「CABARET」

ガイド(言葉や時代背景などの説明です)


知ってる方には(常識よって方には)つまんない説明ですので 読み飛ばしてやってください(^^;) 2004年の日本に生きる私には、ハッキリ演出して くれないと、ピンとこない話でーす^^;

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「WILLKOMMEN!」
オープニング。MC&ガールズボーイズ揃って「ようこそ!」と 歌う曲です。
ドイツ語、フランス語、英語 の順に単語を並べてます。

「ようこそ」
WILLKOMMEN BIENVENUE WELCOME
「異邦人」
FREMDE  ETRANGER  STRANGER
「会えてうれしいです」
GLUCKLICH ZU SEHEN JE SUIS ENCHANTE  HAPPY TO SEE YOU
「ここで」
BLIEBE RESTE STAY

耳慣れない単語が出るのはそのせいです。

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・CABARET
日本でいうキャバレーとは違い、 お酒を飲みながら「歌や踊り」などを楽しむところ

・フロイライン
Fraeulein 英語で言うところの Miss ミス

・ヘル
Herr 英語で言うところの Mr ミスター

・シュナップス
Schnaps ドイツの蒸留酒のこと

・メイフェア
Mayfair ロンドンのとある一角。一流ホテル・大使館などが集まる高級なイメージのあるところ。
「Mayfairの華」と言ってます。
エルンストがクリフに「知り合いなのか?ロンドンで」 って言ってるのがここでわかります。
サリーはもとはロンドンにいました。

・ブロージット
Prosit 乾杯 ドイツ語

・パイナップル
当時のドイツでは南国のフルーツは大変に高価で贅沢品。
特にパイナップルは貴重で、宝石に変わる贈り物だった。

・マイン・カンプ
ヒトラー著 日本語訳「我が闘争」
ヒトラーが己の政治信条を述べた著作

・ゲルマン(ドイツ人)民族純血主義
フロイライン・シュナイダーとエルンストの会話で

エルンスト「彼はドイツ人ではない」
シュナイダー 「でもドイツで生まれたのよ」
エルンスト 「ドイツ人ではない!」

とありますが、三代前に遡って純血なドイツ人ではないと 「ドイツ人とは認められない」と言ってます。
ゲルマン民族純血主義のナチスにおいては、 ドイツで生まれただけではドイツ人ではないと。
また、ユダヤ人と同じく、同性愛者も迫害の対象でした。

・「Tomorrow belongs to me」
娼婦のフロイラインコストが、エンストのために歌い。
(フロイラインコストですら、ナチスソングを歌える ということがポイント。星奈優里ちゃんだと知性を感じ そこらが薄くなってしまうのが残念です。)

エルンストが歌に加わり、最後に大合唱なナチスソング。
1人また1人と歌の輪に加わることで、ナチスの支持者が 増えていくという演出。
希望と自信に溢れているのが印象的。
信じていたんだなと。当時はそうだったんだなと思えます。

シュルツ&シュナイダー。クリフを見ていると、 それは違うんだってことがわかります。
そして、MCからは、悲しい時代の幕開けを感じ。
不気味ほどの静けさを残し1幕が終ります。

・パイナップルを落とす
たしか(確認してなくてごめんなさい)映画では、シュルツの店に石が投げ込まれます。
それを「子供のいたずら」と笑っているシュルツ。
でも実際はそうじゃないんです。
ナチスの迫害がベルリンの街でもはじまったって所です。

MCがパイナップルを落とすので、わからない人はわからなところだと思いますが、 MCが落とした事が大事ではなく、「大切な日常が壊されていく」ことを現してます。

・「If You Could See Her」
MCがゴリラの着ぐるみと歌い踊る。
ゴリラ=ユダヤ人を現してます。
ゴリラと踊る事で観客は笑うけれど、最後にMCが 「僕の目で見ればユダヤ人には見えないさ」と言う事で、 ゴリラと踊る事を見て笑った、自分の差別意識に 気づかされるっていう演出になってます。

・ジュー
Jew  ユダヤ人のこと。差別用語として使ってます。

・アナウンス
列車に乗るクリフの後ろでMCがアナウンスをしていますが 「列車が何番ホームに入ってきます」ということを言っています。 最初、テープなのかと思ったら、毎回、生で言ってって その意味はあるのか?^^;と思いました。
クリフに向かって言うのは「ドイツ政府です。パスポートを拝見」
最初にクリフが「え?」と聞き返しているのと同じ言葉です。

・「たかが政治じゃない。あたし達に何の関係があるっていうの?」
と、サリーが最後に言いますが、関係あるんです。
この後にナチスのユダヤ弾圧が本格的に始まります。

「人生は美しい。女の子達は美しい。オーケストラまでも美しい」 と言っているのは<外(現実)の世界>と対比してのことです。

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そして最後にMCは

Auf Wiedersehen
アオフ ヴィーダーゼーエン
A bientot
ア ビエントー

前者はドイツ語。後者はフランス語。
「さようなら。また会いましょう」
と言ってます。

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ラストはどうなるのかなと思った、今回の「CABARET」ですが 私的には、全て夢・幻。それ以上でもそれ以下でもない。
「ここでお終い」っていうラストだと思いました。

ラストは演出家によって変えられるんですが サム・メンデス演出版では、革のロングコートを着たMCが笑いながら パッとコートの前をあけると囚人服を着ていて、 その胸にピンクのトライアングルがあったそうです。
これは錦織くんのMCでは、違うなと思うので、 今回の終わりで良かったんじゃないかなと。
私は思います。