読書メモ
・「理系の企画力! 〜ヒット商品は「現場感覚」から」
(宮永博史:著、祥伝社新書 \760) : 2011.01.11
内容と感想:
最先端技術より企画力、というのがテーマ。
任天堂やアップルは商品企画に重点を置いている。
成功事例を9社挙げて、解説している。
○印象的な言葉
・最先端の技術が最高の感動や満足を与えるとは限らない
・ぶらぶら社員制度
・規制強化を活かして市場参入。厳しい規制を達成できれば既存事業者にはすぐには追随できない
・想定外の使われ方を考える
・究極のわがままが将来の標準に
・ありえないような目標設定。競合他社をリードする時間。商品を市場に出すまでの時間とリードし続ける時間を考慮
・欧州の家電製品は日本より変化のスピードが緩やか
・日本は多くの家電メーカーが競合しすぎる
・性能や品質、コストにうるさい、移り気な日本の消費者
・工場には設計の問題点を指摘し、開発サイドに改善提案できる人材と技術が蓄積されている。海外移転すると蓄積が失われる。競争力も失われる
・お客様の求めるもの、欲しがるものでなく、喜んでもらう商品を作れ(松下幸之助)
・セレンディピティは自ら努力して呼び寄せる
・社員を世界各国に住まわせ、その国の生活者として情報収集
・掃除機能付き家電。光触媒で掃除不要
・製品の比重を水の比重と同じにすると、手に持ったときに違和感がない
・「ポケットに入る○○」というコンセプト
・鍛造品は強度に優れ、軽量。日本刀
・値下げをしなくても売れるという自信をもてる技術
・従業員満足度を第一にすることが、結果的に顧客満足度を高める
・外専内標:社外に対しては専用品に見え、社内からは標準品に見える。プラットフォーム共通化。その上で個別要望を実現。カスタム化・コスト低減・開発期間短縮
・オープンイノベーション:社外の知恵を製品開発に活用
・市場リーダーの戦略:脅威が出てきたらすぐに潰す
・他の分野の知識をもち、そこから何をもってくるべきか目利きする
・プロトタイプ用としてFPGAが製品に使われ出した。携帯電話基地局など。ネットワークを介してデータを書き換える。ハードウエアにソフトウエアを融合
・国際標準化機構の縦割り構造。規格の審議の場を別の分科会に移してしまう
・本当に強いメーカーは製造装置の技術開発まで自社で行なう
・日本企業の持っていた良き伝統が、表面的な欧米流経営の物真似で失われている
<その他>
・市場に出した製品の使われ方の追跡調査(⇒ブログ等から収集も)
-目次-
第1則 現場は観察するだけでなく、実際に体験する
第2則 一面からのモノの見方にこだわらない
第3則 使う人が求める究極の我侭こそ、発想基準
第4則 はじめにコンセプトありき
第5則 優れた技術は感動を生み出す
第6則 最初から二兎を追う
第7則 異なる分野の技術を結集する
第8則 技術はわかりやすく翻訳する
第9則 商品はロングセラーを前提に考える
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