レース観戦記

東京優駿<日本ダービー>(G1 : 芝2,400m 4歳) 晴れ、良馬場

   スターの子供はスーパースター!それがサダメ!

   キムタクがセクシーに踊るJRAのCMどおりの結末だった。
   絵に描いたようなとはこういうことなのだ。

   最後の直線、高低差2mの上り傾斜が約200m続く全長500m。
   いったんは先頭に立った渡辺騎手のナリタトップロードをゴール手前で楽に差し切ったのは、武豊騎乗のアドマイヤベガだった。

   桜花賞、オークスの2冠馬を母に、リーディングサイヤーのトップ・サンデーサイレンスと父にもつ超良血。生まれる前からのスーパースターだ。
   しかも手綱は誰もが認めるナンバー1ジョッキー武豊だ。

   だめだ、こういうパターンは必ず外したくなるのが私の性分。
   おまけに皐月賞はその前走の弥生賞よりも12kg減、更に前のエリカ賞のときより20kg減で6着に敗れているとくる。
   しかし予想紙上では馬体は回復したと書かれている。実際、レース前の馬体重の発表では10kg戻していることを伝えていた。

   パドックでカメラを構えながらの下見では、確かに悪くは見せていない。
   私の本命は皐月賞馬テイエムオペラオーだから、自然にこちらの状態のほうが気にかかる。
   主な馬の様子だが、

1番 Bタキシード。的場さんにはそろそろダービーをという声が巷では聞こえる。
2番 Aベガの栗毛はややくすんで見えた。復調には今一歩か?という先入観よりも、アンチ・ジャイアンツ的意志が私に働く。
3番 Nセイリュウ。全然だめ。イレ込みか神経質か、覇気がないようにもとれる。
7番 Pブラック。初めてのブリンカー。やってみなけりゃ分からん的な作戦。軸には押せないでしょう。
9番 Oブライト。皐月賞はオペラオーには敗れたものの、2着の脚がずっと印象に残っている。気合も乗っているいる。そうでなくても黒鹿毛は強そうに見える。絶対外せない。
11番 Nトップロード。直前オッズではAベガをわずか抑えて1番人気。24才の渡辺騎手にも重圧がかかるところ。同じ勝負服のワン・ツーも面白いかも。
14番 Tオペラオー。皐月賞を破竹の4連勝で飾ったのに人気は3番目。他の2頭とのオッズの差はわずかだが、評価がどうして上がらないのか不思議。オッズ上では3強の形。馬は落ち着いている。あとは人のほうだが、和田騎手も若いが重賞にも何度も乗っているし、それほど心配しなくていいだろう。

  ラジオでは8レース終了時点での競馬場入場者が16万8千を超えたことを伝えていた。
いよいよ発走。超満員のメインスタンド。ゲートはスタンド前にあるが群集のなかで全く見えない。
ゴール板の前の大喚声の中でスタートを待つ。

   Wファングほか2頭が先行し、よどみのないペースを作る。(これがダービーレコードのタイ記録にもつながった。)
   有力どころでは、Pブラック、Tオペラオー、Nトップロード、Oブライトが中段。Bタキシードはこれらよりもやや前。Aベガはやや後方といった位置取り。2から3コーナー過ぎまでこの体勢でレースは続き、4コーナー、最後の直線を迎える。
   Tオペラオーの和田の手が早めに動いた。一瞬馬がよろけたように見えたが、脚を伸ばそうとスパートにかかる。その外側をNトップロードが良い手応えで先頭に出る。このままゴールを駆け抜ければ馬券は当たりだ。が府中の直線は長い。
   オペラオーに皐月の一気の差し脚を期待して、オペラオーと何度も叫ぶが伸びは止まっていた。
更に大外から上がってきたAベガがゴール出前できっちりトップロードを差し切った。

   表彰式では昨年のリプレイを見るように、お立ち台で木村拓哉が武豊騎手の腕をとり観衆に向けて高く掲げていた。