無沙汰っす!!!(3回目) ということでずいぶん更新してなかったのもあり、そろそろ更新しないとHP閉鎖されそうなので、昨年に途中まで書いてたぶんupします。 映画: 映画はあまり見ない人な様です。 リスト: ・lovers では ・lovers Heroを作成したスタッフが総力結集で再度作成された渾身のチャイ映画ということだそうです。よく一緒に映画に行く友達と見に行きました。 大阪で激しい地震が一晩に2度あったときです(9月中旬?)。その一度目の地震の時に丁度見ていたので、密閉空間(しかも5階)で地震にあうという結構な恐怖でした。でも地震が起きたとき、映画の場面がアクションシーンだったので「エフェクト?」とかってはじめは思ってました(^^ゞ 長く揺れたので少し恐慌おこした観客が出て行って一時上映中断なんてハプニングがあってちょっとした体験でした。 で、前置き長かったけど中身。 中国官吏の男とレジスタンス(反抗分子)の女、で、レジスタンスから内偵として中国官吏に身を置く男のお話。当然レジスタンス撲滅を狙う官吏と官廃絶(下克上)を狙うレジスタンスの壮大な喧嘩が話の中心に来ると思っていたのですが・・・ 会社の中国人に言わせればHeroの方が映像もストーリーもよかったそうなんですが、僕はHero観てないんで、映像とてもよかったです。チャイ映画独特のカンフーの動き?と最近のCGなどの混合で、すごい動きが表現されていたと思います。昔の「キョンシー」時代の動きを思い出しました。ダイナミックキョンシー達です。でもすごい映像よかったです。好きです。 ストーリーは途中までは結構好きでした。でもエンディングにビックリさせられました。 ・バイオハザード2 ミラ・ジョボビッチです。 結構好きです。なんで観に行ってみました。て、友達がタダ券持ってたからなだけなんだけどね。なんて言うのか、ストーリーも映像もたいしたことなかったです。 ミラめっちゃ強かったです。でも見せ場のアクションシーンのカメラワークというか、カット割りがすんごい気に入らなかったです。めまぐるしく角度変えて、何がなにやら訳わからなくなってました。 前作から何時間後かのお話しということですが、ラストも続編をほのめかす終わり勝たしてます。これでまだやるんか?って感じでした。 結構ハズレです。 ・ラストサムライ ビデオです。かっこいかったです。渡辺謙。。 で、完全に侍世界がなくなる、近代化がはじまったころの武士の最後の抵抗を描いてます。当然歴史よろしく侍が負ける訳ですが・・ ハリウッドのくせに日本語日本語。。 「大村」役やってた人って有名な映画監督らしいですね。 是非見てください。 ・イノセント 劇場に観に行ってます。上期だったんですけど、前回に書くの忘れてました。 てことで、アニメよろしく日本警察・公安9課の面々のお話です。 アニメーションの中のCGとしてはものすごい美しいです。 本: さてさて本もそれなりに読んだのだけど、ちょい仕事がきつくって勉強用とかはほとんど読まなかったですね。小説フィクション系が主。技術書・学術書とかビジネス書なんかは読むのに時間がかかりすぎるから今の環境ではつらいです。 かつ現実逃避できる小説に走りがちになっちゃうのは仕方ないですよね? いや、ホントに仕事忙しい上にちょい鬱入るぐらい複雑に混乱してる状況なんですよ(^^ゞ リスト ・魔術はささやく 宮部みゆき作品です。今はファンタジー系を書いてるそうですが、ミステリー作家として大成された方だそうで。。のメジャーになるきっかけとなった作品だそうです。電車の釣り広告とかでよく見る名前で、なのに全く読んだことはない(そんな作品いくらでもありますが)。 で、特に読みたい本もなく、技術書はMCSE取ってからは全く読む気が出てこないので、なんか小説でも読もうと思って本屋で適当に選んだ作品です。 催眠術を使った、連続性が見えない連続殺人の真相をって作品なんですが、事態はその殺人事件の真相があかされ、犯人が断定、happy ending。では終わりません。 自分の家族が裁かれかけるところから、逆に裁きにかかり、事件の真相は見え、その上で、自分の本当の家族を裁く判断を下さなければならない。 それがすごいなとおもいました。。へぇーーーーって。 ・理由 またもや宮部みゆき本です。 映画化もされているようでなかなかおもしろいです。 