〜ホウ統先生を訪ねる〜


成都友好旅行社のガイドさんつきでチャーターした専用車で成都から約2時間弱、北へ約70Km。
ホウ統廟と落鳳坡がある徳陽の町にやってきました。 しかし運転手さんの運転の荒い事!。クラクションは3秒に1回(実測値)は鳴らしまくり、目の前に人がいようが対向車が目前まで迫ってこようが、がんがんすっ飛ばす。私は「恐い。恐い。」を車中で連呼していました。(途中で交通事故も見かけたし・・・。)

ホウ統廟は地元の人も余り知らないようで、ガイドさんはあちこちで車を止めながら町の人々に場所を聞いていました。あまりホウ統先生は有名ではないのでしょうか?
それでも何とか人気の無い山道を行くと、山上のほうに小さな村がありホウ統廟にたどり着く事が出来ました。


ここがホウ統大先生のお墓があるホウ統廟への入り口。
入り口の前はちょっとした広場になってあり、小さな売店(露店)が2つ、3つ・・・。受付のおばちゃんもそうだが、みんな暇そうにしています。「これしか働いていなくても、生活が成り立っていいなぁ。」って一瞬思いました。
ちなみにこの時は私以外には一組だけしか見学者がいませんでした。

入り口を入ったところにある石碑。ここから林に突入していく(ちょっと坂道)とホウ統廟があります。
さぁどんどん進みましょう。

林の中の小道は木々に囲まれ静かな雰囲気がとても良いです。こういう所に住みたいです。
ちなみに写真に写っている人物が来ているTシャツの胸にある柄は、「大阪城で購入した大阪城Tシャツです。」 徳陽の皆様に日本の文化をさりげなくアピールしています。

とうとうホウ統先生が祭ってあるところにに到着!
これが正面の入り口です。
入り口の門には字の書いてある看板がたくさんあり、ガイドさんに一つ一つ説明を受けましたがみんな忘れてしまいました。「鳳雛の名は永遠に語り継がれる」とか「この地の英雄」とかホウ統先生を称えまくる意味だったと思います。

これは入り口の右側。
この屋根の下には絵や文字が彫ってある石がたくさん並んでいます。(後で説明します。)

こっちは入り口の左側。(林を突っ切ってここから入ってきた。)

廟の中には売店がありなにやらお参り用セットを売っていたので、1セット(ろうそく+線香+紙のお金)を4元で購入しました。

線香の煙の向こう側には誰かが・・・。

とうとうホウ統先生の登場です。
旅行会社の三国志巡りの本で見た写真とまったく同じ像があります!(結構でかいです)あぁこれを見るために遥々ここまで来たんだなぁ。と感慨にふけりました。
ところで隣にいるお方は誰でしょう?・・・って誰が見ても諸葛亮先生ですね。二人の天才軍師がなにやら怪しげな打ち合わせでもしているところなのでしょうか。
もし劉備がホウ統先生の進言を素直に受け入れ最初から劉璋を倒し成都を攻略していたならば、歴史が変わっていたかもしれませんね。(その分孔明先生も余裕が出来て長生きできたかも。)

ローアングルから撮影。迫力があります。
こうしてホウ統先生と諸葛亮先生が一緒にいた頃って、確か荊州の南郡を攻略したあたりで「劉備ファミリー勢揃い。これからガンガン行くぜぇ!」と、一番充実していた感じがします。でも五虎将軍の一人、馬超がいないのが残念。

ホウ統先生と諸葛亮先生の像の裏側に回ると、ホウ統先生が一人で思案に明け暮れている像があります。(この像も妙にでかいです。)


ホウ統先生の像の裏側にある出口を出るとお墓があります。そのお墓の前にはホウ統先生の運命を決定付けた馬の像が左右にあります。
こちらは元々劉備が乗っていた白馬(的盧だったかな?)です。

こちらは出陣のときにホウ統先生が振り落とされた馬。

これがお墓です。周囲約10m、高さ約4m「漢靖候ホウ士元之墓」と記されています。
この石碑の前にも線香を立てるところがありますが、なぜかそこには雨水がたまっていました。しかもよく見ると雨水の底には芋虫のような物がうじゃうじゃと・・・。「うぎゃーー!!恐いよう。」

でもこれで廟の見学も終わりです。先ほどの入り口の右側にあった石刻がある廊下に移動します。

ここには歴代の賢人達の詩などの石刻が並んでいます。
ところでここでは何やら土木作業をしている労働者が数人いて、一生懸命煉瓦を一輪車で運んでいましたが、突然「ピーピーピーピー」とどこかで聞いた事のある電子音が・・・。
「なんでこんなド田舎で携帯電話使ってんじゃい!」 超びっくり。こんな所まで電波が届くのか。おそるべし中国。

ちなみにこれはカメのようですが、カメではありません。
ガイドさんの説明によると、竜は9人兄弟(9匹兄弟??)で末っ子の竜はカメの形をしているんだそうな。だからこれは竜なのです。
じゃぁなんでこれが末っ子の竜なのかというと、理由は忘れました。ごめんなさい。

ホウ統廟も全部回ったのでいよいよ落鳳坡へ向かいます。距離にして約1kmずーっと下り坂です。帰りが恐ろしいです。
白馬村を突っ切っていきます。この村には煉瓦で出来た家が数軒建っており、周りは畑で、鶏やら牛やらあひるやらがあちこちで遊んでいるとてものどかな所です。電気、ガス、水道は通ってなさそうです。


こんな感じの下り坂です。「ここをはるか昔、ホウ統先生や魏延将軍が通ったんだなぁ。」と思うと不思議な感じです。

道中、学校帰りの子供たちが私たちを走って追い越していきました。みんな赤い服を着てリュックを背負っていました。
周りの景色のせいもあって、まるで昔話の世界にトリップしてきたような錯覚を覚えます。
「あぁ本当にのどかだ。」

ついに落鳳坡に到着!「あぁここでホウ統先生は張任に待ち伏せされてやられたのか。」と大感動。
しかし、この落鳳坡ってガイドさんがいたから何とか来れたものの、とても自力じゃ来れないですね。 山上の小道にひっそりと石碑が建ってるだけなんだもん。このまま観光地化なんかされないでそっとしておいて欲しいです。

ここは落鳳坡の石碑のそばにある丘の上の血墓です。ここもホウ統先生のお墓です。
この丘からの眺めはとても素敵です。周りはりんご畑がありました。
このあと自動車のとめてあるホウ統廟の入り口まで来た道をもどりましたが、めちゃくちゃ疲れました。 日ごろの運動不足がたたっています。三国志を知らない人にとってはただの山道ですが、私にとっては素晴らしい所でした。
ちなみに落鳳坡というと、BS三国志で見たような断崖絶壁に囲まれた所をイメージしていました。 でも実際はなだらかな坂道でした。ドラマで見てイメージしているものと、本物とのギャップがまた楽しいです。




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