生きのびるための事務
/ 坂口恭平 , 道草晴子(絵)


生きのびるための事務

「芸術家でも誰でも、事務作業を疎かにしては何も成し遂げられない。
夢を現実にするたった一つの技術、それが《事務》です。」
1ページ6分割のゆるーいマンガで「事務」についてのお話です。
どうも原作者の実話ベースの物語らしく、豪快な展開に魅了されます。
優秀な事務員・ジムとの対話での学びが刺激的ですが、実は物事に挑戦する際
に必要な事をシンプルに教えてくれます。まず共感したのは「失敗したことが
ないのに何故失敗するとわかるのか?」などは、一考の価値ありです。実際は
「前例が無い(あるいは少ない)」からという理由で「失敗する」と無責任に
言う人が多いのも事実です。僕自身も多くのことは「やってみないと分からな
い」と思っています。

この本では「やり方が正しければ、うまくいく」って主張しています。「どう
せ最後はうまくいく」がネタバレですが、この本の結論だったりします。まぁ、
うまくいくまで止めないとそうなりますよね?(笑)最終的にはうまく行くま
でやり続ける時間と労力とお金なんですが、それらを何とかするのが「事務」
の役割という話です。(本当は「運」の割合も大きいと思っています)
もうひとつ「夢」を現実にするために現在と10年後の一日のタイムテーブル
を作成して「やりたいこと」を把握するっていいなって思いました。タイムテ
ーブルを変えていくために何をやればいいのかを考えると夢の実現に近づくと
いう寸法です。

あと驚いたのは、作者の坂口恭平さんって熊本出身だったことです。
明治の昔から、熊本出身の芸術家って東京でダメだったらパリとかニューヨー
クへ行くパターンが多いなって思っていたんですが、この方もパリやブリュッ
セルへお金もないのに出かけて、いろんなコネクションを得てバンクーバーで
芸術家として成功したようです。現在は熊本へ帰った(熊本へ帰る人も多いの
も傾向かも?)ようですが、この行動力は見習いたいです。

2025年6月1日

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