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叔父さんの趣味

 叔父は懐からおもむろにタマゴを取り出すと、手で
風を遮りながら、百円ライターで穴をつけた。深呼吸
のように深く空気を吐いてから、ゆっくりと吸う。
 チューという吸液音が屋上一体に広がる。 「最近は職員室でも禁玉、禁玉ってうるさくてなぁ」
 本題とは全く関係のない話をする叔父に、俺は
「はぁ」とだけ答えた。
 しかし、普通好きだからといってここまでするかぁ?


なんか違う…

 僕は、何となく叔父を避けるようになっていた。
 叔父のほうも、僕がそういう付き合いを苦手として
いることを知っていたので、お互い滅多にコンタクト
をとることはなかった。

 二人とも遺伝的に近眼だったのだ。

 そのコンタクトじゃないってば…


太田さんについて一言どうぞ

「そうですね、例えば…」
 1、かねてからノイローゼ気味だった
 2、変な薬を使用していた
 3、あれが太田さんの芸風だった

 …3…かな?


タイガージェットシン

 凶器。
 その言葉に僕は強く惹かれるのだった。
 何かを軽くぶつけるだけで音をたてて崩れてしまう
ガラス細工のように脆い人間の肉体。
 凶器を使うプロレスラーを、人はよく「悪役」とか
いう表現をする。


語呂合わせ

「それと、夜間の学校の出入りだがな」
「あ、それは聞いておかないと」
「正面玄関が警備会社とつながっていて、入るには鍵
と暗証番号がいるんだ。玄関の暗証番号は0824。
8月24日の設立記念日にちなんである。「尾は西」
と覚えたほうがいいぞ」
「0824…オハニシですか?」
「そうだ」
 叔父には悪いが、『おや(08)っ… 妊娠(24)
したかな?』と覚えたほうが、簡単なような気がする。

 …本当か?(笑)


深夜の学校でHゲーム

 とにかく、調査は今夜行う。
 学校に入るために必要なマスターキーは受け取った
し、暗証番号の0824も聞いている。
 あとは夜になるのを待つだけだ。
 でもその前にやっておきたいことがいくつかある。
 それは、パソコンゲームの「痕」だ。
 差し当たって、痕マスターになりそうなシナリオがある。


オープンな学校かも…

 第二体育館は、本校の建築物としては比較的新しい
部類に入り、建物の作りもよく、講堂を使用する同人
誌即売会などのイベントもここで行われる。
 体育館の周りには、ぐるりと並木状に桜の木が植え
られており、新城さんは昨夜、この付近で妖しい三人
の女の子を目撃している。
 その三人が参加者だと仮定して考えると、徹夜組に
違いない。

 なんて学校だ!?(笑)


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