初出2000年05月12日くらい

訂正2000年09月30日(主にX-Windowの追加)

 

1 MacBSDのインストールについて

 当初は、SE/30の有効利用が主な目的で、将来、常時接続ができたら、MacBSDを使い、WWWサーバでもできるのかということが気になり、関連本なんか買いあさり、MacBSDをインストールし、使ってみていました。

 しかし、コマンドをタイプするのがめんどうだったり、ユーザ設定やパスワードの設定なんかが煩わしく、しばらく使ってないうちにそのようなものは忘れてしまったりして、NetBSDからはしばらく足が遠のいておりました。(Macには、無料のWWWサーバーソフトはあるし、セキュリティもあまり問題になってない。何といっても設定が楽チン。なにが悲しゅーて・・・・・。)

 しかし、職場で利用しているファイルサーバについて、誰もバックアップなどメンテしてないこと、職場内でどこまで秘密が保持されているのか不安なこと、が最近気になり出しました。

 そこで、独自にファイルサーバを持とうとした時の選択肢として、SAMBAなり、Netatalkが気になってきたので、使用感(特にファイル名はどうなるの?)を確かめるため、再度、MacBSDに向き合うこととしました。

 まあ、現役のPowerMac7300/166とLinuxPPCならば、日本語環境も整っていて、実務には支障がないとおもわれるが、2000年5月現在では、定評のあるディストリビューター(特に日本語関係)がまだでていないようなので、整備されるまでの間、MacBSDで使用感を確かめようということとなった。

 

2 結 論(Netatalk)

 Netatalkについては、MacBSDからみると共有フォルダ内のファイル名はなんじゃらほい状態となるが(図2ー1参照)、クライアントMacからみると別になんともない(図2ー2参照)。

図2ー1

図2ー1

 ファイル名「inst_bsd.cwjのコピー」が、MacBSD+netatalkの共有フォルダ内では、左のようにみえる。

図2ー2

 ファイル名「inst_bsd.cwjのコピー」が、クライアントMacでは、左のようにみえる。(拡大図

3 結 論(SAMBA)

 SAMBAについては、なかなかまともにインストールできず、挑戦してから3ヵ月程してやっと、なんとか成功したようです(平成12年8月20日)。

 samba2.0.7(日本語版でないやつ)を使用しました。文字コードはnetatalkに合わせて「cap」を利用しているので、MacBSDで共有フォルダの中をみるとnetatalkと同じです。Win95(Libretto60)からみると次のようになります。

4 インストール総論

(1)インストール利用資料

 冊子付属のCD−ROMを利用(MacBSD1.3.2)

 MacBSDネットワークサーバ構築ガイド(1998/4/1広文社 三浦一則 4-905999-74-X C2055)

 NetBSD/mac68kビギナーズバイブル(1999/1/20スパイク フェムス4-89621-216-9)←今となっては、こちらのほうがいいのかな〜。

 また、

http://www.mars.dti.ne.jp/~koha/netbsd/netbsd.html

は、MacBSDの参考になると思いますので、ご一読を(2000年5月末現在)

 

(2)インストール機

 MacSE/30 32MB+外付け2GHD(NEC)

 

4 各論=顛末

(1)作業の流れ

  1. 外付けHDのフォーマット
  2. パーティション
  3. MacOSのインストール 最小限+CDROM_Driver
  4. mkfs1.4.5でBSDファイルシステムの作成
  5. インストーラでインストール+build device
  6. Booter設定・起動
  7. NetBSDのとりあえず設定
  8. netatalkのインストール
  9. sambaのインストール
  10. X-Windowのインストール

 

(2)それぞれの顛末

 1 外付けHDのフォーマット

 System7.5.3に付属するフォーマッタにパッチをあてるのが、無難なんでしょうね。

 2 パーティション

 当初、2GHDをMacOS500MB+MacBSD root800MB+swap64MB+user700MBに切ったが、インストール時に

Error on SCSI Read(), #5

Error on SCSI Write(), #5

...........