事件関係者へのインタビューとその時点での(または別時点もあり)回想を織り交ぜて最終的に真相を明らかにしていくという形式を取っています。 新しいかどうかは知らないけれど、今まで読んだ本でこの手法を取っていたものはありませんでしたが、いかんせん読むのに少し疲れました。 で、「魔術は〜」同様、全体的に壊れた家族を描いています。 事件自体は超高級元億ションで、四人の殺人が発生したことから始まるのですが、その四人が他人同士なんだけれど、占有屋として家族として疑似的に暮らしていたことが発覚します。この作品の中でもっとも壊れた家族の形ですね。 で、この高級マンションを取り巻く元々の住人、この占有屋四人の本当の家族、 不思議な家族愛情を描いた作品でした。 また作品が発表された当時がはやっていたのかどうかはしれないけど、こういったフィクション作品からも、様々な知識ゲットが可能だと改めて思いました。 占有屋、裁判所の競売物件なんてことがちょっとわかった気になれます。 フィクション書くためにもよく調査してから、書いてるだろうし、本以外から本当のことを何か調べたわけではないので、信じ込むのはどうかと思うけど、知識としてはおもしろく取得できたと思います。 すこししんどかったけど、よくできた作品だと思いますよ。 ・四日間の奇跡 兄の仕事の足に使われ駐車場での待ち時間に近所にでっかい本屋があったので寄ってみたら平積みされてたので、手に取った本でした。 本内の評にも書かれているのですが「このミス〜」大賞作品なんだけど、全然ミステリーぽくありません。 話は、ある将来有望であったピアニストがウィーン留学中に襲われていた日本人家族を助けようとして、銃で撃たれて指を無くします。で、その時おそわれてた家族も大人(親)二人は撃ち殺され、子供だけが助かります。で、指を無くして腐りかけてたピアニストが残された子供を引き取り、ともに生活が始まるわけですが、この子供というのが障害児で、生まれつきの脳障害があり、ちょっとした、サヴァン的な才能があります(別に自閉症では無かったと思いますが)。それが音楽の才能で、心の内側(?)では指を失った彼の代わりにピアノを弾き続けるという直向きな感情があったりします。 で、ピアニストの方はリハビリのつもりで音楽をさせ、人前に立たせるために、ボランティア的要素が強い演奏会にそこら中に慰問訪問のようなことをしてます。 物語の前半は上記イノセントよろしく、描写、描写で、それほど心理状態にふれません。でもぐっと読みいる、文章です。飽きさせません。一気に読んじゃいました。 また、この事件を通じての主役二人の成長というのも感じた、感情移入とは違う第三者として「よかったね」と言ってあげたくなる作品でした。 ミステリーというより、SFチックなというか、なんというかな内容なのだけども、それも後半に一気に訪れます。物語の中盤までは、背景描写、とそれまでの成り立ちを延々と書いてる。ミステリーとして動き出すのはホント中盤・終盤にさしかかるようなところでやっとです。でも飽きずに読める。 これすごいと思います。文句なくお勧めです。 また脳障害と脳の動き、んで現在の脳の働きに対する解明度なんてのも勉強になります。未だに脳障害や、自閉症を躁鬱のような、気分障害や情緒障害とはき違えてるような人は、是非読んでもらいたいものでもあります。 ・月の影 影の海(上・下) 十二国記シリーズです。アニメ化・ゲーム(NET)化されています。 アニメや映画で先に見た後に本で読むと頭の中のイメージがどうしてもアニメ化されてしまうのは仕方ないですねぇ・・・・ たからまええや。って感じなんですが、これは大人のエンターテイメントということでシリーズ一括りはやめて、個別に書こうと思います。 サーガ的要素が強いんですが、一時のことです。 十二国記シリーズはまず世界観がわからないことには、先に進まないんですが、世界はこの地球とは裏側(?)にある、十二の国しかない島(?)でのお話し。そちらでは、神がいて、天の定めた法律、大綱がり、実在として神、仙人、妖魔と云われるものがある、ファンタジーのお話しです。世界の雰囲気は中国風、実際漢字が使われており、その世界にこっちの世界から流されたりもするのですが、それも日本、中国に限られている。あっちの世界では日本は倭国、中国は漢国として表されています。 日本から流されてきた人は海から来るので、海客、中国はコンロン山に着くので山客と云われています。