていた人がいた。人は、他に誰もいなかった。小屋の掲示には、薬師岳小屋に宿泊の場合、南御室小屋で予約が必要とあった。薪を割っている人に予約を頼む。薬師岳小屋は、水がないので、ここで水をくんでいくように言われた。南御室小屋から、急登を登る。森林限界を過ぎた頃に、薬師岳小屋に着く。14時40分であった。
小屋に着いてみると、先に二人登山者が来ていた。到着時間からして、私が最後と思っていたが、小屋で休んでいると3時半過ぎに中高年の女性二人組が到着した。小屋の人と明日帰るコースについて、ひとしきり話す。やれやれ。さらに、5時近くに、中高年の男女3人組が到着した。女性が声だかに話す。静かに山小屋で過ごせるかと思ったのであるが、そうもいかない。シーズンオフでさえ、山はうるさい。
夕食は、5時30分からであった。シチューとご飯である。昔ながらの山小屋と言うべきか。6時くらいに小屋を出て、稜線に行くと韮崎の町だろうか、下の方に明かりが広がっている。空は、満天の星空であった。夕方から風がでて、寒くなってきた。
しばらく眺めを楽しんだ後、観音岳に向かう。7時35分に観音岳に到着する。ここから、甲斐駒ヶ岳が見える。甲斐駒の後ろに、北アルプスの白い山並みが見えた。360度の光景である。
観音岳からいったん下り、そこから登り返しピークと思われる所をすぎると、白凰峠と地蔵岳の分岐にであう。観音岳から50分ほどである。白いざれた所を下ると地蔵岳の掲示がでてくる。オベリスクの頂上がピークなのであろうが、ちょうど鞍部に掲示はある。
ここには、小さな地蔵がたくさんを置かれている。ここで食事を済ませ、また、同じ道を戻る。
南御室小屋には11時50分に着いた。小屋の周りで食事をしているグループがあり、その中のおばさんが大声でしゃべっていて、気になっていたが、しばらくすると7人のパーティーが到着して、その中のおじさんが大声で話しているのを聴いたせいか、おばさんはしゃべらなくなった。中高年のグループは、そうじてうるさい。そして、グループのリーダーは、一言あるような人が多い。
南御室小屋を12時30分に出発。夜叉神峠に近づいた頃、前にカモシカが歩いているを見つける。山道のすぐそばを歩いている。最初、笠取山で猿を見ていたので、また、さるが歩いているのかと思ったのであるが、カモシカであった。
15時、夜叉神峠に到着。土曜日のせいか、駐車している車も多く、観光客も多い。近くの温泉に泊まるのであろう。途中、白根白桃温泉センターによって、汗を流す。アルカリ温泉であった。
18時30分には、家に着いた。中央道もそんなに混まず、早く帰れた。