ロボット漫才

   
 

介護施設でのレクリエーションなどでご覧ください。高齢者の「あるある」をテーマに、2体のロボット「太郎と花子」が漫才をします。

 
ちょい悪と老害
 

 
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ネタ一覧

 
  (太郎)どうも、みなさん。今から漫才をさせていただく、ロボットの太郎と花子です。昔は、これでもちょっとやんちゃやった太郎です。
(花子)昔からおしとやかやった相方の花子です。
(太郎)いやああ、今日のお客さんはけっこうハイカラな人が多いね。
(花子)そうやね。ちょい悪な感じで、若い人らに負けてへんね。
(太郎)せやね。レザージャケットなんか着て決めたはる人がおるね。いうても僕もね、今年は「ちょい悪おやじ」って言われるのを目指してるねんで。
(花子)あんたが?何いうてんの。いつも悪いことばっかりしてるくせに。楽屋で私のお弁当を盗み食いしたり、歳をごまかして、デイサービスに行ったり、ろくなことせんやんか。ちょい悪ゆうのは、ちょっと不良っぽい感じで、ファッションや遊び方にこだわる人のことやで。
(太郎)わかってるがな。せやから今日はサングラスかけてるやろ。頭のいい優等生より、ちょっと素行が悪い奴のほうがもてんねんで。
(花子)なにいうてんのんな。あんたが悪いんは、顔と頭やろ。あ、態度も悪いねんな。
ちょい悪より、老害って言われんように気ぃつけや。
(太郎)なんやあ。そんな失礼なこと言うなんて、君こそ老害の「気」があるんちゃうか。
(花子)私のどこが老害なんよ?
(太郎)たとえば、おんなじ話を何回も繰り返して言うゆうのは、老害の兆候やねんで。君、午前中も別の演芸場でまったくおんなじ話してたやろ。
(花子)そら、おんなじネタしてんねんから、おんなじ話になるやろ。それを言うんやったら、あんたもまったく同じ話してたやんか。
(太郎)それは君に言われて、しょうがなしに話をあわせてただけや。そもそも、君はいつも僕に文句ばっかり言うてるけど、いろんなことに対して文句が多いゆうのんのも、老害の兆候なんやで。
(花子)あんたに文句ばっかりいうんは、あんたの出来が悪いからやで。
(太郎)ほら。そういうとこやで。僕は老害の被害者やねん。あと、老害は自慢話とか武勇伝もいっぱい言うらしいで。君、「明石家さんま」を育てて世にだしたのは私やってゆうてたやろ。
(花子)すんません。それはちょっと言いすぎてました。町でみかけてサインをもらったことがあるだけです。
(太郎)とうとう白状したな、この老害!老害にならんためには、常に謙虚な態度が大切やで。上から目線はあかんねんで。君は、聞かれてもせんのにアドバイスしたりするやろ?典型的な老害やで。もうちょっと「ま」をとったほうがいいとか、大きな声で活舌をよくとか、よけいなお世話やで。
(花子)それは、アドバイスやなしに、苦情や。あんたみたいにひとになんくせばっかりつけるんは、やっぱり老害やで。あんたみたいな老害とは一緒にやってられんわ。もうやめさしてもらうわ。