ポートランド日記                                     スズキメディア

9月30日(日)──61日目


 今日は、Iさんのところでパーティ。I先生が、10月4日に日本へ帰るので、そのお別れパーティだ。
 僕らは、たこ焼きと焼きそばを作ることになっている。4時くらいに行って作り始める予定なので、I先生と2時半頃寮を出発して、車で買い物に行く。行き先はフレッドマイヤーと日本食品店の「安全」。
 今日は、Iさん、I先生、僕ら二人のほかに、ダンさん、マイケルさん、スーザンさん、I先生の知り合いで、これからOHSUで博士課程の勉強を始めるMさん(女性。旦那さんはコンピューター関係の会社で、ポートランドの工場に来ている)、マイケルさんの孫のジャスティーナちゃん(小学生)の10人が集まった。キャシーさん、オードリーさん、ギルさんも来る予定だったが、都合が悪くなったそうだ。

 僕の作るたこ焼きは、ダンさん、マイケルさんにはとても気に入ってもらっている。
 二年前にポートランドに始めてきて、ダンさんたちの家に泊まったとき、何か日本のものを作ろうというので、荷物の中に「たこ焼き器」を入れていった。それが、そのままダンさんの家にあり、今日は持ってきてもらって、またポートランドで活躍することになった。
 僕のたこ焼き歴は長い。小さい頃から家で作っていたし、大学生の時には一緒に住んでいた祖母がたこ焼きが好きで、日曜日ごとに昼はいつもたこ焼きを作った。僕が焼いて、少食の祖母はひとつかふたつをおいしいそうに食べた。
 日曜日に家にいると、「今日はたこ焼きは作らないの」と祖母がいうので、いつしか、毎日曜日はたこ焼きとなったような記憶がある。

 試行錯誤の結果たどり着いた、たこ焼きのレシピはごくシンプル。
・カツオだし(「本だし」など粉のものでも可。今回のような場合は、カツオでだしをとってる時間がないので、「本だし」を使う)
・小麦粉(薄力粉)
・卵(多めに)
・ネギ(こちらのネギは、博多万能ネギの2倍くらい太い青いネギなので、今日は、「安全」で買った、関東の白いネギを使った。「安全」では。これを「東京ネギ」といって売っている)
・天かす(日本から持ってきたが、こちらでも手に入る)
・山いも
 以上をよく混ぜたあと、焼くときに、次のものを加える。

・紅ショウガ(日本から持ってきたが、こちらでも手に入る)
・タコ
・青のり
・カツオ節(だしを取るのではなく、ふりかけ用のもの)

 小麦粉とだしの量はいつも適当だが、今日は、とてもうまくいった。表面はカリッと中は、少し柔らかくというのが、理想的なたこ焼きだが、それに近い出来。
 ポートランドで買う山芋は、少し水気が多くて、千切りにしてあえたり、おろしたりすると、少し水っぽい感じがするが、たこ焼きのときは、他の具と馴染みやすくてかえっていいようだ。

 間抜けな話だが、肝心な焼きそばの麺を買い忘れてしまったので、野菜炒めになってしまった。でも、パクチーも入れてタイ風でけっこうおいしくなった。他に、サーモンや野菜のバーベキュー、サラダ、山菜おにぎりなどあり、楽しいパーティだった。
 ダンさんとマイケルさんには、彼らが九月に行って来た日本での話をいろいろ聞いた。暑かったけど、神戸では有馬温泉にいったり、東京ではもんじゃ焼きを食べたり、楽しかったそうだ。伊勢神宮の建物にも驚いたと話していた(観光客の多さにも驚いたそうだ)。マイケルさんは、「東京(彼らは月島に泊まった)は、一晩中騒がしいし、いつまでも明かりがついていて驚いた」と言っていた。


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