読書メモ

・「対話で探る「新しい科学」
(河合 隼雄:著、講談社+α文庫 \800) : 2011.06.02

○印象的な言葉
・西洋的な合理精神−ニュートン・デカルト的パラダイムに疑義をもつ
・人間という存在に対しては、ニュートン・デカルト的パラダイムによってたつ因果律による法則が成立しない
・人間は矛盾に満ちた存在であると同時に、多くの可能性をもっている
・人間関係や感情について論理的に整合性のあるモデルをつくると、学問としては格好がいいが、実践では役に立たない
・経済現象は理論で割り切ろうとしても、なかなかうまくいかない。自然科学の方法論をそのままあてはめることには無理がある
・「新しい科学」には新たな方法論が必要
・近代科学では「偶然」は解けない
・因果律のみでなく縁起律もともに考えてこそ自然現象の解明がなされる。近代科学が「偶然」として捨て去ってきたことを入れ込む
・心界と物界が相接して、日常あらわる(南方熊楠)

-目次-
清水博さんと…「何が起こるかわからない」ことを科学する
伊谷純一郎さんと…「個」をとことん見極める
鶴見和子さんと…創造性の根は自然とのつきあいの中にある
日高敏隆さんと…「科学的事実」にまどわされるな
猪瀬博さんと…方向転換しないと落ちこぼれる
丸山圭三郎さんと…科学と神秘のあいだ
村上陽一郎さんと…「科学は絶対」をやめる