国道308号線暗越奈良街道

趣のある石畳の残る奈良街道暗峠付近

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大阪と奈良を最短距離で結ぶ古道で、江戸時代には伊勢参りの大坂からのメインルートとして栄え、暗峠付近には旅籠や茶屋が立ち並んでいたという。今でも峠付近には昔ながらの石畳が残っている。現在この街道は国道308号線となっているが、東大阪の枚岡の辺りから暗峠、近鉄南生駒を経て奈良の尼ヶ辻の辺りまではほぼ昔の雰囲気そのまま1車線の道が残っている。

沿道には古墳や古刹など史跡が数多くあって、特に生駒山中には修験道の行場がたくさんあったせいか、役の行者の伝説が残る慈光寺や弘法の水が湧くという太子堂などがある。

またこの道は松尾芭蕉が生前最後の旅路として通った道としても有名で、芭蕉は元禄799日重陽の節句に日に暗峠を越え、その1ヵ月後に大坂で亡くなった。枚岡公園には、「菊の香にくらがり登る節句かな」の句碑が立っている。


 実走レポート

走行日 2000318

Qラリーが早く終わったので月ケ瀬から奈良に抜け、尼ヶ辻付近から国道308号に入った。

 しばらく走り市街地を抜けると、田んぼの中をほぼ1直線の道が伸びていて、いかにも昔の古道という雰囲気になってくる。

 道は第2阪奈道路をまたいでその後山中に入る。しばらくいくと追分梅林があって、多くの人で賑っていた。

 南生駒駅の手前で道は一旦途切れるが、南生駒駅を越えると再び古道の面影が出てくる。道は急な登り坂になり林の中を抜けていく。道幅はほとんど1車線でハイカーの数も多いので注意しながら走る。

 信貴生駒スカイラインのガードを潜ると石畳の道になり暗峠をはさんで100mほど石畳の道が続き、まるで江戸時代そのままの風景が残っているのには驚いた。


 峠を越え大阪府側に入ると、道が細いうえ急な下り坂が続き、はっきりいって大型バイクで走るのは少々苦しい。ローギア-で恐る恐る降りてゆく。

しばらく走ると太子堂があって、弘法の水をくみに来ている人がたくさんいた。

 余談になるが、この道は古い版の昭文社のツーリングマップルでは、お勧めルートとなっていて写真付きで紹介されているが、最近の新しいツーリングマップルでは、お勧めルートではなくなっている。やはりこの狭さが原因か。できれば小さなバイクでゆっくり走るべき道だ。


 やがて道は枚岡公園を抜け、近鉄奈良線のガードを越えて、国道170号との交差点に達するが、ここで国道308号は終点になる。そのまま交差点を直進して、中央環状線まで出て、長田ランプから阪神高速に乗って家に帰った。

 

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