Bloomington, MN
Nov. 2000


world languages担当の先生たち(左)、カフェテリア・レジおばさんとお掃除おじさん(右)いつもfriendly

クラスの生徒たち
 同じ学区にあるふたつの高校だが、ジェファソンにはESL(第2外国語としての英語)クラスがない。様々な出身国の学生がケネディ高校に多いのは、その理由による。

アジア系
 アジア系の生徒たちは、ベトナム、中国、カンボジア移民の2世として、アメリカで教育を受けている。日本からの留学生や海外赴任家族と異なるのは、帰る場所がないことだ。アメリカが彼らの国なのだ。親は英語を話せなくても、彼らは既に英語をきちんと身につけている。この国で生きてゆくために、英語は必須項目。そして、他科目でも、アジア系の生徒たちはこつこつと努力している。アメリカン・ドリームという言葉が、彼らにももちろん有効なのだ。

メキシコ系
 陽気なのがヒスパニックだ。表情が豊か。個人差はあるが、読み書きが得意なアジア系、耳の良いメキシコ系と言えるかもしれない。滑らかな発音のできる生徒が多い。

American
 アニメとゲームがきっかけで日本語に興味を持った、という生徒が多いのは時代ですよね。ニンテンドー、プレイステーション、セガ、、、生徒のボキャブラリーはゲームからのものである。侍、忍者を知っている生徒も数人。漢字ロゴのTシャツ類が流行っていて、意味不明なロゴをたくさん見かけた。ドラゴン・ボールなどのキャラクター入りレーヨンシャツを数種類持ち、毎日替えてくる子もいる。

日本語クラス1
Japanese level 1
 かな&カナをどう学ぶか。手順は以下の通り。
  • a,i,u,e,o の母音と k,s,t,n,etc. の組み合わせで日本語アルファベットができていることを解説。
  • ひらがな、カタカナ、漢字の用途を解説。
  • ひらがなを1日3列、つまり初日あ〜そ、2日目た〜ほ、程度のペースで教える。ホワイトボードとマーカーで各自練習する。
  • この時、文字の形とイメージを組み合わせて説明する。「く」はクックーバード(カッコー)のくちばし、「け」はケイン(おじいさんの杖)という具合。

 私たちが小学校で指導を受けた時には、筆順などの細かい注意があった(はず)。外国人に対する日本語教育の場合、漢字も含めて、一通りストローク・オーダーの説明はするが、無理強いしないほうがよいだろう。筆順は美しい文字形を作るけれど、読めればいいよね。実際のところ、英語の書き方も様々な生徒たちである。細かいことなど言っていられない。

Japanese Club 1
 

 Bloominton市は大阪府泉市と姉妹都市の関係にある。ほぼ1年おきの短期交換留学生など活発な活動のおかげで、高校には"Japanese Club"という組織があり、定例会も開かれている。
 上の写真左はHalloween Party。セーラームーンや忍者、ポケモンなどのコスプレが集まった。
 右は日本レストランでの会食。イカの刺身を注文したものの、結局食べられなかった生徒もいた。

adapted soccer team
 ハンディキャップのある子たちが参加するサッカーチームの、ミネアポリス地区選手権。優勝の瞬間が左の写真である。
 何度か機会を得て、このサッカーチームを応援した。ダウン症その他、普通クラスに参加できない生徒たちも、自分の好きなスポーツのチームメンバーになり、対抗戦が行われる。男生徒、女生徒入り混じって、ボールを追う。こうしたチームが結成されたのは、ここ15年ほどのことだと聞いた。そのほかに、身体的なハンディキャップのある生徒たちの車イスリーグもあり、試合を行っていた。
 スポーツを通して友達を持てるのはステキなこと。親や友達も定期的に応援に集まり、コミュニティ全体が彼らを支えている。


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