Food in the US #2

Food in the US #2

Minnesotan taste ミネソタの味

 この家のEaster Dinnerは、メインがチキンのクリーム煮。ここにブロッコリ人参などの温野菜が添えられている。ワイルド・ライスとサラダを見れば、この一皿がミネソタの家庭で出されたものだということは一目瞭然だろう。ミネソタン・テーストである。You bet!
(April/01)

 では、ミネソタの味とは何か。

  1. ホット・ディッシュ
    ミネソタ人以外は通常キャセロールと呼ぶ。肉またはツナ缶などの魚とポテトその他の野菜、マカロニなどの穀類を缶スープやミートソース缶などで味付けし、オーブンで焼く大雑把なもの。その土地土地のホットディッシュがある。例えば、びっくりサーモン、ツナ&ヌードル、農夫のホットディッシュ、忙しい日のホットディッシュ、、。ここにミネソタ料理のレシピーがあります。

  2. ミネソタ・サラダ
    ライム・ゼリーとパイナップル小片、マシュマロ、クール・ウィップ(インスタント生クリーム)をミックスしたもの。実質デザートなのだが、ミネソタンは「サラダ」と呼ぶ。

  3. ワイルド・ライス
     ネイティヴ・アメリカンの食物だったワイルド・ライスは、イネ科・まこも属の植物。日本のお米とはかなり違い、表面は固くて黒い。40-50分間茹でた後、スープやサラダなどに使う。ミネソタとカナダ産のものがよくスーパーに置かれている。栽培物よりは自然な物が、また手摘みで粒の揃ったものが上級とされる。
     Indian Harvest には、以前日本から注文したことがある。非課税だったが、お米は輸入規制されているため、県の食糧事務所に書類を提出しなければなりませんでした。面倒だったなあ。今は日本の楽天市場などでも購入できるようです。値段は3倍だけど。

    ワイルド・ライスのレシピー集はここに。

ミネソタの味 強烈番外編:Lutefisk ルタフィスク
 これが本当に食べ物なのか、と論議を呼ぶシロモノ。匂いというよりガス臭を発する(保存のため漬け込まれ発酵した)白身の魚だが、クサヤを知る日本人にはそれがどーした?である。何冊ものジョーク集が出版されているので大いに興味があり、帰国直前の週末ミネアポリスのノルウェイ物産店までこれを買いに行った。
 私の 'the last Minnesotan experience' (最後のミネソタ体験)にペグは大笑いし、その切り身で伝統の一皿(白い魚、白いポテトに白いソース)を作ってくれた。実のところ、特にどうということもないお魚です。「まだ口の中で匂っているんだよ、この前食べたのは1965年なんだけど」というジョークはなぜだろう。
(June/02)
Christmas foods クリスマスの食べ物

 「クリスマス・ケーキ」と称するものは日本にしか存在しない。すっかり定着した鶏ローストも、もしやカーネル・サンダースの陰謀では?クリスチャンでない私たちが取り入れたと思っていたクリスマスの習慣は、一体どこから来たのだろう。
 というわけで、クリスマスのごちそうは各家庭様々のようだ。それぞれに決まり事はあっても、サンクスギビングの七面鳥のような共通項はないらしい。25日の午後、一族や友人たちはどこかの家に集まってクリスマス・ディナー。この日と1月1日だけ、町中のほとんどの店はお休みになる。ごちそうをいただき、クリスマスツリーの下でプレゼントを開け、お祝いする。

 ジンジャーブレッド・ハウス(左)は、子供のいる家庭でよく作られる。スーパーにはキットもあるが、ジンジャーブレッド・クッキーを型通りに焼いて組み立てることも多い。白いフロスティングとキャンディ、チョコレートでデコレーション。杖の形のキャンディ・ケーンは、クリスマス・シーズンだけ箱入りで売られる。言ってみれば、千歳飴のようなものですね。
 写真中央は01年のクリスマス・クッキー。
 この季節の飲み物は柔らかいカスタードのエッグ・ノッグ。それから、写真右の、バターで作られた Tom and Jerry トム・アンド・ジェリー。エッグ・ノッグにはラムを、T&Jにはラムかブランデーを加える。暖まりますなあ。

