読書メモ

・「格差はつくられた ―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
(ポール・クルーグマン:著、三上義一:訳、早川書房 \1,900) : 2011.04.21

クルーグマンは民主党支持者。 経済格差はグローバリゼーションや技術革新などの市場や経済の趨勢のためでなく、政策によるもの。

○印象的な言葉
・すべての問題の根源はアメリカの人種差別問題にある。今でも残る奴隷制度の悪しき遺産、アメリカの原罪。それが医療保険制度を提供してこなかった理由
・白人の人種差別意識が社会・経済格差を生み出してきた
・ネオコンも差別意識を利用してきた
・福祉の恩恵を受けてきた貧困に喘ぐ黒人や移民たち。その財源は白人の払う血税
・自分の身体は自分で守るのがアメリカ人の発想。アメリカでは病気にならないことが前提
・公民権運動・黒人解放運動で法律的・制度的な差別は撤廃されたが、社会的な差別が消え去ったわけてはなかった
・アメリカの白人人口の減少。肌の色はそれほど問題ではなくなってきている
・アメリカが最も繁栄したのは政策的に中流社会を生み出したときだった
・巨額な医療費のために貧困に叩き落されるアメリカ人が多い

-目次-
あの時代の追憶
長期の金ぴか時代
大圧縮の時代
福祉国家の政治
60年代騒然の中の繁栄
「保守派ムーブメント」
大格差社会
格差拡大の政治力学
大量破壊兵器
平等で格差のない政治
緊急を要する医療保険問題
格差社会に立ち向かう
リベラル派の良心