Bloomington, MN
Mar. 2001

JAPAN BOWL 2001

 ジャパン・ボウルとはミネソタ日米協会主催の年間行事、日本語を勉強中の高校生を対象にした競技会である。3人1チームが3レベル(学習期間による)に分かれて参加し、日本語と日本文化についての知識を競い合う。各レベル10数チームは、前半の筆記試験で上位3チームにしぼり込まれる。ステージ上で行われる決勝に出場できるのは、その3チームだけなのだ。なかなか厳しい競技会ですね。勝利者にはNWの国内航空券などがプレゼントされる。
 今年のJAPAN BOWL参加校はミネソタ、アイオワ、ウイスコンシン州合わせて10数校。我らがケネディ高校、ジェファソン高校からも各2チームがエントリーした。決勝に進んだのはこのうち1チーム、ジェファソン高校の中級レベルチームA。ミネアポリスの高校と競り合い、惜しいところで勝利を逃した。
 写真左は先生たちによるプレゼンテーション。この教室では漢字の指導法を発表していた。
 写真右は中級の決勝戦。中央の3人組がジェファソンの生徒、カタカナと漢字担当、日本文化担当、文法担当に分かれ練習を重ねてきたのだが、、。日本人でもしばし考え込むような問題もある。決勝に出られる知識を身につけたということが素晴らしい、と思う。

 3月は同じようなBOWL(競技会)が盛んに行われるらしい。数学ボウルや物理ボウル、などなど。いずれも、各校の先生が「この子たちなら」と期待をかける学生が参加するのだろう。チームワークも重要なポイントのようだ。友人が応援に来たり、ローカル紙の取材があったり、これは日本では見られない「楽しくにぎやかな勉強」だ。

日本語クラス1
Japanese level 1
 その日の当番が「きりつ」「れい」「ちゃくせき」の号令をかける。生徒は声を合わせて「おはようございます/こんちには/さようなら」を言う。これは日本語クラスらしい習慣付け。初めはテレていた生徒も、慣れるとうれしそうに前へ出て号令をかける。

 1月後半に始まったこのレベル1クラス、3月にはカタカナ練習に入った。カタカナはひらがなよりもむずかしい。というのは、外来語表記のルールが彼らにはのみ込みにくいからだ。"th"をサ行に置き換えること、"L"も"R"もラ行になること、長母音その他、一定のルールを説明しつつ「ベースボール」「マクドナルド」など書かせてゆく。
 文章については、まず、教室内の名詞を覚えるために
「これはにほんごでなんですか。」「〜です。」
を導入し、さらにコソアド言葉へ入る。どんな教科書を使っていても、これは初級の基本だろう。日本の教室に漂う緊張感など少しもない、自由で気ままな生徒たち。指導には退屈させないための工夫も必要だ。

評価の方法
 コース開始1時間目に生徒に配られるのが "Class Standard"と"Classroom Procedure"というプリント。そのコースで学ぶ主な内容と、使用教科書や評価基準が明記されている。生徒と保護者はこれを読み、納得の上でサインして先生に渡すことになっている。(絶対)評価の方法は至って単純明快である。

評価割合

  • 宿題と教室学習 35%
  • 出席  15%
  • プロジェクト  40%
  • ファイナル・テスト  10%
評価基準
A+98-100%B-80-82%D63-66%
A93-97%C+77-79%D-60-62%
A-90-92%C73-76%Fbelow 59%
B+87-89%C-70-72%
B83-86%D+67-69%

 基準は担当者によって多少異なるかもしれない。先生たちは毎日(かな?)パソコンの成績評価ソフトに、宿題提出状況や小テスト(qiuzと呼ぶ)結果などをインプットし、そのままの結果が成績になる。相対評価につきまとう理不尽さはここにない。絶対評価というのは何て分かりやすいのだろう。
 各学期の中頃、生徒たちには"midterm grade"(中間成績)というのが渡される。この段階で、未提出宿題があまりに多かったことに愕然とする生徒や、クイズ結果の悪さに青ざめる生徒が(←あまりいないけど)、先生のもとに駆けつけるわけである。宿題の再提出、再テストなどお願いし、成績アップを試みる。最終的にFになってしまう生徒は毎学期1人、2人くらいだろうか。
 学期が終わってみると、印象が特に強いのはFを取った生徒だったりするのは不思議なことだ。

写真左はジェファソン高校、州大会で優勝した女子アイスホッケー・チームの報告会。
右はケネディ高校ドレスアップ・デイの生徒たち。


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