お地蔵さま 2008/03/09




千葉県内で定点観察を続けている地域がいくつかあります。常に同じ場所、同じ向きにカメラを据えて、時間の流れを記録しています。春の芽吹き、新緑から盛夏へ、そして秋・・・季節が変わると風景は一変します。人の手による変化、開発や造成でも風景は変わります。耕作放棄された田畑が次第に荒れていく様子は心が痛みます。近いうちにこうした記録も紹介したいと考えています。
そうした撮影の帰り道、一体のお地蔵さまと出会いました。
ここは、これまで何度となく通った道なのですが、ここにお地蔵さまがいらっしゃることは今日まで気が付きませんでした。よく見ると、首から上は新しく作られたもののようです。落石の多い地域なので、もしかするとお地蔵さまも被害にあわれたのかもしれません。
お地蔵さまは暖かそうな毛糸の帽子と前かけをしていらっしゃいました。誰かがお地蔵さまのために作ったのでしょう。「冬の北風じゃあ、お地蔵さまだって寒かろう、せめて帽子くらい被せてあげなきゃ・・・」そんなやさしい思いと声が聞こえてきそうです。
最近は、地球規模の環境問題からローカルな問題まで暗い話題が多く、調べれば調べるほど気が滅入ってきます。しかし、こうしたいたわりの気持ちが人々の心に残っている間は、悲観するのは早計なのかもしれません。


小春日和の和かな日ざしがお地蔵さまの笑顔を照らし出していました。(2008.03.09取材)

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