読書メモ ・「日本の難点」 ・普遍的だと言えるものは永久にあり得ない。その都度、相対的なもの ・従来は恣意性(誰もが分かっていること)を乗り越える、やり過ごす働きを社会は内蔵していたが、壊れてしまった。社会の底が抜けた ・郊外化(→三浦展のいうファスト風土化に近い) ・日本社会の空洞化と米国的なものの拡がりの間に関係がある ・お茶の間や井戸端に相当する場がなくなれば、それを支える共通前提を供給してきたメディアも不要となる。国民的メディアは消える ・ネット上の横並びの細分化されたコミュニティ。「島宇宙化」 ・社会の自立。社会が国家に依存しすぎる。大きな社会の樹立 ・孤独死。自分をケアする訓練が未熟 ・本当にスゴい奴は利他的。その「本気」に感染する。本気の話を本気で聞く。気がついたときは真似てしまうようなスゴさ ・いじめにより、逃げ場がなくなったら転校 ・クレーマーやモンスターペアレンツの言うことを真に受けて聞くから、彼らが生き残ってしまう。クレーマーの主張は「部分最適化」。それを上回る全体に関わる合理性がある ・相手の反応に驚いている時点で既に負けている ・日本では毎年新しい教科書を買わせる。利権の匂いがする ・教育内容に疑念があれば教員と親と子供の間で議論しながら解決していくべき ・能力別編成からグループワーク(班学習)へ。寺子屋式 ・社会のうすっぺらさ ・勉強する代わりに様々な経験を積んで人や社会について見聞を深め、動機付けを獲得させる。教養の世界と現実の世界を両方よく知ること ・他人を幸せにすることを通じて自分も幸せになる ・不作為もまた作為なり。するも選択、せざるも選択 ・人間は社会により、共同体により、多大に方向づけられている ・不条理を受け入れ可能にするメカニズムの総体としての宗教 ・法華宗:天皇を法華宗に基づく宗教的世直しの手段として使おうとした。宮沢賢治も帰依 ・自殺率が高止まりしているのは複合的な要因。「金の切れ目が縁の切れ目」という人間関係が拡がっている ・「小さな政府」でいくぶん、「大きな社会」で包摂せよ ・公共の秩序:価値観の違う人たちがうまく棲み分けられるようなプラットフォーム ・オバマは分裂した米国の「再統合」のシンボル ・多数決は間違いを含む。多数決で決まったから内容が正しいわけではない。陪審制は誤りえる ・デフォルトの危険がある米国債を各国に買い支えてもらうには、米国は国際社会と相互依存関係に入るしかない ・非同化主義:最低限のルールを踏まえてもらえば、宗教も風俗習慣も気にしない ・反撃できると相手に思わせることにより、相手の攻撃を思いとどまらせる能力をもつ ・沖縄の米軍基地の重要性の高まり。そのため日本は米国と取引可能。できるだけ高く売る ・資本主義システムへの参加者が過剰に利己的ではシステムは自壊する。それなりに社会的でないと存続しない ・利他性を刷り込む、価値の埋め込みを含めた社会環境の設計が必要。道徳感情の共有 ・裁判員制度:一審にしか採用されない。審理に3日程度しかかけられない(かけさせない) ・企業はどんな仕事にも向く人材、どんな人間関係もこなせる人材を求めている ・個人が経済的な失敗で路頭に迷わずに済む相互扶助が大切 ・「間違った議論」に集うことで世代的連帯が生まれ、居場所を見出すことで社会的に包摂されることもあり得る ・正規・非正規の垣根を低くし、同一労働・同一賃金の原則を守り、企業には解雇の自由を認め、社会保険でセーフティネットを張るのが正しい ・社会学は「関係性についての学問」。「みんな」という想像についての学問 ・想像の共同体である国家 ・フランス、イタリアの人民戦線的伝統。英国ビクトリア朝的伝統(高貴な利他)。中国、ユダヤの血縁ネットワーク ・日本人の「ずっと一緒にいた」という事実性 ・農協は金融事業に傾斜し、農家全体の利益を代表していない ・マクシミン戦略:非常時に最悪の事態をいかに回避するか ・スローフード:食が近隣農業を支え、近隣農業が経済やライフスタイルや風景や町の匂いや近隣文化を支える ・目先の利益のために長期の利益を台無しにする愚 ・郷土愛を抱き続けることを支えるリソースが枯渇していく ・人々を「世直し」に動機付ける -目次- 第1章 人間関係はどうなるのか ―コミュニケーション論・メディア論 第2章 教育をどうするのか ―若者論・教育論 第3章 「幸福」とは、どういうことなのか ―幸福論 第4章 アメリカはどうなっているのか ―米国論 第5章 日本をどうするのか ―日本論 |