読書メモ

・「勝間和代・脳力UP 〜一日5分!「携帯パズル」でみるみる頭がよくなる!!
(勝間和代:著、講談社 \800) : 2011.01.29

内容と感想:
 
脳力UPのためのパズルの本。 前半は「ビジネスに役立つ思考力」を解説、後半はそのビジネス思考力を鍛えるためのパズル(クイズ)問題という構成。 本書ではビジネス思考力を高めることを目標としているが、著者が考える思考力というのが「立体思考力」だ。 それは論理思考力(垂直思考)と水平思考力の組み合わせ。その2つの思考力を鍛え、活かせれば、ビジネス上の難問も解決できるとする。 第4章が論理思考力を鍛えるパネル、第5章が水平思考力を鍛えるパズルになっている。 本書に収められた問題は初心者にはかなり難しいものばかりかも、というように、脳みそが苦しくなるほどの難問ばかりである。 第3章でも触れているが著者は子供の頃、多湖輝氏の「頭の体操」シリーズにハマったらしい。 同世代の私にも懐かしい本だが、本書のパズルもその「頭の体操」に影響を受けたと思われる雰囲気のものが多いと感じた。 本書で取り上げたようなパズルを用いてケータイでもトレーニングできるように、と携帯サイトも展開しているらしいので、興味のある方はサイトにアクセスしてみてはどうか。

○印象的な言葉
・アメリカで流行る「brainteaser」(難問)という新種の「なぞなぞ」。仮説を立てる発想力うあ、その仮説を理屈に合うように展開できるかという思考力を試している
・立体思考力:論理思考力と水平思考力から成る。
・水平思考力:直感や想像をふくらませたり、新しいものを組み合わせて仮説を立て、正解を見つけようとする力。コンピュータには真似ができない。試行錯誤。 考える枠組みを広げていく思考法。否定力からスタートし、展開力を経て、試行力に至ったところで完結する。
・水平思考力を身に付けるには複数の見方をするよう心がけること、物事の関係をひっくり返す、より具体的な類似した状況に置き換える、あまり重要でない部分に注意を向ける。 手品やマジックのトリックは水平思考力から生み出されている
・論理思考力:問題を直線的に掘り下げていくときにぴったり。垂直思考
・水平思考と垂直思考は補い合う関係。水平思考でアイデアが生まれた後は、垂直思考で実用性のあるものに発展させていく
・考えることの最初の一歩は、区別すること。物事をMECE(漏れなく、ダブリなく)に分解する
・法則力:法則を発見する力。考え続けることが重要。無意識のうちに考え続けるようになる
・数字力:物事を相対的にとらえ、公正に比較する
・試行力:アイディアをどんどん組み合わせていく。失敗にめげず試行を繰り返すことで成功にたどりつく
・脳は安定を好み、変化を嫌う。常に安定に向かうように感情や身体的な機能をコントロールするようにできている。変化に対しては回避するようにコントロールし、 より大きな変化に対しては恐怖を引き起こす
・わずかな優位性を生かしながら、毎日、練習を続け、人前で披露し続ける

<その他>
・外貨預金ではその国のインフレ率(実質金利)に注意

-目次-
第1章 青山のあるフレンチレストランの秘密
第2章 「立体思考力」を身につけると仕事が楽しくなる
第3章 勝間和代の立体思考力が出来上がるまで
第4章 論理思考力パネル ―法則力、当てはめ力、数字力を鍛えるトレーニング
第5章 水平思考力パズル ―否定力、展開力、試行力を鍛えるトレーニング