4月の雑木林
Spring Ephemeral
(春のはかない命)

吉野桜の花が散って
山桜に替わる頃
雑木林の中で 花を咲かせ、地下に命を蓄える
一群がある。

それが
Spring Ephemeral スプリング エフェーメラル
(春の妖精 春のはかない命)

誰だろう  
こんな言葉を生み出したのは!!

そのかたわらでは、強烈な芽生え
4月の雑木林は 循環という 自然界のお祭の真っ盛り。

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   99年4月8日   99年4月13日

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99年4月13日(山桜)

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この頃になると、雑木の梢の方から 淡い緑が降りてくる。

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小さな木々は、一斉に若緑で黒ずんだ林を彩る。


こんな時、Spring Ephemeral(春のはかない命)の一群が
その命を謳歌する。

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      一輪草     二輪草

    
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カタクリ
今年は花の色が薄い
Spring Ephemeralの代表格で「春の妖精」と呼ばれる。
(都立薬用植物園雑木林で 99年4月13日)


イチリン草やニリン草、そして、カタクリは、林の緑がまだ淡く
地上(林床)に光が十分に射し込むとき
成長し、花を咲かせる。

やがて、林が新緑に映え、緑が濃くなると
花は終わり、葉まで枯らせて
休眠に入る。

春先の短い期間、可憐に咲き競い、夏には、もう姿はない。
秋まで、地下でひっそり過ごしている。

雑木林のサイクルに生きる これらの植物たちを
Spring Ephemeral(春のはかない命)
と呼ぶ。

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5月の末まで、この光が透る間、彼らの懸命な活動が続く。


そして、4月の雑木林は 新しい命の苗床でもある。

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林の中にはあちこちに クヌギやナラが 殻を割って新芽を出す。
まるで卵を割る雛のようで愛くるしい。

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たくさんの仲間の中から、ごく一部が発芽する。いち早く芽を出したものは
それだけに、自分の出生を強烈に主張する。
この時期特有のけなげさだ。


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燦々と日の光を受けて、新緑が芽吹き、やがて、雑木林が濃い緑に包まれるとき
Spring Ephemeralの一群に替わって
また、新たな営みが始められる。

(注 画像はカタクリを除き、いずれも狭山丘陵 99年4月10日前後)

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