読書メモ

・「リブレソフトウェアの利用と開発 ―IT技術者のためのオープンソース活用ガイド
(飯尾 淳 :著、ソフトリサーチセンター \2,800) : 2011.08.31

リブレソフトウェア:フリーソフト、オープンソースソフトなどの総称。欧州でしばしば使われる表現。 「libre」は自由の意味。持続可能なソフトウエア開発をめざす。
著者は動画像処理ライブラリ「MAlib」をフリーソフトとして公開。

○ポイント
・ビジネスモデル:商用ソフトとの組み合わせ(クライアント・ソフトはリブレソフトとし、サーバ・ソフト販売で利益を得る)。カスタマイズサービス、SI、サポート、教育、出版
・Konqueror:KDE(Kデスクトップ環境)が用意するブラウザ。SafariのHTMLレンダリング・コンポーネントにKDEのKHTMLコンポーネントが使用されている。Safari用にチューニングしている。
・Galeon:GNOMEが用意するブラウザ。GUIツールキットにGTK+を用い、HTMLレンダリング・コンポーネントにはMozilla提供のgeckoエンジンを使用
・組版ソフト:TEX(テフ、またはテックと読む)。LATEX(ラテフ、またはラテックと読む。TEXの拡張)。PostScriptやPDF形式にも変換
・PostScript:リブレソフトウェアとして以前より実績のあるアプリがいくつも存在する。PSプリンタは高価
・KISSの法則:Keep It Simple, Stupid!
・「UNIXという考え方」9つの定理:@Small is beautifulA1つのプログラムに1つのことをやらせるB出来るだけ早く試作をC効率より移植性D数値データはASCIIで保存 Eソフトウエアの梃子を活用Fシェルスクリプトで梃子の効果と移植性を高めるG過度の対話的インターフェースを避けるHすべてのプログラムをフィルタにする
・autoconf:configureスクリプトを簡単なテンプレートから生成
・automake:makefileをより簡単に作成。autoconfと組み合わせて使う
・libtool:ライブラリの作成を容易にし、移植しやすいライブラリを作る。これらはGNU Autotoolsと呼ばれる

-目次-
第1部 リブレソフトウェアとは何か(持続可能なソフトウェア開発
フリーソフトウェアとオープンソースソフトウェア
リブレソフトウェアを取り巻く現状)
第2部 リブレソフトウェアの基礎(デスクトップでの利用
端末エミュレータとシェル)
第3部 リブレソフトウェア・アプリケーション(エディタ
インターネット・アクセス
文書作成
データ処理、その他のツール)
第4部 ソフトウェア開発の自由(すべてはソースコード
デバッグと改良
リブレソフトウェア流の開発スタイル)