で、十二の国にはお互いの国への不可侵の大綱があり、王様は神仙で、王がいない間は、国に厄災、妖魔の跋扈を許すため、王の存在は「とても大切」というま、何が何やらな、ファンタジー世界でのお話しです。で王を選ぶのは世襲や、民主主義とは違い、麒麟と言われる神獣なわけですね・・・・十二の国と十二の王、十二の麒麟で構成される世界のお話しです。 ま、世界観はともかく、シリーズ通して、出てくる個人個人の個性とその成長が明確に描かれており、どこぞの「世界の中心〜」のような、盛り上がりもなければ台詞も望む言葉が出てくる(個人の個性とは関係ない言葉)だけのものとは大違いで、読み応えがありました。 アニメを先に見たのですが、アニメも相当原作に忠実に描かれています(台詞一つとっても)。だいたいがアニメ化するとOriginalストーリーが入り、くだらなくなることが多いのですが、これに関してはアニメも相当な見応えがありました。 が、やっぱり小説で読むほうが「なるほど」「そういうことね」と思えることが多くよかったです。 元々は少女小説というのがちょっと・・・ってところはあるのですが(^◇^;) ま、「ハリポタ」やら、「Road of The Ring」なんかで、大分ファンタジーも安易に受け止めれる風潮からすればさらに東洋的なこれは受け入れられやすいんじゃないかと思います。 で、前置き長くなりましたが内容。 「月の影 影の海」は十二国記一作目ということで、一応今後も話の主軸になって行くであろう、十二国の内の慶国の景女王が主人公です(十二国すべて漢字一文字で表され、その国主は同じ音をもった別の字で表されます。上記の景女王も同様、雁国の延王であったり、範国の氾王であったりと)。 日本の厳粛な(男尊女卑な)家庭に生まれ育った女子高生であった陽子を王として迎えに来た景麒(慶国の麒麟)だが、慶国の隣国である巧国の王が陽子を海客であるために、不可侵の大綱をやぶってまでも殺害を企むことにより、主人公は十二国に赴くも妖魔に狙われ、人から迫害され、騙され、裏切られ、を繰り返しつつ旅をします。その旅の中で主人公は自分が慶国の王だと知り、最後は王として立つ。 話が長いし、なんかまとめることはkazyuが苦手なのであらすじを書くことはここまでで(なんのこっちゃよくわからんだろうけど)。。。 この話で見るものはとことん陽子(主人公)の成長につきると思います。 日本にいるときも心から気を許せる人は誰もいない、誰にでもいい顔をし、波風を立てずに理想の子として過ごしてきた陽子を本気で心配し、帰還を望むものは誰もいない現実を宝重に見せつけられ、十二国では人に裏切られ、誰も信じず、媚びず、心を頑なにしていく。 --引用−− この世界の全てが陽子の死を願うというなら生き延びてみせる。元いた世界の全てが陽子の帰還を望まないなら帰ってみせる。 「誰も惜しまない命だから、自分だけは惜しんでやることにしたんだ」 「私は信じていないから裏切りようがない」 ------------ うーん。。素晴らしく卑屈です。でも好きです。こんな考え。人と自分を切り分けたときの一番初めにたどりつく可能性が大きい考えですよね。人は所詮一人。だから、自分への責任を自分で取る。その代わり好き勝手する。に近いです。 印象的です。 で、陽子は行き倒れたところをネズミの半獣の楽俊に助けられるだけど。 そのネズミとの旅の途中妖魔からの襲撃を受け楽俊は倒れる。陽子は妖魔を撃退し、楽俊を見捨ててその場から逃げる。 −−−−−−−−−引用−−−−−−− 追いつめられて誰も親切にしてくれないから、だから人を拒絶していいのか。善意を示してくれた相手を見捨てることの理由になるのか。絶対の善意でなければ、人に優しくすることができないのか。 −−−−−−−−−−− うんうん。。他者と自分を切り分けた後に、他者との付き合いについて考えること。それは「自分がどうあるべきか?どうありたいのか?」だと思う。 引用−−−−−−−− 陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることは何の関係もないはずだ。 −−−−−−−− だね。「人から信用されないと、人を信用しない」ってのは矮小で、結局自己に責任が無く、他者に求めるものの台詞だわ。ではなく、自分がどうありたいか?をさらに問いつめたとき、かつその答えに真・善を求めたら、自分を卑怯者としたくなければ考えることですよね。 