丸太の加工(基本用語)
用語解説と基本的な道具の使い方。

  1. ログ 丸太のこと。細いほうを末またはトップ、太いほうを元またはバットと呼びます。日本では、φ24の丸太と言えば、末口(細いほう)での直径が24センチの丸太のこと。

  2. テーパー 丸太の元末の直径の差。あまりテーパーが大きいと、ログ壁は積みにくい。長さ1メートルにつき、1センチ以内のテーパーならばまず問題はありません。ダグラスファーなどは、テーパーが小さめで、ウェスタンレッドシーダーなどはテーパーが大きめです。

  3. ハーフログ 丸太を真半分に割ったログのこと。ログ壁の一番下になり、基礎部分に接するログ。

  4. シルログ ハーフログと直交して置かれるログ。やはり基礎に接するので、丸太の下部は平面になっています。

  5. ノッチ ログとログが交差する部分の欠き込みのこと。ラウンドノッチやサドルノッチなどの種類があります。

  6. グルーブ 下のログにうまく重なるように、上の丸太の下部に掘られる溝のことです。

  7. 窓台 窓枠が乗るための平面を出した丸太。

  8. ヘッダー(まぐさ) 窓や出入り口の枠の上に渡される丸太。

  9. セトリング 乾燥や圧縮によって丸太が細くなり、下に沈んでくること。ログハウスは、完成後5年ほどかけて、およそ7?10センチ低くなります。

  10. キーウェイ 建具の枠などはログ壁がセトリングするために直接丸太に留めることができないので、キーウェイと呼ばれる溝を掘り、ここにやといざねをして窓枠を留めます。

  11. スクライバー 水溶性鉛筆と水平器付のコンパス。

  12. スクライブ スクライバーを使って下の丸太の形を上の丸太にうつすことです。この青い線の下部をカットして重ねれば、上の丸太はHだけ落ちて下の丸太にぴったり重なります。このHをスクライブ幅といいます。丸太を積むときはこのスクライブ幅を決めてからスクライバーを適当な板に書いた鉛直線にあてがい、水平器をセットします。それから、霧吹きで丸太を湿らせながら、水平を合わせながらスクライブします。

  13. ラフスクライブ 丸太の姿勢(傾き)を直し、下の丸太との隙間をなるべく平均になるようにするためや、本番のスクライブの幅を適当にするために行うスクライブをラフスクライブといいます。その名の通り、慎重にスクライブする必要はまったくありません。


  14. スカーフ(リカーブ) サドルノッチの組手のところの作られる曲面。このスカーフを作ることによってノッチの断面が台形になるため、下の丸太が痩せたときに、上の丸太が滑り、ノッチの隙間を塞ぐことができます。これに対して、ラウンドノッチは下の丸太が痩せても頭の部分がつっかえて、滑ることができないので、ノッチの側面に隙間ができやすくなります。また、ラウンドノッチでは、下の丸太の直径の半分以上、上の丸太をかぶせてノッチを作るのが難しくなります。ですから、ラウンドノッチの方がテーパーの少ない丸太を必要とします。