Bloomington, MN
April 2001

春が来た
 4月も10日を過ぎると雪が消え、町は日に日に緑色に変化してゆく。この時期とても雨が多いのでがっかりしたが、
"April showers bring May flowers"
(4月の雨が5月の花々を運ぶ)
と言うんだそうである。もう少しの辛抱ですね。
 写真右は4月初旬のある日、ステイ先S家から見える小学校の土手。急ににぎやかになったと思ったら、ジェファソン高校のラクロス・チームだった。一列になって土手を駆け上がっていく。「春が来た」と実感する光景だった。

日本語クラス3
Japanese level 3

 1月後半からの授業で私が担当しているのは、ジェファソン高校のレベル4とケネディ高校のレベル3。基本的な日本語は理解しているので、ある程度日本語で授業をすることもできる。ただし日常生活で生の日本語に触れる機会がほとんどないため、私は早口ではないけれど、通常のスピードでは「はやい」と言われてしまう。英語を習い始めた頃のことを、少し思い出す。

 写真は、ケネディ高校授業前のひととき。この教室にはなぜか日本語を取っていない生徒もおおぜいやって来る。毎日授業の前に遊びに来るインド出身のサイフ君には、「財布」という立派な日本名?をつけてあげた。

傑作作文集 その3 (level 3)
タイトル アルバイト
 plain form 普通体で文章を書く練習中である。ほとんどの高校生はアルバイトをしているようだ。おこずかいのためもあるが、車購入のお金を親に出してもらったので毎月少しずつ返しているという生徒も。
A
ぼくはアルバイトにあります。YMCAでアルバイトをしている。月よう日と土よう日バイトをしている。じきゅうはふたつある。7.50ドラルと9.90ドラルだ・メンバシップもらおだ。三時間はたらきます。

B
私はクローバクリーナスにアルバイトします。火よう日と金よう日と土よう日に行く。じきゅうは七百円です。くるまて行く。四時間くらいかかる。おきゃくをたすける。

C
Trade Secretをしています。火よう五時から十時までしごとをします。Trade Secretはシャンプーやです。ウイケンドに九時かんしごとをしています。六ドール五十セーントボーナスももらう。むらょうシャンプーをもらうです。

D
金よう日から月よう日までフンコランドでバイトをしている。じきゅうは六百三十円でしょくじつきだ。ゲームをしてもいい。私のアシスタントマネジャはふとっています。好きじゃない。

E
私のアルバイトはパパマピースです。私はピサをつくる。四時から七時をしている。じきゅうは$7.00でしょくじつきだ。バイトはやさしとつまらないです。

diversity

 "diversity"は「多様性」を意味する言葉。移民の国アメリカではごく頻繁に使われる。学校区でも"diversity"の意味を再確認し、相互理解に努めようという運動が盛んだ。実際のところ、多国籍、マルチ・カルチャー(英語では「マルタイ」と発音する)を取り立てて意識しなくても、町や学校で出会う人々の出身国は様々だ。尊重し合うこと、学び合うことができれば、暮らしはより楽しくなるだろう。
 学生と接して気づいたが、アジア移民の生活はまだ豊かとは言えないようだ。セント・ポールにはモン族が集団で助け合いながら住む区画もある。しかし、彼らも徐々に家族単位で別の地域へと移動してゆくだろう。そして中国系やヴェトナム系同様、日に日にアメリカ人化する2世が教育を受け、社会にとけ込み、豊かさを手に入れるのだと思う。

 写真はジェファソン高校 Diversity Day。生徒たちが出身国(生徒の先祖の場合もある)の旗を掲げて、ホールの中央に大きなサークルを作った。日本の国旗を持ったのは日系の生徒2人、親は日本語を話すが彼らにとって日本語は外国語。2人とも日本語クラスを取っている。
 ほぼ同じ時期、ケネディ高校ではdiversityのためのビデオ"The Global Community of Kennedy High School"が作られた。生徒やスタッフ30数人が多国籍文化について語るというものである。私も取材を受けたのだが、幸いなことに自分の出演部分は見ていない。

 スタッフの中に私と同じ teaching assistant がいて、少しずつ親しくなった。彼女はセネガル出身、公用語であるフランス語を教えている。彼女も私も diversity という大きな波に乗っているわけだ。


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