YOSEMITE CLIMBING 報 告 書

                

期間 1998 5/30〜6/07

メンバー 桝本杉人 小林毅

1年に1回は、何処か海外の山にクライミングに行こう!と言う事で始まった大学のOB仲間の第2弾の山行。今年は、去年メラ・ピークにスキーしに行って沢山休んでしまったので、短い休みで、南の島の山に行こうと言う事になっていたのだが、室内壁でクライミングしたり雑誌を観たりしているうちに、ヨセミテ話しが持ち上がった。どうせ海外行くなら、やっぱり岩に登りたい。歳をとってもクライミングに対する情熱は、すぐ燃え上がってくる。心の底まで植え付けられた本能みたいなものだ。

思い立ったら吉日、こうしてヨセミテへの道がスタートした。振り返れば20年位昔、当時はヨセミテ詣でが流行りであったのに背を向けてヨーロッパでクライミングの洗礼を受けた私であったが、今ごろになってアメリカへ渡るのも、なにかの巡り会わせと言うものだろう...

5/30

成田17:00発サンノゼ行きに乗り込む、定刻通りフライト、外は何時までたっても日が射しているようだ。到着も定刻通りに朝10ごろ到着、時差の為、寝不足でフラフラしながらイミグレと関税を通り抜けるのだが、どちらもアメリカは、けっこう厳しい、色々質問された。空港で日本で予約しておいたレンタカーを借り一路ヨセミテへ、まずは、運転練習でサンノゼの周りをいったりきたり、左ハンドルと右側通行になれるまで、結構てまどる。運転にも、いくらか慣れたころハイウエーにくりだす、周りは凄いスピードだ!おまけに後ろからは軍艦のようなコンボイが迫ってくる。

途中、何度か道を間違えたり、セルフサービスのガソリンにスタンドにてまどったりしながらも、慣れてくると色々な歌がとびだす、当然、一曲めは「カリフォルニアの青い空」それからイーグルスナンバー、バーズのグラム・パースンナンバーあたりなると気分は最高に達する、リンダ・ロンシュタットの歌も流れる。ヨセミテ手前のメラパソに17:00頃着、まだ30日が終わっていない、長い一日だ。小さいが奇麗なモーテルにスティ

5/31

ここから、ヨセミテまでは約1時間だったが夢のような景色が広がった。この美しさは、心の中から、争いや憎しみ悲しみを癒し、敬虔で厳かな気持ちにさせてしまう、そう宗教画のような世界だ、頭のどこかでアメイジング・グレイスが鳴り響く....

ヨセミテでは、他の施設に目をくれず夢にまでみたサニーサイドへ、キャンプ申し込みをすると運が良かったのか、日曜の朝のためか順番待ちなしでチェックインできた。それから4日ほどはフルの立て札がでていたので、やはり運が良かったのだろう、普通の朝は、かなり早くからキャンプをするものがキャンプ許可をもらうのに並んでいる。

昼飯もほどほどに、すぐにスワンスラブへと向かう、ついたその日でも登れる天気であれば、バンバン登る。身にしみついた先輩からの教育とは恐ろしいもので20年経ったいまでも染み付いている。こうして40歳になっても元気に登れるのは、大学現役時代にシゴいてくださった先輩のおかげの賜物だ、改めて多謝

1P 小林リードで、無名クラック5.9〜5.7lb

2P 桝本リード スラブ 5.9

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1P 小林リード チムニー 5.8

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1P  桝本リード フレイク 5.6lb

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1P 小林リード フレイク 5.6hand

2P 桝本リード 5.6

いずれのルートも終了地点からハーフドームが見えて素晴らしい

6/01

シャトルバスにて人気のエリアChurch Bowlへ、バスから下りて10分程で岩場へ、しかし、なんだか薄暗い所だ、おまけに蚊が異常に多い、インターネットで情報集めした時、取り付きに蚊が多いと聞いてはいたが、本当であった。小林、桝本とも確保するのが嫌で、結局ジャンケンでリードを決めたが負けた小林が確保する事となり、蚊に纏われながらの辛い確保となった

1P Uncle Fanny 5.7 桝本リードなかなか面白いルート

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1P Bishop's Terrace5.6~5.8 人気のルートに小林取り付くが先行パーティが時間かかっているので、あきらめてラッペルする

1P 隣の無名クラック小林リード、けっこうえぐかった

二人とも蚊にめげて、次のエリアへ

Yosemite Falls Areaへ

Munginellaを2Pまで登ってラッペル、1P小林 2P桝本 眺めが最高の良いルトーだ、滝の飛沫が、離れたここまで飛んでくる。大きい滝だ。ハーフドームの取り付きには大分雪が残っている。またスラブにも部分的に雪が着いているので、取り付いたパーティは苦労しているだろう