引用−−−−−−−− 「・・・強くなりたい・・」 世界も他人も関係がない。胸を張って生きることができるように、強くなりたい。 ここで死んだら愚かで卑怯なままだ。死ぬことを受け入れることはそんな自分を許容することになることだ。そんな逃避は許さない。 −−−−−−−− で、成長の決定的な場面だと思います。 読んでよかったなぁ・・・とか。。 小野不由美さんの考えとか、ポリシーてのはしっかりしてるんだろうなぁって想像してしまう場面でした。元の卑怯で矮小な陽子も認め、成長していく過程をしっかり描けてると思いました。人間の汚さと弱さと、成長するきっかけとか。。 描けるのはすごいなと感じました。 とりあえずお勧め。 ・風の海 迷宮の岸 さて十二国記第二弾。。 小さな泰麒が泰王の選定についてどうするか?何をどう学ぶか?って話かな? えと、この巻は比較的感じることが少ないんですけど、最後泰王として選定された人物は文武ともに長け、人徳もあるとんでもない人物です。で、その人を選んだ泰麒も黒麒麟という、実はとんでもない麒麟って設定なんですけど、読んでる中では意識することはほとんどありません。タダひたすら小さく愛おしい泰麒とそれを育てる女仙、で、王になるべく昇山してきたもの達の話。 冷たい人間がいかに人に優しくなれるようになるか、何を意識するのか。優しい人に触れ学べるのか?それぐらいのことは書かれていたと思いますが。。 どちらかというと、十二国の世界に置いて、王と麒麟の有り様の説明巻とも言える巻でした。でもやっぱりおもしろかったりします(^^ゞ ・東の海神 西の滄海 で、これは雁国、延王と延麒のお話し。治世30年目、国も落ち着いてきた頃に反乱分子がでたので、その鎮圧の顛末(韻になってる(__;)です。 さてその反乱分子ですが、地方の州候(豪族のようなもの)です。王がいない間、周りが退廃する中、立派な治世を行い周りに比べれば豊かなところでした。が、王が出て国が落ち着いて栄えていく。その中でもとより豊かだったその地方はないがしろにされ、周りとの差が徐々に無くなり、その焦が反乱を起こしたのでした。 なんで、国が栄えて地域の貧富の差が埋まることに焦りが出るのか?要旨はそこにあります。 さてその統治をしていた州候、これが周りから観れば、素晴らしい人間で剛胆で公正で、素晴らしく「王に成るのにふさわしい」く見えるのですが、その中の人間の弱さを描いています。ものすごく単純な事です。 自分が恥じになるのに耐えられない、完璧主義者の矮小なプライドを持っていたのです。だから、麒麟が出ても自分が王の資格があるかどうかの選定を受けなかった。選定されなかったときの恥に耐える覚悟がないのです。たくさんのタレントに恵まれてもその小さな意味のないプライドは大抵人間をおとしめちゃいますよね。 ちょうど少し前に僕が今の仕事での役割に自信をなくし、このままではプロジェクト全体に影響が出ると考え役割の転換を申し出たとき、上司は「オマエのプライドは壊すぞ。みんなにその事実をそのまま話すぞ」とわざわざ言ってきました。 僕にとってはこのままプロジェクトが最悪の方向に向かう方がよっぽど怖いし、みんなの迷惑になるから、自分のプライドなんて考える事は無かったので、その台詞を聞いたときそんなどうでもいいことにこだわる上司がとても小さい人間に見えました。もちろん自分の悪いところがありその点を修正すればうまく動き出すかもしれない。でも修正するには自分でもとても時間がかかるとわかる。成功するかどうかもわからない。でもプロジェクト期間は限られてる。失敗はできない。だから、今は自分がその役割を降りることが大局から見た場合の適材適所に当たると考えたわけです。 小さなプライドにこだわると、大局が見えなくなる。些事にこだわり大局を最悪におとしめることは、世間でもよくあることなのだと思う。上司はIT業界としては多分なあらゆる方面の技術・知識を持ち合わせかつ実際のマネジメント能力もあると思うし、そういった面は素直に尊敬できる。でもあの人も同じように小さなプライドにこだわる、自分が本当に困った状態の時にそんな些事にこだわるだろうなと思ってしまいました。 自分の恥を見せない、守ることで、全体を壊す。くだらないこだわりで周りに多大な迷惑をかける。(小説の中ではたくさんの人死にも出ちゃいます。そら国家への反乱だからね) そんなことはあってはならないと思うけど、今まで出会った人でもそのプライドを持つ人は結構いる。最後には虚言癖にも近くなるぐらいの人も多かった。 実際に多いし、簡単に陥る人の「落とし穴」を描かれていたと思う。 自分にも当てはめ陥らないように、小さなこだわりじゃなく大局を見極める目を養おうと改めて考えた本でした。
