・裏切り?

 「真剣にやってます!」で少し触れているのですが、僕は今年の1月から4月の半ばまで派遣にいっていたため、本社からは離れていました。
 で、その間に同じ職場で一緒にやってきた、僕より3ヶ月遅れで入社の同僚と、上司(SE)が会社を辞めていたのです。併せて直上司も完全外注化ということで社内にはほとんど顔を出さなくなってました。

 私が普段勤めている職場は本社の中でも少し隔離された場所にあり、他部署からは異質な空間として扱われる部署です。だからこそ、その中で行われている業務はもちろんのこと人間関係というのも他からははっきりと見えないところが多いです。下手をすれば誰がいるのかさえわかっていない社員すら多いかも知れません。基本的にうちの会社は他部署の業務に関しては全くの無関心というのが長かったせいもありますが。。

 うちの部署(部屋)は他部署の人間に与える印象としてアルバイト・社員問わず仲がよく、他部署に比べても厳しいとも思われる労働時間の中で長時間一緒にいる、という感じらしいです。(ごく一部から聞いた意見ですが)

 で、話を戻して、その同僚と上司達が会社を辞めた事は社内外問わず辞めるタイミングみんなには挨拶があったわけで、みんなが知っていたわけです。一人を除いては。
 彼らが辞める時、私は社外(派遣先)にいました。彼らが辞めたのは3
月。私が本社に戻ったのは4月半ばだったわけで、私は本社に戻るまで彼らが辞めたことを知らされることはありませんでした。

 会社としては「それなりのSE」と厳しい部署というか、社内ではブラックボックス的に扱われていた部署であるために「他に出来る人間がいない仕事をする同僚とそのリーダ」が辞める(た)ということで「それなりに問題」になっていました。

 彼らが会社を辞めた後にも私は派遣先から普通に連絡を取り合っていたわけですが、その中でも彼らから伝えられることはありませんでした。他の本社の人間ともプライベートな話をするために連絡をとってましたが、教えられませんでした。
 
 本社に戻ったその日の朝、彼らがいないことに特に私は疑問に思わなかったのです。同僚は時々遅刻をする子だったし、上司に至っては朝からまともに会社にいるイメージの方が少なかったので。お偉方にとりあえず本社復帰の挨拶に伺った時、常務に特別呼び出しを受け、その場で彼らが辞めたことを正式に聞いたのが初めてでした。


 ショックはきつかったです。


期間としては短いものだったかも知れません。1年半に満たないぐらいの時間しか一緒には過ごしていません。が、その間はほんと長い時間をともに過ごしてきました。今でこそ忙しい時でも週一の休みは確保していますが、彼らと一緒にやっていた時はまともな休みなんて無かったといってもいい。休みといっても会社に来て何かしらやっていたり、たまに一緒に遊びに行ったり。業務時は特に徹夜も多く、それ以外でも常に一緒にいたわけだから。今年頭の派遣以外は派遣にだされることがあっても、同僚とはワンセットでだされていましたし。

今年頭の派遣に出ていた間も本社に戻れば
「〜な事をいっぱい話合おう!」
「〜な事を一緒に試してみよう!」
と色々考えていました。

だけに帰ってきて、聞かされたショックは大きかったです。

聞かされた当初は困惑しか浮かびませんでした。
彼らに取って、今の会社だけが仕事のフィールドではないことは前々からわかっていたことです。

同僚に至っては私の方がわずかに先輩であることを十二分に立ててくれる子で、私のわがままにつき合わされてホントつらいところが多かったとは思います。
 
 しかしまぁ・・・突然の事でこれからどうなるのかホントに焦りましたし、僕
がいない間にみんなの中で何があったのか、疑問だらけでした。
 周りの部署からは元々異質扱いであった訳だし、内輪の人間と思っていた人たちも(元々わかりにくい人たちだったのですがA ̄∇ ̄;)心底わからなくなったためかなりの孤立感だけが残りました。

「本当にここの人たちと自分は一緒にやってきたのだろうか?」

 答えは否だったのでしょう。。

彼らに取っては取るに足らない一業務、「私と一緒にやっていた(がんばっていた)」とは本気では言えないでしょうね。信頼も信用も本気では無かった。
少し悲しくなりましたが、泣き虫な自分にとっては珍しく涙も出ませんでした。少し呆れかえりましたがね。
 とりあえず目の前に残った仕事をつぶすので忙殺されたことも、深く考えずに過ごす手助けになりました。

 それから半年以上が過ぎまた今、現在の上司達と飲み行くことも多くなりました。中でも部署は違う人ですが、たまに飲みに行くと最終的には必ず仕事の話になってしまう悲しいお酒が好きな人がいます(爆)
 辞めたSEとも関わりが長くある人ですので、彼らが辞めた時から、幾度となく私とはそのことでセッションを持つようになったように感じます。

 で、先日も「今一緒の部署にいる上司」と「悲しいお酒が好きな上司」と三人で飲みに行きました。

その席の場で
「kazyu君が彼らが辞めることを全く知らされんままだったことを、許せて
るし、前と変わらず彼らを慕っていることが信じられない!!オレだったら許されへんわ!!」
 というようなことを言われました。

今更触れるようなことでもないように感じられる時間の過ぎ方なのですが、やはりそう思われてもおかしくはないと思う。
本社に戻ってすぐ他の子に
「聞いて絶対すぐ泣きついてくるとおもった」
と言われたし。

 他の人から見れば、やはり同じつらい部署にいる人間が裏切り行為に近いことをしていると見えるのは当然なんでしょうね。

 僕らは確かに短いようで長い時間を共有してきたし、それだけお互いを信用しつつ過ごしてきたとは思っています。が、決して依存しているわけではなかった。
また去っていくと決めた彼らの意志を僕がどうこう言うことは出来ないと思った。
どちらにせよ彼らが辞めることを僕はいつかは知ることになる。少し周りの人間より遅く知っただけのこと。
 周りから見れば、僕はみんなが知る前より先に話し合いがもたれていたり、とにかく先に知ってそうな存在であった思う。それが唯一知らない人、一番最後に知らされた人間。滑稽な事ですよね。ネタの一つになりました。
 決して今知らないわけではないのです。本社に戻ればすぐに知らされたことなんです。みんなより先に知っていたからと言って何か出来たわけではない。
 彼らが辞めた時、僕は派遣先ですごく不安定な状態にありました。
なら余計な不安や問題は抱えないようにと伝えられなかった気持ちもわかります。
自分の中ではそう決着をつけました。

 彼らの行為に対して全くシコリが無いわけではありません。こんな文を書いてる時点で、やはり周りが思うように少し悲しい思いをしたことは確かです。
聞かされた時すごいショックを受けたことは確かなんです。
 しかし、そんなこと一つで彼らを恨んだり、信じられなくなるような関係ではなかった。
 取るに足らない小さな現象の一つ。今まで彼らが僕のためにしてくれたこと、今なおしてくれていることを思う。小さな会社というフィールドを抜けたと言うだけのことを、それを知る知らないなんて事はどうでもいい。彼らとの関係はそ
んなものでは無かった。

 僕が今の会社を辞めてこの先彼らと関わることはより少なく、ほぼ皆無になるかも知れません。
 しかし彼らと過ごした時間は僕にとってはとても大切な時間になったことはこの先も変わることはない。
 
 僕にとっての次のフィールドでも同じような大切な仲間が出来ればいいなと思っています。