 クリスマスには、かつてフルーツ・ケーキを焼くのが一般的だった。甘い果実をリキュールに漬け込んで、ナッツもたっぷり加えるケーキだ。ところが、誰もこのケーキを好きな人はいなかったので、次第に作られなくなったそうだ。L先生が
「あれはすごく重い。ドア・ストッパーにいい、という話もあるくらい。」
と解説。2日後、偶然掲載された同内容の新聞マンガを持ってきてくれた。
(Dec/01)

The Pampered Chef パンパー・シェフのホーム・パーティ

 ディナーの招待状に喜んでいたら、それが例の宣伝販売パーティ。そう言えば、日本でもアムウェイ、タッパーウェア、シュガーレディなどのパーティに(義理で)参加したことがありました。
 まあ、これもひとつのAmerican experience、と雪の中を出かけると、パンパー・シェフ・レディが手際よくサラダ・ピザを作っていました。便利そうな調理器具をあれこれ試すゲストたち。招待に応じたからには、多少何かを買わなくてはいけない雰囲気だ。でもこれ以上荷物を増やしてどうする?
「日本では、お箸だけで全部調理するんです」
という私の言い訳に、回りの主婦が、いいわねえ日本のシンプルライフ、と感心してくれました。本当だっけ?
(Feb/02)

Dip Dip Dip! ディップ

 ホーム・パーティにほとんど必ず出されるのが、クラッカー(またはチップス)とディップだ。日本でもよく見かけるようになったサルサ・ソースもこの一種。アメリカのスーパーに行くと、棚に並ぶディップの種類に驚く。デイル・ディップに蟹ディップ、アーティチョーク、グワッカモレ(アボカド)などなど、おしゃれで美味しそうなディップがご覧の通り。これはまだ日本に広まっていない、アメリカ食文化のひとつではないかしら。海苔の佃煮、粒ウニの瓶詰めと似ていなくもないけど。
(Mar/02)

Chili チリ


 日本と比較すると、アメリカの普段の夕食はかなり簡単だ。スープとサンドイッチ、ハンバーガーと豆類、スパゲティとガーリック・ブレッド、半加工食品を利用するので、どれも30分以内でできてしまう。(もちろん、自分で全部調理するのが好きな人たちもいる。)チリも簡単クッキングの一つだが、私たちは気に入ってよく作った。
 挽肉(1ポンド約450g)を炒め、スパイスの入ったチリ・マジック缶、トマト缶を加えるだけ。この間にビスケットかコーンブレッドを焼く。ここにコールスローを添え、パン用にバターとハチミツを並べれば、もう立派な夕食だ。
(Jan/02)

notes:
You bet!
「ユー・ベチャ!」(と発音するのが望ましい)はミネソタ三大フレーズのひとつである。How To Talk Minnesotan a visitors guide by Howard Mohr (Penguin Books 1987)
 このローカルなベストセラーによると、

 "You bet!"(三大フレーズその1)
は特に強い意見を表明したくないミネソタ人にぴったりのあいづちだそうだ。相手が何を言っても、"You bet!"「まあ、そうだね」と言っておけば済む。また"You're welcome."の代わりに「どうも」の意味合いでも用いる。マーケットでしばしば聞くのは、この「ユー・ベチャ!」

 "That's different."(その2)
とは言え、いつも相手に賛成するわけにはいかない。そんな時に使うのがこれ。「んー、ちょっと違うな」

 "Whatever."(その3)
これは控え目に失望を表現する。無抵抗に「何とでも」「お好きなように」「まあね」

 ミネソタ気質というのは強い表現を避ける傾向があるのだという。最高に調子がよい時でも
 "Can't complain."「不満はないけど」
いやな事が起きても
 "It could be worse."「もっと悪いことだってあるし」
と表現するんだそうな。

2000-02年


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