さてこれは慶国景女王のお話に戻ります。登極(王になる)して、腐敗した官吏達の渦中に置かれ、国を治めるイロハが全くわからない女王は王としての自信をなくす。皆から蔑みの目で見られると感じ、王宮では誰も信頼できず、自分を不幸な不遇の王だと考えてしまい素。で、まず自分の弱さと無知を悟るため、一度王宮を離れ、市井で暮らす。その中で事件は起き、腐敗した国の中の一つの反乱に加わる。そして最後には自信を取り戻し、官吏の異動を大きく行い、めでたしめでたしという内容です。 いや俺ってホント説明下手ですね。自分で書いててもなんて陳腐なのだろうと思う。しかもそんな内容かなぁ?とか思っちゃいます。 で、この話の中では三人の少女、景女王と芳国の元公主と斉の仙に使える少女が主だっています。 みんな不幸にもひとからさげすまれる環境にいるのですね。 それぞれの環境の中でそれぞれ蔑まれ、不幸に身を置いてることに酔っていく。もちろん自覚は無い。読んでる側もね。周りの人間の蔑み方のほうがひどく感じるために、それほどまでに、3人の少女の感情が人として悪い(?)ことだとは感じないです。 しかし話が進むにつれて3人の少女が成長していきます。 「なんて自分は不幸なんだろう」 って。 「自分が一番可哀相って思うのは自分が一番幸せだと思うことぐらい気持ちのいいことなのかもしれない」 という下り。 あると思う。正しいと思う。無意識の間に。 本当に不幸になるときまで。。我慢できる間、不幸に酔える間は本当の不幸に気づけない。人なんてそんなものかもしれない。そして本当に大事なものをなくすまで気づけないのかもしれない。 もちろん未成熟な人間の話だけど、世の中にどれだけ「死ぬまでに成熟できる人」がいるかなんてわからない。この程度のことなら気づく人は多いかもしれない。 でも知識で知っていることと本当に理解してる事って違いますよね。 本気で不幸だと感じたとき、実は我慢できる程度でも「本当に苦しい」と感じてると思いこんだとき、自分が不幸に酔っていると悟れる人がどれだけいるんだろうかと思う。 こういう話を読んだとき大抵自分の昔を思い出します。 喘息がひどくて、本当に苦しいと思っていて、で、結構周りからも同情されていて・・・ でもこの苦しみは誰にもわからない。本当にしんどいのにわかってもらえない。そう思っていた。でもわかって欲しいって甘えた考えがあった。 家族はあまり甘やかしてくれなかった。 「オマエの咳がうるさい!」とか「必要以上につらそうにするな!」とか言われた。 周りの喘息持ちの子でも俺ぐらい苦しんでる子はそうはいなくて(俺は薬使わなかったからだけど)、同情されたりもしたのに。 でも俺は死ぬわけじゃなかったし(医者に言わせれば危なかったみたいだけど)耐えれる程度だった。家族から上記のような文句を言われたときは初めはずっと反発感情持ってた。「俺の苦しみなんてわからないやんけ!ほんまにしんどいのに」って。 でも、その苦しみの中で改めて「俺の苦しみは誰にもわからない」ってわかった。 「自分の不幸」に酔う事だけはないようにしようと。。。あくまでできる限りでしたけどね(^^ゞ そんなときのことを考えたりしちゃいます。 「なんて自分は可哀相なんだろう・・」なんて卑下した満足だけは考えないように仕様とした頃のことを思い浮かんだ本でした。 ・図南の翼 ・黄昏の岸 暁の空 ・華胥の幽夢 ・キスまでの距離 ま、直木賞の選定がどんな基準で選ばれてるか知らないし(文藝春秋系がはいるぐらい?)、「星々の舟」も読んでないんで何とも言えませんが、それなりの実績はあると言うことなんでしょうね。。。 でこの「キスまでの距離」はジャンプJブックスで書かれてたのもあり、かなりマンガです。「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズとして1993年から現在までの「十二国記」と同じくこちらも10年がかりのシリーズです。の第一作目です。 でも十二国記とは大違いってところかな。。。 