島原の旅
いざ島原へ
長崎市内から島原へ行こうと決意したのはわけがあった。しばしば営業で島原方面へ行くことのあった私は、島原の長い一本道を走っていた。赤土の畑を抜けると、しばらくして青々した緑を見た。道の左右に青々した稲が一面に植えられていた。
「うーん、田舎だ」
左右を見回しても、稲稲稲。 秋が来ればここは緑から黄色にかわっていくのだろう。 何もない平たい感じが、市内と異なり気分がいい。 遠くには山が見える。家と家の空間がこんなにも広い。 良く見ると、道路に並走して線路が走っている。 何線が走っている線路なのだろうか? そう思いながら車を走らせていると、黄色い1両の電車が通り過ぎた。
「あれだ!」
しかし運転中であり、しっかりとは見えない。信号に捕まった私は、その日その電車を見ることはなかった。印象に残ったのは、黄色いボディが緑の稲に良く映えていたことである。 帰宅後、謎の黄色い単線を調べてみた。 「島原鉄道」と言うらしい。 まずはHPを見てみる。 どうやら島原鉄道は そして、だいたい1時間に1本ほどのダイヤで運行している。 海辺を走りながら島原港へと走る電車であり、そのうちの「大三東」という駅は「日本で一番海に近い駅」と言われているようだ。 そこで今回の旅先として「島原」へ行くことが決まった。 ひとまずの目的は、島鉄に乗り「島原駅」と「大三東駅」へいくこと。これだけだ。島原への道のり
島原鉄道に乗るにはまず諫早に出る必要があった。 シーサイドライナーという電車に乗り、諫早へと向かう。 諫早は比較的大きな、そして綺麗な駅であった。 しかし、目的は島原鉄道! 乗換表示に従いながら、足早に島鉄乗り場へ向かった。 乗り場には、駅員の方がおり、券売機があった。 しかし、券売機が壊れており、駅員さんはおばあさんの対応に追われている。 しかも、時間がかかりそう。 島鉄に1時間以上乗ることが分かっていた私は、なるべく電車にも座りたい気持ちがあって 早く乗り場に行きたくて焦っていたのだった。 慌てて色々調べてみると、どうやら車内でも乗車券が買えるようである。 「よし、それでいこう!」 私は券売機をスル―して乗り場へ向かった。
電車ははすぐには来ず、ホームでしばらく待った。 何人かが集まってきた頃に、電車がホームへはいってきた。 まさに、車で一瞬見た黄色のあの電車であった。一車両の真っ黄色名可愛い電車だ。 乗り込む際には、切符を出す必要はなかった(と記憶している)。 乗って電車が発車して、駅員さんがやってきて、その人に行き先を告げて切符をもらう。 ひとまず、大三東駅寄りも先の、南島原駅へ行ってそこから島原駅まで歩いていく予定であった。そのため、今回は駅員さんに南島原まで行きたいことを伝えた。 すると、その場で紙にパチパチと穴をあけ、日付と行き先と切符代のわかる切符をくれた。 初めて見たタイプの切符であり、券売機で買う切符とは違った特別感があった。電車賃は、なかなか良い値段・・・

南島原へ向かうまでの道のりは、のどかでのんびりしている。 途中のしばらくは、緑の田んぼの側を走っていた。 時々、途中で学生らしき子たちが電車を降りていく。

晴れているので、車窓を見ていても飽きない。 ミラーに映った黄色い電車を激写してみたり。

そんなこんなで数十分ほど乗っていただろうか。田んぼを抜けて、電車が海沿いを走りだした。海は潮がかなりひいていたが、気持ちの良い景色が続いた。

南島原へ行くには、途中で大三東駅も通り過ぎるが、その時の写真は後半で載せることにする。
さて、島鉄に乗って1時間ほど。南島原駅に着いた。 そこまで乗っている人は私ともう2人ほどしかいなかった。 降りてみると、そこは黄色の島鉄がそこかしこに停まっていた。 中には黄色でない電車もあった。どうやらここは車庫になっているようである。 島鉄好きには思う存分、停まっている島鉄を拝めるポイントである。

色んなペイントがあって、ここに注目してみても面白い。しかし、描かれているキャラクターが何かは全く分からない。


電車観察を終え、次の行き先を決める。島原駅まで歩くことは決めていたが、途中でどこか観光ポイントはないかを調べてみる。 すると。途中に「かんざらし」が有名なお店があることを発見。 様々お店は出てきたが、あるかんざらしのお店へ行くことに決めた。
南島原から歩く。住宅街に静かに線路がある。

しばらく歩いて、かんざらしをいただく。程良い甘さ。かんざらしもコーヒーもおいしい。

かんざらしを食べた後は、島原駅を目指す。島原駅には鯉が泳ぐ街、と言われるエリアと島原城と、おいしい具雑煮のお店があるようなので、そこに行けたらいいなという気持ちで歩く。そこそこ歩いた記憶があるが、歩けない距離ではない。
具雑煮。土日休みもあって非常にお昼時混んでいた。しかし、一人であったのでカウンターにすぐに通してもらえた。だが、二人以上のお客さんはかなり待っていた。具雑煮は、美味でした。

さて、鯉の泳ぐ街へ向かう。歩いている途中、温泉が湧き出ていた! しかも、飲めるみたい。すくって、飲んでみたけれど味はよくわからなかった。美味しくもまずくもない。

鯉の泳ぐ街。驚くべきなのは、普通の水路に鯉が泳いでいる。とても不思議な光景だけど、風景に鯉が溶け込んでいる。島原に行くなら是非歩いてほしい。

島原城に寄る。城内は、隠れキリシタン関係の展示など、非常に興味深かった。一番上まで登った景色はなかなか良い。風は強いので、帽子注意!



帰りは島原から島鉄に乗る。降りる駅は日本で一番海の近い駅、「大三東駅」。
大三東について、電車を降りる。一時間一本くらいのダイヤの島鉄なので、一時間は時間が余る。その間、写真を撮って時間を潰す。
大三東駅の景色の写真
ベンチがいい雰囲気を演出している




海はこんなに近い。満潮の時は、もっと近くなるらしい。

駅は小屋のような形。

黄色のハンカチ


駅の写真を撮っているうちに電車が来た。ミラーに上手く黄色いハンカチをうつしこませる

帰りの電車も入ってきたので、その電車に乗って旅は終了。
島原、良い街でした。
