<旧車シリーズ 609>


NISSAN CABALL (C240)


 
日産の2トン積み商用車のキャブオールは、初代登場から9年後となる1966年、2度目のモデルチェンジを受けてC240型となった。横型4灯のヘッドランプを持つスマートなフロントビューとなり、従来型のファニーなフロントマスクとは一線を画した。同時に居住性や安全性の向上も図られ、前開きだったドアは通常の後開きへ変更されている。
 エンジン&トランスミッションは基本的に先代後期型のものを踏襲、パワーユニットはH20型・1982ccガソリン(最高出力92ps)とSD22型・2164ccディーゼル(同60ps)の2本立てで、前進4段のコラムシフトとの組み合わせである。標準ボディ(低床/高床)のホイールベースは110mm延長されて2500mmとなった。これに伴い、ロングボデー車のホイールベースは3100mmに達し、荷台長は堂々の4100mmとなった。
 1967年にはトランスミッションが新設計のフルシンクロ4速となる。写真の低床式ガソリン車は、安全対策により運転席ヘッドレストが付き、サイドマーカーが大型化された1971年式のものである。


 歴代キャブオールから一転して近代的なスタイルをまとったこのモデルは、その後もグリルの小変更等を受けながら1976年まで生産が続けられ、モデルライフはじつに10年に達しました。そのためか、'80年代の初めでも街中でキャブオールのダンプやルートバンをよく見かけたものです。しかし、振り返ってみると、プリンス自動車との合併劇の影響を受けて、そのモデルライフの大半において同クラスに属するクリッパーと併売されることになったのは、このモデルにとって不幸というほかないでしょう。

推定年式:1971
撮影時期:1981年12月
撮影場所:山口県徳山市入船町にて