一部の友達の中である意味伝説となっている「気まぐれオレンジロード」や「SaladDays」を彷彿とさせてくれます。どこがどうとは言えないけど。。。 設定もある意味「Salad」とかぶるところはあるかな? と思ってweb巡りしてたら、どうやら、発刊スタッフは「気まぐれオレンジロード」関係者メンバーのようで・・・(^^ゞかつ、未だ同人サークルなどもやってる方々なようで。。 えと、恥ずかしくなるほど純愛なんですが基本設定を・・・ えー主人公の和泉勝利君、10年前に母が脳溢血で死去、それ以来家事全般をこなしてきたが、高校3年の春、父が転勤で九州に。。。。勝利君は一人で東京に残ることに。。 かたや、勝利君の母の妹夫婦である、花村家は時期を同じくして、ロンドンに転勤。勝利からすれば従兄弟に当たる、花村家の子供も日本に残る。で、親たちは一計を計り(?)子供達を同居させようというところからスタート。 さて花村家の子供は23歳大学出たての姉「かれん」と中学三年生の弟「丈」です。和泉家と花村家の親同士は親交が深いものの従兄弟同士は世間一般程度で、あまりあってはいなかった。が、いきなり同居と言うことで久しぶりの対面。で会った従姉の「かれん」は記憶にあるのとは大違いですっごい美人になっている。。 で、意識しないままに意識し始め、「かれん」を好きになってしまう「ショーリ(勝利)」。 二人の恋は結ばれるのか!!! あほか・・・・・。。。。 ということで、「かれん」が兄への思いを思い切り、二人が付き合うまでのお話しが第一巻「キスまでの距離」でした。。。。 ま、それだけですがこんなのもよかったです・・・(;^_^A ・僕らの夏 ・彼女の朝 ・雪の降る音 ・緑の午後 ・遠い背中 ・坂の途中 ・優しい秘密
別に恋愛小説にハマっていたわけではないけど(・・・・(^^ゞ、 上記「おいしいコー〜」同様年上女が年下男を食う設定というところまでは一緒なんですけど、「おいしいコー〜」がとても純愛(?)ならば、こちらは不純の固まりでした。 で、物語は1998年「失踪申告申立書」が受理されるところからスタートします。 で、時を一年遡り、1990年3月からスタートです。中東が暑く萌えていた熱く燃えていた(どっちでも一緒やな(^^ゞ)時期ですね。 北海道大学に通う学生と、ラーメン屋の嫁はんの不倫、駆け落ち話です。 これが世の中の常識なのです。 で、そのラーメン屋の家族の方は、壊れてます。 まず旦那は元不動産か何かのエリートさん。だけど、妻(前妻)がいきなり精神病になり入院、7年に及ぶ介護疲れで、嫁さんと出会う。前妻との子が一人います。 嫁さんは18歳から銀行で働き20歳から7年に及ぶ不倫(相手が妻子持ち)をし、不倫相手の子供2度おろしています。2回目の時に不倫相手に詰め寄り、相手が銀行の金を横領して自殺。 で、銀行を辞めてスナックで働く(なんだそりゃ?)。そこで介護疲れしてる旦那に出会う。で、改めて前妻と離婚して再婚したと。。。前妻は精神病院にはいっていたけども、二人が結婚してしばらくして、退院。 しかし、精神不安定、で、旦那は週末になれば前妻のところに通いづめる生活が3年ほど前からスタート。もちろん現妻はそれに対する不満はありありです。。 で達の悪い姑もいます。ベタなババァです。なんかうちのばあちゃんとかその周りのババァとかをリアルに思い出させてくれるベタな底意地悪いババァです。 そんなおかしな家庭に育ってる一人息子は当然の要にグレてます(・-・) 悪党に染まりきるほどではないが、弱者に強く(意地悪くはなかったけど)、また中学生ながらのシンナーや煙草は普通にやってます。あーっはっは。。 いやぁ、ホントリアル設定です。 で、その頃の流行の曲とか、世界事情、なんかも細かく描写されていて、丁度俺自身は小学生だったと思う。そのころは「あーこんなん流行ってた」とか思い出しながら読みました。 「ゴーバンズ」。。いたねぇ・・そんな人たち( ´−`) ♪会いに来てI needyou〜♪ で、まぁ、ちょっとした流れからその一人息子の家庭教師をし、嫁と恋いに落ち、駆け落ち(失踪)し、生活に困り、スリなんかもしてみたり。。で、二人の間に子供ができたのをきっかけに嫁が大学生の将来を案じ、別れて元亭主にのところに戻る。1991年元旦の話になります。ここまでの一年間が克明に描かれています。 就職も大学も棒に振った大学生は実家で半分腐ってるのだけども、2/25に一人息子から電話が入り、自分の子供がまだお腹にいることを知る。 