読書メモ

・「脳力(のうりき)のレッスンII 〜脱9.11への視座
(寺島 実郎:著、岩波書店 \2,000) : 2011.03.12

○印象的な言葉
・「自分はいかなる時代に生きているのか」という時代認識。立ち位置を確認。時間軸と空間軸の中で位置づける
・冷静になれば「結局、お釈迦様の手の中でもがいていたに過ぎない」ことに気付く
・「物事の本質を考える力」たる脳力
・大空から世界を見渡す鳥の眼と、しっかりと地面を見つめる虫の眼
・21世紀型先進国家としてのシンガポール。イスラム圏としてのアジア
・最大の債権国・日本が債務国・米国を支える構造
・イラク戦争という不条理への加担
・国際人としての空海。中国に渡った西暦804年、日本の人口は500万人。唐時代の中国は超先進国。長安は人口100万。国際交流の基点だった。 外国かぶれにもならず、偏狭な外国嫌いにもならない。
・空海の世界観を貫く「全体知」。世界総体を体系的に、調和的に捉え、人間に潜在する仏性を信じて絶対平等の世界を訴える。時代と正面から向き合う壮大な「統合された知性」
・お遍路さん。「同行二人」、空海とともに歩きぬく。
・東洋的考え方(鈴木大拙):「主客未分化の全体知」を生きる。専門化という流れの中で分断された知性。全体観を見失った

-目次-
1 脱九・一一の世界への視界―時代の空気に向き合う
2 現代資本主義の死角
3 ユーラシアの新潮流
4 迷走するアメリカ
5 小泉・安倍時代の日本との並走
6 歴史に胆力を学ぶ