西暦2016年の春の珍事

04/26/98

「あーあ、このくそ暑いのにまだ日本は春休みなんてものがあるの?先例重視の日本のお手本みたいなもんね。」

「しょうがないじゃないか、一応、年度は4月から始まるからその準備とか大変なんだよ。」

「あーたね、その春休みのせいで去年の春は大変だったの覚えてないの!?ようやくテレビ東京の仕事から解放されたと思ったら、今度は春休みにあわせて映画の上映、それでも書ききれない部分は夏休みにあわせてよ!全国の映画館行脚して出演して回って、せっかくの春休みと夏休みつぶれちゃったじゃない。挙げ句の果てにあの内容、何であんたに首絞められなきゃならないのよ!」

「アスカ、それは矛盾してるよ、結局自分も春休み欲しいんじゃないか。」

「う、うるさいわねバカシンジ!、と、とにかくこの春の映画が早く終わんないかしら?でないとせっかく宿題のない春休みが終わっちゃうじゃない。」

ここは、コンフォート17のミサトの部屋。とりあえず今日の映画の仕事が終わってくつろぐシンジとアスカである。レイもちゃっかり一緒にくつろいでいる。ミサトはまだ帰ってない。

「しっかしファースト、あんたも大変ね、あのひげ眼鏡に付き合わされた挙げ句、化け物扱いよ!くやしくないの!!」

「いい、仕事だから。(それに碇君と映画では一つに…)」

「まったく相変わらずなんだから、あんたは。あーあ、あの映画もう一度作り直さないかなあ。そうすればこの美形女優天才脚本家敏腕監督が「も○の○姫」なんて目じゃない『本当のエヴァンゲリオン劇場版』作るのになあ。」

そいつは無理だろうな、とシンジが心の中で反論しているとき、3人の携帯電話が同時になる。

「非常召集がかかったわ。」つぶやくレイ。

「もうエヴァンゲリオンの仕事は終わったのに?後はせいぜいテレビ版の再編集ぐらいでしょ?なんでまた?」アスカの問いには誰も答えられない。

「とにかく本部へ行こう」

 

本部へ行くと発令所には司令以下ほとんどの人間が集まっていた。

「いったい何があったんですか?(のよ?)」

「何でもさっき司令から通達があってね、ガイナックスや東映との話がついて、夏に真のエヴァの最終バージョン映画を作るんですって。題名は、えーっと、なんだっけリツコ?」

「ミサト、もう忘れたの?「エヴァンゲリオン・ファイナル ワンオアオール」よ」

「そうそう、それでね、そのワンオアエイトだっけ(違う)、その脚本をね、登場人物の私たちから募集したいんですって。監督についても、もうあの人はエヴァやらないらしいから優秀な人がいれば登用するそうよ。」

「一般の人たちからは脚本公募しないんですか?」

「それをやったら収集つかないわよきっと。だって、世の中には私のおいしいカレーを武器に使って戦自隊員皆殺しにした挙げ句、ネルフ総食中毒にした不届きなss書いた人もいるくらいだし。」

(いや、それ(カレー事件)はありえない話じゃないぞ)みんなは心の中で反論した。

 

 

(ようし、僕は葛城さんとの絡みのある話にして、撮影にかこつけて…)

(ようし、私は先輩と…てへっ)

(ようし、ここはひとつ青葉シゲルの見せ所を…)

(ようし、私は碇君ともっと絆を…)

(ようし、今度は弐号機のかっこいいところを見せてファーストに負けない印象をバカシンジに与えるんだから。そうすれば…)

 

「なんかみんな目つき恐いな。」シンジ、戦慄。

 

「いいのか、碇。」

「何がだ、冬月。」

「何か、こう、話が大きくなっているようだが。」

「も、問題ない。シナリオの範囲内だ。」

「本当にそう思っているのか。私はそうは思わんが。」

「……」

「あやまるなら今のうちと思うがな」

「……」

 

翌日、西暦2016年4月日、ネルフ中を血眼になって司令を探す隊員やチルドレンの姿があった。

 

「あのヒゲオヤジはどこ!!!!!ぜったいみつけだしてやるっっ!!!!!」

「じーさんは用済み、じーさんは死刑」

「司令は最初っからだますつもりだったのねっ、うそつき、うそつき、うそつきーーーーーー!!!!!!!」

「どうも変だと思ったんだよなあ、徹夜で台本書いてガイナックスに電話したらそんな話はないって言うから。人の感情を踏みにじって、あの司令は。」

 

さらに翌日、4月3日、加持リョウジが「仕事」の途中、ターミナルドグマのリリスの隣で、涙を流してぶつぶつなにか言いながら逆さに磔にされている司令を発見した。しかも司令の顔はボコボコである。

「うぅ、ただのエイプリルフールの冗談だったのに、何でこんな事に…」

「碇司令、これもシナリオのうちですか?」

司令にとっては、修正の効かないイレギュラーなことも世の中にはある、ということを教えた良い薬である。ゼーレの老人達を笑えませんな。

 

教訓。エイプリルフールのジョークは良く考えてから。

 

 

後書き。

 

皆さん。お久しぶりです。みやびーでございます。

今回はエイプリルフールを取り上げてみました。

シンジ達はエヴァンゲリオンという作品に出てくる役者さん、という感じで登場してもらってます。

本当に彼らが作品を作ったらどんなエヴァになるんでしょうか?

主演権監督などという人も多いですし、そんな想像から書いてみました。

しかし、哀れゲンドウ。日ごろの行いが悪いからそうなる。

やはりジョークもTPOですね。

 

それでは、失礼します。

 


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