そんなことを考えながら、何気なく視線を宙に漂わ
せていたときのことだった。
「くすくすくす…」
そういう乾いた笑い声が教室中に広がった。
笑い声の主は、僕の斜め前の席に座っている女生徒
だった。
生徒会副会長の太田さんだ。
そのとき、太田さんが両手でおもいきりバーンと机
を叩いた。
一斉にシーンとなる教室。
目を丸くして見つめる生徒達の視線のなかで、彼女
は低い声でひとこと、
「エックス2000」
と言った。
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僕は誘われるまま、学校の屋上にのぼった。
「用ってなんですか?」
切りだしたのは僕だった。
「とある男女が、神聖なる学校を毎晩カラオケ代わり
に使用しているらしい。調査してくれないか?」
う、う〜む、調査をしようかどうか迷うなぁ(笑)
「きゃああああああああっ!」
そのとき、寂然とした教室の空気を引き裂くように
女性との悲鳴がこだました。
生徒達は息を飲んで見ていた。
太田さんが、爪でガリガリと黒板を引っかき、両手
から嫌な甲高い音をたてている、その光景を…。
うぎゃぁ! やめろぉ! 俺はその音には弱い
んだぁ!!
1.世界崩壊の妄想に浸り始めた
2.彼女のことを想い始めた。
3.異星人との戦いをシミュレートした
【2を選択】
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それは二人だけの世界が続き、三日が過ぎようとし
ている日のことだった。
僕と彼女は学校の屋上で口づけを交わした後、無人
の町並みを眺めていた。
その時、彼女は髪をすくい上げながら言ったのだ。
「私ね、ずっと前からあなたのこと好きだったのよ」
「え…?」
「…私、ずっと以前は、平凡で、すごく根暗な女の子
だったの。勉強も運動も全然駄目で、綺麗でもないし
可愛くもない、男の子になんてちっとももてなかった
わ…」
「な…なんのこと?」
「そのころの私には「お願い癖」があったの」
「お願い癖?」
彼女はコクンとうなずいた。
「毎日のようにサミアどんに、綺麗になりたい、明るく
なりたい、男の子にもてたいって、「お願い」してた
のよ」
彼女はニッコリと笑った。
さ、サミアどん… 古すぎる!
せめて、『アイコのお願い、あいこでしょ』位にして
欲しかった……ってそれも古いって
ハッ! もしかして意味不明!? すまん(笑)