ポートランド日記                                     スズキメディア

10月24日(水)──85日目


 水曜日の9時から11時はカンバセーションパートナー(会話友だち)のアンディさんとのミーティング。アンディさんに聞いてもらって、スピーチの練習をするが、なかなかうまくいかない。原稿を見ないと、言葉が詰まってすらすら話せない。かなり練習が必要なようだ。
 そのあと、日本語について話していて、氷と氷水の話になった。
 氷=ice、水=water、でも、氷水=ice water(氷の入った冷たい水)ではない。ice water(氷の入った冷たい水)は、日本では、「お冷や」という(氷が入っていない場合もあるが)。
 「氷水(こおりみず・こおりすい)」は、「氷をかいて、シロップをかけた甘いもの」というのを説明したいが、「氷をかく=かき氷」というのがうまく説明できない。いろいろ話していて、「crash」と言えばいいとわかった。
 日本語を習い始めたばかりのアンディさんと話していると、「そうか、日本語と英語はこういうところが違うんだ」というのがわかって面白い。

 今日もデモンストーレーション(説明)スピーチは当たらなかった。いよいよ最終日の金曜日だ。もう少し準備が出来そうだ。人のことは言えないが、今日の5人は、あまりうまくなかった。やっぱりスピーチは難しい。特に、原稿を見ることのできない、デモンストレーションスピーチは実力がそのまま出る感じがする。

 今日は「ポートランド・チープイーツ」に載っているダウンタウンの中近東料理店「ペルシャンハウス・レストラン」へ。ここは、PCCのそばにある、中近東料理店「KOLBEH」と同じように、ビュッフェ形式で食べ放題になっている(値段も同じ$6.99)。このタイプの店は同じ形式の昼食の出し方をするものなのだろうか。
 味は、PCCのそばの「KOLBEH」と同じ感じ。「チープイーツ」に載っている店の特徴は、一人で行っても気兼ねしなくていいところだが(立派なフランス料理店だと、一人では行きづらい)。ここも、グループでも一人でも大丈夫だ。それほど大きい店ではないが、列が出来るほどではない(周りにもレストランがたくさんある)。
 メニューはだいたい同じだろうから、毎日では飽きるが、鶏肉も肉団子もスープもおいしかった。ご飯(日本のとは違うが)にカレーのような汁をかけて食べられるのも、日本人の嗜好に合っている。

 夜はWさんに車で「サブローズ」という日本料理店へ連れて行ってもらう。混んでいて、30分くらい待った。この店はこれが当たり前だそうだ。客は日本人はあまりいない。
 ここは、天ぷらや照り焼きと寿司とのコンビネーションもあって、アメリカ人はそっちを頼むことが多いようだが、日本人はやはり寿司だ。面白いシステムで、紙に書かれたメニューに数を書き込んで注文するが、一回しか注文できない。混んでいていつも並んでいるからだろうが、これで足りるかなと思って、ついつい多めに頼んでしまいそうだ。
 面白いのは、タコ3ドル(どれも2個ずつ)からウニ(Sea Urchin)7.50ドルまで、あまり値段に差がないこと。日本なら、もっと差が付くはず。日本で食べる寿司に比べて、しゃりもネタも大きい。日本だと、しゃりが小さくてネタが大きいのが流行だけど、ここはどちらも大きい。

 ネタは新鮮でおいしかった。特にウニは、北海道でもなかなか食べられないくらいおいしいもので、量もたっぷりだった。不思議だったのは、ネタによってわさびの入っていないのと入っているのがあること(どういう基準かはわからない)。わさびが入っていないのは、醤油皿にわさびを置いて付けて食べるが、間違えてわさびの付いているのにわさびを付けて食べてしまうと大変なことになる。
 前、一度日本食料品店「安全」でマグロの刺身を買ってみたがあまりおいしくなかった。こちらでは、刺身や寿司は我慢したほうがいいかなと思っていたが、ここなら、日本と同じくらいの味が十分楽しめる。しかも、三人で食べきれないくらい注文して、少し持って帰って、70ドル。値段も安い。久しぶりに、寿司を堪能した。


次を読む前に戻る目次表紙