1999年の夏休み辞典

   まだまだ未完成だ! ごめん!


この辞典は1999年の夏休み生活において用いられる事柄について、その多岐にわたる用法を独断と偏見に満ちた角度から内省し、正しい1999年のサマーライフを送ることが可能になるようことを念じて作成される。

小道具・近未来編

この映画には、舞台が現代ではないことを示す小道具が登場する。
1999年というタイトルであるから、おそらく舞台は1999年であろう。
が、登場する小道具たちは、未来的な様相よりも、クラシックな感じを与える。
現代芸術的なガジェット感覚に溢れる小道具たちは、人工的な舞台を強調する。

時計
IDカードのようなものを挿入することができる時計。悠が遺書を書き、夜の学園から抜け出す時に登場する。
学習マシーンにもこのカードの挿入ができるようになっていることから、おそらく生徒の行動を管理するタイムカードのような役割を果たしていると思われる。
と思ってたら、実は、電池なんだそうである。ちょうどテレホンカードが出回りだした頃で、 将来はバッテリーもうす型になるだろうという事で作られたもの とのこと。(植村氏に教えていただきました)

卵割り機
卵を割って、かきまぜるマシーンか? 則夫がオムレツを作る時に登場する。
卵を入れると、ちゃんと割れた殻が横から出てくるのが見ることができる。
卵を機械で上手く割ることは困難だろうから、しかたないのかもしれないが、卵割って混ぜるにしては結構大きいマシーンだ。ソニー製ではないのか?

学習マシーン
むき出しのコンピュータに、にょきっと首を伸ばしたディスプレイ。これにもIDがついている。

テレビ
出てくるTVは故障中。
やっぱり電波か・・と、つぶやきながら修理しているシーンが2度出てくる。
外界から隔離された世界の象徴(?)。

プレイヤー&スピーカー
プレイヤーもむき出しで機械内部が見えている。スピーカーは硝子のような透明な球体。一瞬、豚の線香入れに見えるが。

水道
ボタンが16個ぐらいついているのだが、用途は不明。

51マシーン
学園の前庭に置いてあるマシーン。横に51の文字がある。
電力源か何かだと思われる。少なくとも2機存在しているようだ。
駅に似たマシーンがあって、それには原子力マーク(?)がついている。
このマシーン、空気清浄器であるらしい。(植村氏に教えていただきました)

電話
クラシックな型のものや、むきだしタイプなどがある。
プラグを差し替えて、人が話しているのを聞くことが可能。

ソックスガーター
学園にいる少年は、みんなしているくつした吊り。英国紳士の下 着で、本来は膝下にするものだそうです。(大塚氏に教えていただきました)



この映画の少年たちはハードカバーの本をよく読んでいる。
直人は窓辺で読んでいるし、和彦も森で読んでいて蝶をはさんでしまう。





人物編

この映画の登場人物は4人だけだ。
だが、もちろん映画に関わる人は、もっと多い。

大寳智子
和彦(15)役。
「主人公はお前じゃない」などの舞台でも活躍。
「風の刑事・東京発」という柴田恭平主演のドラマにも出演。

金子修介
監督。
88年、『1999年の夏休み』でヨコハマ映画祭監督賞を受賞。 最近は「ガメラ」1・2、97夏「学校の怪談3」も好評。

川合俊一
直人(16)を演じた中野みゆきと結婚した男性。
バレーの選手だったんだっけ? よく知らない。

岸田理生
1999年の夏休みの脚本を書いた人。ノヴェライゼーション版も執筆。

高間賢治
撮影監督。「映画芸術」1996-SUMMERのエッセイで、1999年の夏休みについても書いている。

萩尾望都
1999年の夏休みの原案となった「トーマの心臓」の作者。現在は「残酷な神が支配する」を連載中。

水原里絵
則夫(13)役。現在は深津絵里さん。「(ハル)」などで活躍。
97/1/12 〜 2/16に、NHK BS で、なんと「虚無への供物」に出演。

宮島依里
悠(14)/薫(15)の2役。

中野みゆき
直人(16)役。
1971年10月20日生まれ。 「キライじゃないぜ」(TBS)「おぼっちゃまにはわかるまい」(TBS)「水戸黄門」などのTV番組に出演したらしいが未見。見たい。 川合俊一氏と婚約したとのこと。9/3のワイドショーでは結婚式の模様が放映されたとのこと。式場は、海外の城であるらしい。

中村由利子
作曲家、ピアニスト。1999年の夏休みでは、彼女の「風の鏡」というアルバムの楽曲が使用されている。他に、「時の花束」「妖精王サウンドトラック」「絹の薔薇」「アトリエの休日」「夢の時へ」「シュレディンガーの猫」などのアルバムがある。

渚カヲル
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」第弐拾四話に登場する少年。
カヲルという名前や、セリフの雰囲気など、この回は「1999年の夏休み」にインスパイアされて作られた部分が多いのではないか?

安河内央之
照明。1999年の夏休みから本格的に蛍光灯を使い、日本のフロレセント・ライティングのパイオニアになったそうである。

山口修
美術。
「ウルトラマン80」では怪獣デザインを手がけている。 (NOBさんからの情報)
「ウルトラマンダイナ」の美術監督のクレジットも山口修さん。


キーワード編

いくつものキーが、ぼくたちには必要であるように、
1999年にも、いくつかのキーがある。

音楽
映画中では、中村由利子さんのアルバム「風の鏡」の楽曲が使用されている。
悠/薫が、かけるレコードの曲と、3人が演奏する曲は、クラシック音楽だと思うのだが、曲名は不明。(誰か教えて!)

満月
ファーストシーンは、満月のアップ。
母の死の知らせによって、薫が夜、列車に乗っているときに窓に映っているのも満月か?


舞台の重要なひとつである湖。群馬の碓氷湖であるそうです。
(黒松さんからの情報)

僕等は卵から生まれた・・・
悠が死ぬ前の日に則夫に言った言葉。ヘッセの「デミアン」からの一節。
「僕等は卵から生まれた少年という名前の鳥なんだよ。鳥は卵の中から抜け出ようと思う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ」

僕を、殺したのは誰だ!?
ポスターに書かれたキャッチコピー(記憶曖昧)。

「ぼくを殺したのは、君だ!」
ポスターに書かれたキャッチコピーの正解。(大塚氏からの情報)


ヘッセの「デミアン」が朗読され、その中のキーとなる言葉。
彼らを守るが、閉じ込めてしまっている世界を象徴している?
和彦は卵が嫌いである。

昆虫
ハチと蝶が出てくるが、どちらも直人に殺されてしまう。
部屋に侵入してきたハチは踏みつぶされ、本にとまった蝶は本にはさまれて死んでしまう。
蝶が変態するシーンが挿入される。
和彦は虫が嫌いである。

ウサギ
飛び出していった則夫が発見された時に抱きかかえているのは、足を折ったウサギ。
このウサギは、最初の和彦が絶壁に向かうシーンに、ちょっとだけ顔を出している。

時間
悠の部屋の時計は、11時57分で止まっている。
直人によると午後3時は一番人が死ぬ時間である。(何か出典があるのでしょうか?)

大怪獣ガメラ
金子修介監督のヒット作。東京タワー上のギャオスなど、絵としてむちゃむちゃかっこいいシーンが多い。
脚本、伊藤和典。特技監督、樋口真嗣。

毎日が夏休み
金子修介監督作品。少女マンガが原作であること、キャラクターのしゃべりが人工的であること、など1999年の夏休みとの類似点も多い。
原作、大島弓子。林海寺スギナ役、佐伯日菜子。父、佐野史郎。





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