アラカルト->音楽の雑学->音楽を聞かせると農作物がよく育つというのはホントでしょうか?  
  音楽の色々なことにかんして、私が不思議に感じていることについて書いてみたいと思います。  
 

 
 
音楽とゆらぎ
なぜ、音楽は人の精神に影響を与えるのでしょうか?音楽は単なる音の羅列ではありません。音の順序、組み合わせには意味があります。心地よい音の組み合わせ(音楽)とそうでないものを考える際に、参考になるものに「ゆらぎ」があります。
ゆらぎとは、特定のパターンが忠実に繰り返されるのではなく、繰り返されるパターンが時間的に変化するような現象を指す言葉です。乱数で生成された数値のように、質や量がでたらめに変化するのではなく、なにか規則性のある動きが背後にあり、その規則性が少しだけ崩されることが「ゆらぎ」であると解釈することができます。
要するに、「ゆらぎがある」とは、一本調子ではなく、「秩序」と「無秩序」の両方が含まれているとい意味です。
 私達の身の回りには、自然の作り出す「ゆらぎ」が多く存在しています。周波数ごとに波の強さを調べると、ゆらぎの変化の度合いを知ることができますが、1/fというゆらぎが含まれているものが、特に人間にとって心地良いゆらぎである言われています。1/fのゆらぎは、秩序と無秩序のバランスを示す言葉ですが、たとえば、人間の鼓動や、川のせせらぎは、1/fのゆらぎの特性をそなえています。また、気温の変化や年輪なども1/fのゆらぎの特性をそなえています。
音楽ではモーツアルトなどクラシック曲が、1/fのゆらぎの特性を示すといわれています。ロックなど激しい感じの曲は、1/fのゆらぎよりもゆらぎが大きくなります。環境 音楽など穏やかな曲では、1/fのゆらぎよりもゆらぎが小さくなります。
 
音楽を人間以外のものに聞かせる試み
人間が音楽を聴く場合には、心が和む、高揚するなど様々な心理的効果が期待できます。音楽療法でも、心身の健康維持、改善を期待して高齢者等に音楽を聴かせるということが行われます。
このような効果は人間以外のもの、たとえば、動物、植物、有機物などに対しても期待できるのでしょうか?
このような期待のもと、音楽を人間以外のものに聞かせるということが行われています。
人間以外のものに音楽を聞かせる場合は、スピーカーから音を流して聞かせるというよりは、音楽を振動として、対象に与えるということが行われます。
 
お酒に音楽を聞かせる

宇奈月ビール

日本酒や焼酎の桶やワインのタンクに音楽による振動を与えて、醸造を行うという実験や商品化が行われています。
お酒やパンなどの発酵は、酵母菌という生物を介して行われます。このため「音楽による振動が、酵母菌の活動に影響を与え、酒類の品質を向上させるのではないか」というアイデアがベースになっています。この際に使用されるのは、もちろん、前述したモーツアルト等の1/fのゆらぎの特性を示すクラシック音楽です。製品にはモーツアルト酒のような名前がつけられています。 上の写真の宇奈月ビールもモーツアルトを聞かせて作ったものらしいです。
ちなみに、同様のことは、酒類だけでなく、醤油でも行われているようです。
 
動物や植物に音楽を聞かせる
酒類と同様のアイデアで、モーツアルトを聞かせた牛の牛乳を販売している牧場や、音楽を聞かせて育てた野菜を販売している農家があります。牛の場合は、菌や野菜に比べてずいぶんと人間に近いですから、なにか情緒的な効果が期待できるかもしれません。野菜の場合は、振動の影響で、野菜が吸い上げる水分が増えるのではないか等、色々なことが言われているようです。
人間以外のものに音楽を聞かせて効果があるか、ということについて、色々な人が色々な実験をしていて、ネット上に結果が公開されているものもあります。糖度など具体的な数値を示しているものもありますが、美味しくなったかどうかは、その人の気持ちしだいというところでしょうか・・・。