2/28に鹿児島から北海道に向かうチケットを買ったところで話は終わります。 最後の2月はアメリカ(多国籍軍)がイラク・クェート人の大虐殺をしてる、48日間の空爆の説明の元、日にちが進んでいきます。確かにあのころのテレビは一昨年同様、湾岸戦争・湾岸戦争してましたから、背景描写という意味ではリアルでしたけど、著者はアメリカ様が嫌いなんでしょうかね? うーん、これだけ書いてしまうとおもしろみも何もないままにネタ晴らしだけしてるわけだけど。。。 ホントに小さなコンビニバイト、万引き、シンナー、売春、不倫、スリ、万博時代の連続テロとか、時代背景の大枠・小枠を取り混ぜて背景描写してます。作者はよく調べたなぁとかも思っちゃいます。 「どろどろ」してて少し「しんどいかも」しれない。 俺は「おいしいコー〜」シリーズを読んですぐ、この本を読んだもんで、「かれん」と「嫁はん」のギャップが激しかったっす。「大学生」と「ショーリ」はある意味似たり寄ったりだった分、メインヒロインの「スレ方」の差が激しく感じてしまって・・・ でも当然後者のほうがリアルで、前者のほうは少年・少女漫画ですけどね。 といっても、後者の方をリアルと感じるかどうかは人それぞれだけど、うちの母親が同じような感じだからおれにとっては、なんかとってもリアル・・・・ という意味では俺の立ち位置ややってきたことは、一人息子そのもののようで。。 母親(義母、現妻)が失踪してから、この厨房は「一人暮らしさせろ。なら学校に行ってやる」と親にアパート代払わせて一人暮らしを始めます。 全く似たような会話を中学か高校の時、俺親父としました。丁度やんちゃも盛りの時で、ババァが世間体の事ばかり言ってくるので「本気で殺してやろうか・・」とババァを脅した後(てかその場では本気だったような・・・)、親父が仕事を早退してきて話し合い、そんな話になったんだった。結局一人暮らしはしなかったけどね。しばらくは同じ家の中でもババァとはできる限り無関係に過ごしてました。。 ま、若気の至りでしたけどね。 失踪ネタスタートなのに、失踪する前で話が終わってしまうという持って行き方が他の失踪本とは違ってすごいらしいです(と巻末書評に書いてました)。 リアリティに疲れない人はどうぞ・・・ (理想と純愛と霹靂を見たい人はやめた方がいいかも・・・) ・アフターダーク さて、またもやがらっと変わって村上春樹著書の書き下ろし最新刊(?)です。これってジャンルはなになるのか?よくわかりません。 宮部さん同様、村上氏の著書は初めて読みました。 物語は夜遅く23:55ぐらいから始まり翌6:55ぐらいまでの一夜限りの物語(?)です。「アフターダーク」という題名ながら(当然の技法のようにかんじられるけど)話は「ダーク」の間のお話しです。 遠い別次元の意志がとある姉妹を「観る」形式で始まります。 で、ある意志(?)が、現在はほぼ不思議な(原因不明の)昏睡状態に陥っている姉の不思議体験(というかそれを眺める「ある意志」の不思議体験)(?)と、そんな状態の姉がいる家ではうまく眠れなくなっている妹が夜の街で一夜の間に体験する出来事を様々な角度から書いてます。 あまり読解力が無い僕には「理解仕切れてないんだろうなぁ」と感じてしまうところが多く、いろんなところにいろんな事が埋め込まれてるんだろうなぁと考えさせられるような文体で、読者の力に相当頼るような書き方だと感じました。 これがゲームであったり、アニメであったり、映画であったりすればかなりの酷評を頂く「自己満足の作品」と言われているかもしれませんね。 全てが未完で、何も答えのないまま終わります。 主人公と記していいと思う妹が体験した一夜はとても貴重でとても意味があり、無意味なものが何もないと思います。でも全てに答えがない。 題名が示すとおりなのか、答えは「アフターダーク」に。。。ってところか。 物語自体は深夜帯なので全て未完。 Endingがとてもきれいなんです。 次の闇が訪れるまでの間に。 他の村上作品は読んでませんし、「何言ってんだか?」と村上ファンなら思うかもしれないけども、何とも言えない、何も答えない、極端な悪もなく、善もないこの作品。 しかし、一つ一つの背景描写や、台詞回しはすごく独特で、なんだろ?とてもウィットに富んだ会話をしているような。読み進めるのに苦が無く読中読後とても気持ちがいいです。 「おいコー」や「夜の果てまで」のような類を読んだ後すぐだったためか、久しぶりに少しまともな作品と出会った気になって、とても好きな作品になりました。
