山ある記

御嶽   (おんたけ 3,067m 御嶽山) − 長野県    2003.09.14 (日)

天候:曇り後晴れ
標高差:870m

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山頂より二ツ池を望む(27KB)

  <木曽の御嶽さん、と親しみ易いだけに人出も・・>
 3連休の中日。少しだけ早起きして、上田から片道140km強の御嶽へ行くことにした。同じ県内とは言っても木曽となると遠いな、という印象。天候もまずまずで行楽日和となりそうな朝であったが、早めに出発したので道は空いていた。国道19号は木曽福島の元橋で右折し、県道20、256号を経て王滝村に入る。登山口のある田ノ原(2,200m)まで一気に車で上る。田ノ原までの道で誰もが目にするのが、墓石とも石碑とも取れる石の列。勿論、人間が刻んだ文字もあり、れっきとした人工物なのだが、よくもこれだけ作ったものと驚かされるし、異様でさえある。信仰の力とは凄いものだ。高度を増すにつれてガスが濃くなり、霊山らしくなってくる。田ノ原の駐車場は車で溢れていた。こんなに人気のある山なのかと感心。
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二ツ池のそばに咲くイワギキョウ(28KB)

11:00 駐車場よりは外れた駐車場。御嶽山があるらしい方角は完全にガスに包まれて、山容はさっぱり分からない。田ノ原周辺には登山客とも思えない人が多かったが、単に登山者らしい装備をしていないだけで、軽装でも兎に角登ろうとしている人達であることを知る。そうした老若男女が皆、そんな風に山頂を目指しているのだ。
11:55 八合目(2,470m)。登山者が多いので自然、歩調も緩やかとなり、息も上がらない。順調に前進した。この辺りでは森林限界も過ぎ、足元の岩が気になる。
12:40 王滝頂上(2,937m)。ガスを抜け出ると、上空は青空。ぱっと明るくなる。ここから望む頂上・剣ヶ峰はいかにも火山といった岩の塊である。山頂付近に建てられた山荘が一見、チベット寺院かなにかにも見える。左手の山肌からは噴煙が小さく上がっている。山頂まではしばらくガレた道を進む。富士山に似てるなと、ふと思った。人の多さも。途中、ケバケバしい宗教的オブジェが迎えてくれる。御嶽教だか何だか知らないが、異様である。というか似つかわしくない。センスを疑う。
13:05 山頂。狭い山頂は大勢の人で賑わう。見下ろすコバルトブルーの二ツ池が鮮やか。火口だったであろう広大な一ノ池には水はなく、荒涼としている。気温14.6度。
 そのまま時計回りでお鉢巡りに向かう。風が肌寒いので長袖シャツを着込む。あちこちに「xx童子」という文字を刻んだ石碑が建つ。自然のいたずらで倒壊しているものも。
 二ツ池の美しさには誰もが足を止める。御嶽山に登ったら二ツ池は見ていくべきだろう。池に下る手前から見下ろすと一層美しい。残雪あり。
 
<日帰り入浴>
貴族の湯”トロン温泉”。\500
田ノ原から下った、御岳スキー場内?の道路沿い。
ペンション”どんぐり”に併設。内湯のみ。シャンプーあり。
浴室から開田高原が見晴らせる。浴室そばにクルマユリが咲いていた。

<参考地図>
・どこでもアウトドア 「日本100名山を登る(下巻)」(昭文社)
・アルペンガイド16 「中央アルプス・御岳山・白山」(山と渓谷社)

14:20 二ツ池(2,910m)。一旦、山頂へ登り直し、お鉢巡り完了。山頂まで行かなくても王滝頂上へ行ける横断道があったが、別の角度からも二ツ池を撮っておきたくて、一周してしまった。それにしても山頂の人工物の多さに幻滅する。それが彫像、石碑の類いだから始末が悪い。信仰心から来たもので悪気はないとは思うが、競うように立ち並ぶ様子は、無宗教の私から見ても、聖域を反って汚しているように思えてならない。しかも壊れたものも多く、荒らされた墓場にでも来たような気分になる。富士山はこんな風じゃなかったな。
15:00 王滝頂上。ここでようやく昼食。ずっとガスが立ちこめていた田ノ原方面だったが時々、ガスが晴れて麓まで見晴らせる。
15:40 八合目。次第に天候もよくなって来たようで、遠くの山の上の雲も減って、展望もよくなる。
16:30 駐車場。楽に下りて来たつもりでも疲れることは疲れる。振り返ると上半分に雲を戴いた御嶽山が西日を浴びていた。朝はほとんど山容が分からなかったが、半分くらいは分かるようになっていた。下半分だけでも、どっしりとして幅があるのは分かる。

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