となり、インストールできなかった。インストーラでは1G以上のパーティションでのインストールは不可と冊子には書いてあったので、上記の設定にしたのだが、それでもダメでした。

 そこで、MacBSD root800MB+user700MB+swap64MB+MacOS500MBに切ったところ、無事インストール可能となりました(HDの先頭から1G目にMacBSDのファイルがくるとだめなのかなあ?)。

 なお、MacOSのインストールは最小限+CDROM_Driverとしました。

 

 3 mkfs1.4.5でBSDファイルシステムの作成

 4 インストーラでインストール+build device

 インストール時間は、必須3ファイルのみでは、1時間程。あとでコンパイラ等のファイルも忘れないでインストールしておくこと。

 X-Window関係までのインストールなら4時間程度覚悟したほうがいいのかな(寝る前にインストール開始、起床時に確認していた。)

build deviceは、10分程度でした。

 

 5 Booterで起動

 メニューoption−BootingでRoot SCSI IDを設定するくらい。

 なお、終了は、shutdown -h now

 

 6 NetBSDのとりあえず設定(将来、もう少し書き込みます)

 マルチモード設定(マルチユーザ化)

 CD-ROMマウントのための設定

 ユーザーパーティションをマウントのための設定

 ネットワークの設定

 cshからtcshにシェルを切り替え

 

 7 Netatalkのインストール

 本に付いてきたCD-ROMからHDにコピー、解凍しました。

 netatalk14b2.netbsd.b2.tgzを利用しましたが、特段の問題もなく、すんなり、インストールは完了しました。(楽勝)

 

 8 SAMBAのインストール

 おおげさなのでしょうが、デス・マーチになりました。

 当初、samba-1.9.18p10.tar.gzをインストールしたのだが、うまくファイル共有ができなかった(共有フォルダはWin95からみえるのだが、開こうとすると拒絶された)。

 今から思うと、smb.confの[public]設定がおかしかったのかもしれないが、このバージョン自体が日本語を正式にサポートしていないようであること、また、WWW上で日本語を正式にサポートしたsamba-2.0.5a.tar.gzのインストール記をみつけたので、そちらのほうをインストールしてみることとした。

 しかし、今度は、共有ファイル名にロングファイル(半角8文字以上)が利用できず(症状は下図)、原因が分からず頭を抱えてしまいました。

 解凍後、

./configure

make

make install

make clean

というようにインストールしました。

 一見、日本語ファイル名が使えるように見えますが、なんとロングファイル名は使えませんでした。クライアントであるWin95(libretto60使用)からロングファイル名のものをサンバにコピーしようとしてもショートに訂正するよういわれます。

 そこで、Win95側で共有フォルダ(ここでは、「public」)をディスクに割り当てて、プロパティをみると「ネットワーク接続(FAT)」になっていました。

 そのため、samba2.0の解説本を買って読んで見ましたが、原因はさっぱりわかりませんでした。

 そもそも、クライアントとしたlibretto60が悪いのかという気がしてきましたので、FM-BIBLOを借りてきて試したところ、同じ症状がでましたので、samba側が悪いということはわかりました。

 また、NetBSDだからうまくいかないのだろうかとも思い、なんと、LinuxPPC2000(amulet版)を購入して、PM7300/166にインストールしてみました。これはこれで苦労があったのですが、何といってもインストールのスピードが違う(X-Windowまでで2時間はかからない)ので、2週間くらいかけて、samba-2.0.6(日本語版は付いてきてなかった)をいれてみました。当然のように、まともに共有できました。

 そこで、NetBSDで三度挑戦してみることにしました。UNIX USER2000.08月号でsamba2.0.7日本語版の特集がでていたので、それも参考にしました。

 インストールはsamba-2.0.7.tar.gz(日本語版でないやつ)を利用。

 UNIX USERを参考に、

./configure --with-included-gettext

make(4時間ほどコンパイルにかかった)

make install

make clean

としました。

 また、smb.confで暗号化パスワードをyesにし、

「mkdir /usr/local/samba/private」とし、

「touch /usr/local/samba/private/smbpasswd」、

「chmod 600 /usr/local/samba/private/smbpasswd」

としました。

 このようにして、なんとかsambaインストールが完了しました。

9 X-Windowのインストール

 参考図書をみると

 MacOS上からInstallerを使用して、X-Window関係5ファイルをインストールする。

 /etc/ld.so.confを/usr/X11R6/libと編集し、ldconfigを実行する。

 .xinitrcを利用者のhome(.loginや.cshrcのあるところ)に作成する。

 setenv PATH "$ {PATH}:/usr/X11R6/bin"を実行する。

で、startxでX-Windowが起動するといっていますが、起動しません。

 他の資料も漁って調べたところ、

 ln -s /usr/X11R6/bin/Xmac68k /usr/X11R6/bin/X

として、Xサーバーのシンボリックリンクを作成しないといけないとのことでした。

 これで、startxでX-Windowが起動しました。ただし、twmのため、色気もそっけもありません。合掌。