研究テーマ->メディアアート->メディアアートについて->筐体・フレームの自作->カットと穴あけ
メディアアートの作品やロボットのボディに使用する筐体・フレームについて紹介します。  
CNC
CNCという機械を使うと、CADソフトで作成した図面を読み込み、その図面通りに素材をカットしたり、穴をあけたりできるようになります。精度はCNCの機械によって異なりますが、手作業で行うのとは比べ物にならないくらい正確です。私は、オリジナルマインドという会社のCNCを使用しています。
木やアクリルなど柔らかい素材ほどはやくカットできます。アルミなど堅い素材は加工に時間がかかります。カーボンなど堅い素材でも可能ですが、時間がかかるのと、カーボンは健康上の問題があるため、まだ加工したことはありません。(カーボンは切削時にでてくる粉を絶対に吸い込んではいけません。)
CNCの機械は単体では動かないので、別にパソコンを用意する必要があります。もちろん、CNCを動かすためのソフトウェアも必要です。
CNCの機械は20万くらいしますから、これを個人で買うのは勇気がいります。そのような人のために、CAD図面を送ると、CNCで加工したものを送り返してくれる「アルミ切削サービス」を行っている会社がいくつかあります。

下の左のような図面を作成して、CNCの機械に入れると、右のようにアルミ板を切削してくれます。

CADによるパーツデザイン
CNC を使用するには、CADでパーツをデザインして、最終的に拡張子がDXFのファイルを作成しなければなりません。
下記で、非常に簡単に流れを説明していますが、使用するソフトによって、若干流れが変わる可能性があります。
まず、下図のようにパーツをデザインします。

次にアルミ板の上にどのようにパーツを乗せるかを考えます。なので、同じ平面上にパーツを並べていく作業になります。この作業をアセンブリと言います。

アセンブリしたデータから、図面を作成します。図面をDXFで書き出せば、CADによるデザインの工程は終了です。

CADデータからCNC用のデータを作成する
CNCの機械で直接DXFファイルを読み込むことはできません。DXFファイルは言ってみれば図面のファイルですが、CNCに必要なのは、刃をどのように動かして、板を切っていくかという一連の命令です。たとえば、刃をX座標10、Y座標20の位置から、X座標20、Y座標30に向かって動かしていけ、などのことが必要になります。
一般的なCNCの機械は、Gコードというデータで動きが制御されています。なので、DXFからGコードのデータを作成する必要があります。
上記を行うには幾つかのソフトがあります。
下記ではJIMMツールというソフトの場合について説明します。
DXFデータを読み込むと、CNCの切削板上に投影した形で、上からみた図が表示されます。線が二重にみえるのは、CNCの刃に幅があるためです。
下の例では、2つのパーツを近接して配置していますが、通常、刃の幅を考慮して、3mmくらいは離して配置します。(理屈の上では、刃の幅だけ離して配置すればいいのです。)

刃の幅や、刃を動かす速度を設定します。素材がアルミのように堅いものの場合、あまり刃を速く動かしすぎると、刃がおれます。CNCの刃のことはエンドミルと呼びます。

Gコードを作成する際に、刃がどのように動くかのシミュレーション画面を表示することもできます。

切削を行う
CNCの機械に接続したパソコンに切削用のデータを読み込みます。
CNCを動かすためのソフトウェアには幾つかの種類があります。

CNCの切削面には、捨て板と呼ばれる板をつけます。

この上に、アルミ板などの切削したい素材を両面テープで貼り付けます。
アルミ等を切断する場合は、切削油といって、刃が痛まないように、機械油を切削しているところに流したりします。(私は面倒なので、最初に板全体に油を塗っておきます。)