読書メモ

・「M2:ナショナリズムの作法
(宮台 真司, 宮崎 哲弥:著、インフォバーン \2,000) : 2011.02.15

○印象的な言葉
・今同じ面積で和風の家を建てると5割増し
・匂いのある町
・ハイソサエティは伝統文化や社会規範の「保水機能」を担う森林、帯水層。これが損なわれると大衆主義という洪水に社会全体が流されてしまう
・エリートの足を引っ張る浅ましい田吾作が量産された
・チャレンジして負けたら諦めて、リスペクトしろ。信頼して任せろ
・民間神道がいい加減だから、それを簒奪して国家神道ができた。宗教じゃなく習俗
・修身斉家治国平天下:天下を治めるには、まず自分の行いを正しくする・・・
・みんなが好きなように生きて、最後に差が付くのは仕方がない
・互いに危害を加えることなく、それぞれが幸福追求できるシステム。互いに理解しあえないかもしれないけれど、誰も不安を感じない、互いに憎まない。 ただ差別や暴力が生じたら、一緒になって抗議する。
・大衆的な大衆嫌悪のブームを引き起こす。「大衆」とは低劣な心理、社会状態を示す。
・日常の中に政治活動を組み込むことが重要(丸山真男)
・底辺の幸せが保障されているなら格差OKの欧州。底辺にも等しく階層上昇の機会が与えられるなら格差OKの米国
・ルールを踏まえれば「なんでもアリ」のルール主義の米国。紳士協定(法律や公式の手続きによらない)の欧州
・敵地制圧戦力を持たない日本が先制攻撃しても後が続かない
・米国の言いなりにならずに済むリソースの蓄積。米国のためと称して自立を目指す
・フランスでは「時の権力は暴走するもので、それを補うのが民主主義の力」
・フランスは現状維持、マイナス成長でもいい、スローライフ的な生き方へ舵を切っている。「沈む時はみんな一緒」という合意形成
・名物教員の、知識よりも生き様を感染させる力
・言語能力を高め、その上で論理や感性を磨いていく。「OS」をしっかりつくる。小さい子にできるだけたくさん語りかけること
・ゆとり教育に経験値を上げる教育を求めた。学力低下は織り込み済みのはずだった
・パラフレーズ能力:誰もが理解できるように説明する能力。適切な例を用いる
・日本の外交的ポジションの長期低落からの一挙挽回を図る勢力の、北朝鮮問題の利用。核武装論。「言うだけ」なら、国内に強硬論があること自体が外交カードになる
・憲法九条を変えても無益な戦争はしない
・社会が傾いている時こそ、分析する人や行動する人が輝く。社会観察をネタにして表現する
・人格の成長に最高おの価値を置く
・和平は忘却によってこそ成り立つ。「過去を水に流す」。戦禍が一般市民にも及ぶ総力戦の時代になり、難しくなった
・西欧は市民的自由を神の権威よりも優先する
・重武装・中立
・創造の野望は、狂わない限り実現できない
・ギャグと狂気は表裏一体
・政治は理不尽の世界。理不尽を強いる国家。国家を信じるな。理不尽を強いられる人間が輝く
・憲法はそもそも抽象的。法律ではない
・社会とはコミュニケーション可能なものの全体のこと

<その他>
・落語の面白さを外国人に伝える紹介サイト

-目次-
第1章 M2的社会時評
第2章 M2的政治時評
第3章 宮台真司ゲスト対談
第4章 M2的最終時評
第5章 太田光×M2特別鼎談