6/02

雨が降りそうな中、Manure Pile Buttressへ、アプローチを間違って熊がでそうな薮を彷徨って、やっと取り付きへ、そのころから雨が本格的に降りだす。それでも諦めきれない我々は、恨めしそうに空を見上げながら待つが、回復の見込みがないので退散する

この日は、リコンファームをすませた後、休養にあてる

6/03

やはり朝から雨が降りそうだったので、早めにスワンスラブに行く、岩場は、霧雨で湿っているが、無理して登る

1P 小林リード スラブ 5.6位だが、ずるずるでとても怖かった

その後、雨が激しくなってきたので、登山用品を買いにいったり観光をした。午後遅くなり、天候が回復してきたのでクライミングを再開

1P クラックからフェース 小林リード これも、けっこうズルズルで怖かった、ノーピンの所は右にまいたが、フォローの桝本は直上して登ってきた

この後5.7の、ノーピンスラブで、度胸試しゴッコなどをしながら遊ぶ

この日の最後に、Penthouse Cracks(5.9+)を、苦労して登るが登り着いたテラスが、恐ろしいコケで、これには参った! 沢登りの大嫌いな私はコケを触っただけで、ゾクゾクしてしまう、はやく下りたいのだが、支点がないぞ、「桝本どうにかしろ、ううぅぅぅ・・・・・」

6/04 朝から晴れたので、車でManure Pile Buttressに行く、そして一気にAfter Six(7Pルート)を1時間45分で登りきる。難易度は高くないものの素晴らしいルートだった。登りながら、ふと昔の思いでなどに浸る。普段、街暮らしでは思い出す事の少なくなった昔のクライミング、それが走馬灯のように巡る。エル・キャピタンをバックに何処までも青い空、その時私は風になった。

ヨセミテ暮しもいよいよ終わりだ、天気も半分は雨だし、初めての事で要領も悪い部分も大分あったが、それでも楽しめた日々であった。テントを撤収しチェックアウトをすませて、帰りは120国道を走る。この道も

素晴らしい景色の道だ、マンテカのモーテル泊まり

6/05

サンフランシスコのチャイナタウンを回ってサンノゼまで帰る、都会の運転は必死だ!今度は、観光でのんびり訪れてみたい街である

(頭の中に、”サンフランシスコのチャイナタウン”の歌がこびりついて離れない)

6/06

無事フライト

6/07

成田15:30に帰国

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今回は、1週間の短い期間と言う事もあり、さわりのさわりで終わってしまったが、今後、ヨセミテに行く方のために、ささやかながら反省をこめて、少し書いてみます。参考になれば幸いです。

※ レンタカー

長逗留なら別だが、短い期間であればアメリカは絶対車の方が便利だ。日本で予約していけば、現地では保険の交渉程度で利用できる。ただしクレジットカードは必携だ。ガソリンはエコミー車なら満タンで$20ぐらいか、セルフサービスも初めは手間取ったが、「わからないので教えて」と言えば親切に教えてくれる。ガスもカードがあったほうが便利だ。ヨセミテまでは、SFあるいはSJからなら給油なしに行けるが、やはり一回は、給油しておいたほうが安心だろう。信号は赤でも右折できるところもあるので注意したい。(コンパスはハイウエイで役にたつ)

※ 道はヨセミテまで3本の国道が走っている。一番ちかいのは120号だが、山道なのでアメリカの運転に不慣れな方や、日本で山道の経験の少ない方は、行きには注意が必要だ。(景色は、気分は天国なのだが)

やはり一般的なのは140号だと思う

※ クライミングギア

大きなルートを登らないのであれば、日本人の体重を考えれば10.5mmX50mと9mmX50mがあれば十分だと思う。キャメロット2セット、ロックス1セットで大体のルートは登れるし、日本から大きい荷物を持って行くのが嫌であれば現地のアウトドアショップですべてそろう(釣り道具も良いのがあるぞ)

※ ウェア

悪天の時や、夜は寒いので、せめてセーターかフリースは必要だ。もちろん雨具も用意したい

※ 熊

これは、マジで危険だ!!車のドアなんか簡単に破壊する。食料は絶対に車におかずに、決められた鉄のフードラックにカギを掛けて保存する事

※ 蚊

取り付きには、意外に多いので、防虫スプレーか防虫クリームを携帯する事を御薦めする

※ 会計

航空券 成田〜サンノゼ二人で¥131100

    レンタカー 一週間 ¥40000

    キャンプ1人1日  $3

    

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