大和・相模原南部版
2002年1月17日号
(隔週発行です)



 

箱根駅伝 車いすで応援!
     ボーイスカウトの協力で14年目
 

 1月2日。戸塚区原宿にある特別養護老人ホーム「松みどりホーム」(小倉徹施設長、入所者数70人)のお年寄りは毎年、ボランティアの介助を得て、東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の応援に出向く。入所者のほとんどがホームで正月を過ごす中、「これがなくちゃ正月が始まらない」と、心待ちにする人が多い。
 

旗を振りエールを送る
松みどりホームの入所者

 これは戸塚区、泉区を中心に活動する日本ボーイスカウト神奈川連盟横浜第127団(佐々木正名団員長、団員数56人)が、毎年1月2日に行っているボランティア活動で、今年で14年目。体調が良く、医師の許可が出たお年寄りが、車いすで箱根駅伝を観戦する。今年参加できたのは23人。この日のために、風邪をひかないよう、自己管理に努めてきた。防寒着をいっぱい着込んで、ロビーで待機。行きたくても熱が出てしまったお年寄りは職員がなだめて、テレビの前へ連れていく。全館放送で中継が流れ、留守番組も一丸となって応援する。

 そこへ小学生、中学生、高校生を含むボーイスカウトの団員が登場。車いすのお年寄りとペアになって、順にホームを出発。原宿交差点そばのガソリンスタンドに陣取る。所有者の好意により、毎年の定位置だ。沿道に着くと、団員が首尾良く確保してきた応援用の旗を配布。この旗を思い出として取っておく人もいる。余った旗は、留守番組に土産として持ち帰る。旗があったほうが、がぜん、その後のテレビ観戦が盛り上がるからだ。

 今回、応援に参加したお年寄りは最高齢が100歳。山梨県出身という入所者は、山梨学院大学を応援。目の前を早稲田がトップで通り過ぎ、すぐ後を山梨学院のランナーが追う。歓声がひときわ大きくなる。全選手が瞬く間に目の前を駆け抜け、2002年の箱根駅伝観戦が終わった。

 「本当は家族と過ごせたら一番良いのだが、皆、さまざまな事情を抱えている。『また来年会おうね』と約束して別れます」と佐々木団員長は話していた。