読書メモ ・「出社が楽しい経済学 2」 ・ポイントカードのポイント大盤振る舞いが負担になっている企業もある。ポイントは企業にとっては一種の借金。顧客からお金を借りているのと同じ ・ある仕組みにロックインされたものを別方向に向かわせるにはスイッチングコストを下げる必要がある。税制優遇や補助金などの奨励策で誘導 ・みながバラバラで行なう経済活動が全体としてうまく回る理由は「競争」にある ・サンクコスト(埋没費用)は忘れて、撤退するかどうか検討すべき ・ホールドアップ問題:相手との交渉力を失って、不利な選択を余儀なくされたりする ・2008年のプロの将棋の対局では後手が勝ち越した。先手有利とは言えなくなった ・顕示消費:見栄のための消費。価格が高いほど満足度も高くなる「ウェブレン効果」。高級ブランド。贅沢をしていることが満足を高める ・消費の外部性:他人の消費量が自分の満足度に影響する ・スノッブ効果:他人があまり持っていないものを持つことが満足度を高める ・バンドワゴン効果:同じものを持っている人が増えるほど満足度が高まる ・買い物行動は曖昧な価値観に左右されている。バランスがとれた消費生活は幻 ・他の消費者と競うためにこそ、消費をしている ・賢い買い物をしたと感じることが満足を高める場合もある ・ハウスマネー効果:ギャンブルで得たお金は浪費しがち ・積み立てをする一方でローンを借りることは無駄な金利支払いをすること ・行動経済学:人々の行動が合理的であるとは限らないことを示そうとした。非合理的な実験が目立ちやすいバイアスがある。従来の経済学を補完するもの。 人間がいかにいい加減かを教えてくれた。 ・保有効果:人は自分が手に入れたものの価値を高く見積もる傾向がある。価値が高いと信じようとする。 ・損得に対してどんどん鈍感になることは、投資などで損失への対処を誤らせやすい ・ピーク・エンドの法則:一連の体験から得られる満足感はピーク時と終了時の満足感で決まる ・「一見さん、お断り」はスクリーニングの一種。安心して客として迎えられそうな人だけを受け入れようとしている ・市場に委ねるだけでは「情報の非対称性」は解消されない。政府や国際機関による適切な関与が必要 ・給与体系は企業にとって採用のための一種のスクリーニングになる ・スクリーニングを利用した価格差別。時間とともに値下げするのもタイミング(時間)を利用したスクリーニング ・ランダムに値引きを行なうことで客が価格に敏感か、価格をしっかり調査しているかを見分ける ・10年後の元本保証を謳う投資商品は、長期では物価上昇がありそうなことを考えると、無意味 ・セカンドプライス・オークション:勝者となっても後悔しなくてすむ。売り手も驚くほど低い価格で売ることを避けられる ・レント:みんなが求めても供給量が増えない何かが生み出す報酬や、供給量が一定の何かにつけられた価格のこと。土地のような性質をもつもの。許認可などが原因。 レントの奪い合い(レント・シーキング)は社会的には無駄。企業間の接待も同じ意味合い。 ・範囲の経済性:異なる複数のビジネスを組み合わせることでコスト(平均費用)が安くなる ・規模の経済性に加え、範囲の経済性を活用し、全体的には大量生産だが個別には多品種少量生産となる ・景気が急速に悪化し、消費が大幅に縮小すると、メーカーは生産規模を大幅に減らすことになり、規模の経済性が逆に働く ・規模の経済性やネットワーク外部性の影響力が強大になったため、現代の経済は成長し続けることを義務付けられてしまった -目次- 第1回 ロックイン ―偶然を運命に変える? 第2回 コミットメント ―自分を縛るのがポイント 第3回 ヴェブレン効果 ―高価格の魔力 第4回 心の会計 ―カネに色をつけるな! 第5回 スクリーニング ―見知らぬ輩はふるいにかけろ! 第6回 勝者の呪い ―勝つは負けるの始まり 第7回 レントシーキング ―ムダな争いはやめましょう 第8回 規模の経済性 ―大きいことはいいことだ? |