経営管理、経営組織と経営戦略の関係

バブル崩壊後、多くの日本企業が、それまでもてはやされていた日本的
経営を否定し、米国型合理主義経営に基づいたリストラチャンク
を推し進めている。財務体質を立て直すことを市場命令として掲げ、
結果的に、企業らしさを失った、横並び経営に陥ってしまっている。
企業を取り巻く環境は、めまぐるしく揺れ動いている。急速な技術進歩、消費者ニーズの多様化、
国際化の進展など過去とは比べものにならないほどの
スピードで環境は変化している。企業が成長していく為には、環境の変化に対応して企業行動を
変えていかなければならない。その企業行動に一定の方向性や指針を与えるのが、経営戦略である。

経営戦略を達成する為に作るのが組織であり、日本企業の組織の特徴は、集団的特性を効果的に
活用した組織といえる。ノウハウ、意思決定の仕方や職場に貯蓄された高度な技能や仕事の伝達方法に
日本企業特有のものが、みられる
組織とは、経営目的を達成する為に意識的に統合,統括され秩序づけられた、同じルールに従って
行動する人間活動の体系である
経営組織を構築し、運営していくために求められるのは人と仕事を結付け
一人一人の職務や責任、権限を明確にすることが大事である。

また組織の問題として、必ずマネジメントの問題が出てくる。
マネジメントが不適切だと組織の目的が達成できないばかりか
組織自体が維持、存続できなくなり、達成目的である利潤をあげること
ができなくなる
トップマネジメントの機能は、組織構造、組織管理システム、組織文化、従業員の4つの要素を結合し、
経営戦略を立案することであり
個人が創造性を発揮できるように、場や状況を整え、それによって組織
として総合的に知識を増幅,創造していくことが、企業経営に関わるものの
課題である 

現在多くの企業に欠けているものは「独自の経営信念」である
差別化と経営革新がなければ、いつ倒産の憂き目を見るかわからない
初心に返り、何の為に我が社が存在するのか、何によって顧客に認めて
もらうのか、しっかりとした企業理念を確立して経営革新を
図らなければならない。
日本の産業力を強化する為には、向こう「百年の大計」をどうたてるか
9月3日 日本経済新聞 13面に日立製作所社長の経営戦略インタビュー
がある。
「どんな分野に照準を定めて需要創造に取り組むのか、まず針路を
示すことが出発点でありトップの仕事である。
既存事業の技術を組み合わせ、他社にない高付加価値の製品、システムや
サービスが生まれる場合も多い。これまでに培った知識経験を結集する」
と述べている。
日立は1月に社長直轄の技術戦略室を設け、重点開発分野を打ち出し
グループの羅針盤としている。
競争力のある製品、システムに仕上げられるかは、特徴ある部品を開発できるかに
かかっている。もう1つ重要なのは
デザインの力であり、日本メーカーは消費者の鋭い感性に鍛えられてきた
部品の技術力とデザイン力の向上が需要創造の両軸となる
グループ内の技術を結びつけてシナジー(相乗)効果を出すには
組織の壁を破ることが前提となり、経営者が腕力で、部門間の連携をとらせたり新しい組織を作ったり
することが必要である。
これらのように
戦略、組織、管理システムがどの程度パターン化されているか、これらの諸関係が一貫性を
持っているかということが組織の環境適応において最も
重要な用件であるとされる。
近年の経営戦略論の展開における特徴の1つである。
マイルズとスノウは、組織が環境に戦略的に適応するために問題領域を
識別する必要性を主張している。
組織の環境の有効性は、組織の製品市場の選択(企業者的問題)、そこで活動する為の技術(技術的問題)
それらを調整する組織構造と過程(管理的問題)の
間で、経営者が達成する適合の質に依存していることを指摘した。

さらにこのような考えをもとに3つの環境適応パターンを識別している。
事業を比較的狭い製品市場に限定して効率を高め、価格競争率を高めようとする防衛型、
自ら積極的に変化を生み出し、常に技術革新に積極的ですばやく
新製品を導入し、市場が安定してくると他の新しい製品へ移って行く探索型、
一方で既存の製品市場に確固たる基盤を確立しながら、他方で新製品新技術
の機会を探索、利用し新旧事業を併存させる分析型である。

こうした戦略は、トップないしは戦略スタッフにより分析的に策定され
戦略に合わせて実行手段としての組織が設計されると考えられてきたが
現実は、多様な人々が戦略の実行に関与し、影響を与えている。
実際には企業内のさまざまな人々の、相互作用のダイナミックスの中から
戦略が形成されていくのである。

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