「リンゴさくさく気分を」 「ジューシーオレンジ気分をどうぞ」 「どうぞバナナを!」 ・・・いやいや。。。 衝撃的でした(^^ゞ 舞台はイギリスです。いや、明記はされてないので特定しちゃいけないんですけどイギリスです。時代は近年です。いやいや、明記されてないんで特定しちゃいけないんだけど近年です。 先の選挙で「健康健全党」が与党となる。 ストリートにお年寄りがいれば向こうに渡るのを手伝ってあげます。 そして、「チョコレート禁止法」が施行される。 「今日、トーマスとティナは、デンタルフロス(糸ようじ)の完璧な使い方を学ぶため、歯科衛生士の元を訪れる。」とか・・・ あ、これちょっとおもしそう・・・・いやいや。。。 で、このチョコレート禁止法を破り見つかった者は、監獄行きです。 しかし、闇市場ができ、密売屋が横行し、隠れチョコバーはできる。 「健康健全党」は「チョコレート探査機」を載せた車で常に見回りをし、密告などもふくめ、密売屋撲滅を目指す。 いやいや、チョコの密売屋てあんた・・・通常価格の5倍いうたかて、そんな危険犯してたいした売り上げならへんな。。。 そんなわけのわからん世界の話なんですが、勇気ある少年二人のお話です。 これがまた、思想教育という名ばかりの監獄はえらくひどいように書かれていたのに、また、密売だったら、いつ帰ってこれるかわからないぐらいの罪になるはずなのに、人格も損なわず、反逆精神持ったままあっさり帰ってきます。「あれ?」って感じるぐらい。。。 で、密売屋を始めるときにチョコレート製造本を提供してくれたおじさん達とついに革命を起こします。これまた、あっさり成功。。 で、臨時政府が「チョコレート禁止法」を廃し、次期選挙で、「チョコレート自由党」としておじさんが立候補。国家元首になります。 以上!!!・・・・・・・・・・・・・ それでいいのか!?イギリス!!?? ということで、完全な独善思想に固まった政府と、それに対して完璧なレジスタンス、とても単純なレジスタンス、ある意味、水戸黄門、勧善懲悪、単純思想の固まりでした。 ま、マンガとして読む分にはいいのかもしれませんが、 「で?」 と言いたくなりました。 「悪い」とか「駄作」とか言いたくないですが、 「で??」 と言いたくなります。 ていう単純な改革というところが納得いきません。 以外は 「で???」 という感想でした。 ・真夜中の神話 神保裕一さんの最新刊です。「密かにベストセラー」というよくわからん帯がついておりました。神保さんと言えばなんなんでしょうかね?やっぱり「ホワイトアウト」でしょうか?織田裕二主演で映画化されてますね。山本周五郎賞なんかおとりになられてます。 で、この作品、元薬学研究で第一線にいて、仕事にのめり込むあまりに家庭を顧みず最愛の夫と娘を事故で無くした女性が主人公です。 事故の後、第一線から離れ癒し系アニマルセラピーの研究をしている最中、インドネシアで飛行機墜落の大事故に遭遇。助けられた山奥で奇跡的な治療(回復)を受け生還、その奇跡の是非、真理、そして奇跡の源である少女を巡って国家的な陰謀と宗教的な陰謀のやりとりの渦中に巻き込まれていきます。主人公は無くした自分の娘とかぶせひたすらその少女を守りたい一心で動くというものでした。 元同僚、キリスト教宣教師、謎のジャーナリストなどともに行動するのですが、その誰も最後まで誰が仲間で誰が敵かわからない、怒濤の真理、真相解明が最後に訪れる。 ラストだけは一気に読みいってしまいました。 インドネシア独特の民族性、宗教観などがよく調べられていると思います。吸血鬼についてやドラキュラ伝説なんかについても調べられていてそこら辺は読んでておもしろいです。 またある意味仮説として神聖を汚すには十分な「奇跡の起きる理屈」があって、事実であったならおもしろいなとか「無神論者の日本国民」は思いました。 国の背景や民族性などはよく調べられていておもしろいとは思いましたが、いかんせん登場人物にいまいち魅力がないんですよね。。。奇跡の少女も勇者もそして主人公自体も何故かいまいち影が薄く感じてしまう作品でした。 際だって印象がつく人物がいないんですよね。 そこがちょっとって感じがしました。神保作品はこんな感じなんでしょうか? ・ミニ株入門 |